ヤマハのCP2搭載車の中で日本には導入されていない「トレーサー7」シリーズの、2026年モデルがヨーロッパで発表された。2026年モデルではヤマハが誇るオートマチックトランスミッション「Y-AMT」装備モデルをラインナップに加え、ツアラーとしてより完成度が高められている。

新たなライディングエクスペリエンスを生み出す「Y-AMT」を装備

次世代のMoto3レーサー用のエンジンに選出されたヤマハのCP2エンジンは、2025年モデルの「MT-07」でユーロ5+排出ガス規制に対応した。「MT-07」、「XSR700」、「YZF-R7」、「テネレ700」などに搭載されているこのCP2だが、ヨーロッパではこのCP2を搭載したツーリングモデルの「トレーサー7」が展開されている。

「トレーサー7」は、日本でも販売されているCP3を搭載した「トレーサー9」シリーズとコンセプトを同じくするアドベンチャー系のツアラーモデルであり、大型のハーフフェアリングやアップライトなポジションなどを持つ、ロングツーリングを楽しむためのモデルとなっている。また、より防風効果の高い可変式ロングスクリーンやパニアケースを備えた「トレーサー7 GT」もラインナップされる。

2026年モデルの「トレーサー7」と「トレーサー7 GT」では、どちらも革新的なY-AMT(ヤマハオートマチックマニュアルトランスミッション)を搭載したモデルを新たにラインナップ。指で操作するシーソースイッチによるマニュアルシフトとフルオートマチックトランスミッションの切り替えを可能にするこの技術によって、全く新しいライディングエクスペリエンスが生み出された。YRC(ヤマハライドコントロール)の電子制御機能と完璧に連携するこのY-AMTシステムは、比類のない快適性と実用性を備え、よりダイナミックで爽快なライディングを実現。日常のスポーティなライドから、通勤、長距離ツーリングまで、あらゆる場面で新たな楽しみをもたらしてくれる。

2026年モデルの「トレーサー7」と「トレーサー7 GT」には、「Y-AMT」モデルが追加された。

ヨーロッパで特に人気の高いロード志向のアドベンチャーモデル「トレーサー7」は、日本には導入されていない。

パニアケースなどを標準装備することで、よりツーリング志向を強めたモデルが「トレーサー7 GT」だ。

高い評価を受けているCP2エンジンを搭載し、幅広いステージで活躍するミドルクラスツアラーだ。

前後17インチのロードタイヤを装着するため、高速やワインディングロードでその真価を発揮する。

CP2+高性能シャーシが卓越した走行性能を生み出す

スポーティなスタイリングと機能的でコンパクトなデザインを融合させた「トレーサー7」には、シャープなポジションランプとフェードインアニメーションを備えた新型LEDヘッドライトを備える。スロットルに採用されたYCC-T(ヤマハチップコントロールスロットル)は、新世代のライダーアシスト機能を実現し、よりリニアなパワーデリバリーに貢献する。YRC(ヤマハライドコントロール)は、2種類のスロットルマップと切替式トラクションコントロールを選択できるほか、カスタマイズ可能なYRCモードも用意されており、「トレーサー7」のパフォーマンスをライダーのニーズに合わせて調整することが可能となっている。

パワーユニットは最高出力54kW(73.4PS)/8750rpm、最大トルク68N・m(6.9kgm)/6500rpmを発揮する、689ccの水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒CP2エンジン。最新のユーロ5+アップグレードによって牽引力が向上し、アシスト&スリッパークラッチによってスポーティなライディング時の過剰なエンジンブレーキをスムーズにし、優れたコントロール性とフィーリングを実現している。

「トレーサー7」の高張力鋼製バックボーンフレームは、荷物を積載時やタンデムライダーを乗せた状態でも、剛性と優れた安定性を確保。 ロングタイプのスイングアームは改良されたフロントフォークとシームレスにバランスするように設計されており、バイク本来の俊敏性と走りの楽しさはそのままに高速コーナーでの安定性を高め、快適なライディングを実現している。

41mm径倒立フロントフォークは、高いコントロール性と優れた路面追従性を実現し、「トレーサー7」の本格スポーツツアラーとしてのポテンシャルを高めている。リアにはプリロードとリバウンドダンピングの両方を調整可能なモノクロリンク式リアショックアブソーバーを備え、長距離スポーツライディングにおける快適性とレスポンスを両立させることに成功している。

フロントブレーキにはラジアルマウントタイプの4ポットブレーキキャリパーを使用したディスクブレーキをダブルで装し、剛性が向上させたことで急ブレーキ時にも制動力が均等に分散され、強力で安定したブレーキ性能を実現する。

個性的なデザインのヘッドライトを備えたハーフフェアリングを備え、スタイリッシュにまとめられている。

幅の広いハンドルバーや高さ調整のできるシートで、長距離でも楽なアップライトなポジションに仕立てられる。

大きめのフェアリングによって車高が高いこともあり、前後から見ると非常にスリムな印象を受ける。

フロントフォークは倒立タイプを採用し、ブレーキにはラジアルマウントタイプの4ポットキャリパーを装備する。

エンジンは689ccのCP2で、最高出力は54kW(73.4PS)/8750rpm。長めのスイングアームが快適なライディングを生む。

ツアラーとしての機能を極めた「トレーサー7」シリーズ

「トレーサー7」シリーズには、人間工学に基づいて設計された新しいスイッチギアクラスターを採用。スマートフォン接続機能、ヤマハライドコントロール設定、クルーズコントロールなど機能を直感的で簡単に操作することが可能となっている。新しいセルフキャンセル式ウインカーは、車線変更時に3回点滅する機能に加え、緊急停止時に他の道路利用者に警告する緊急点滅機能を備えている。

5インチのカラーTFTディスプレイは複数のテーマに対応し、無料のMyRideアプリを介してスマートフォンと接続することで、音楽を聴いたり、通話やメッセージの通知を確認したりすることが可能。また、無料のGarmin StreetCrossアプリでは、フルマップとターンバイターンナビゲーションを使用することができ、これらはすべて人間工学に基づいて設計された新しいスイッチギアで操作することができる。

ワイドなハンドルバーと調整可能な2分割シートにより、より力強く、自信に満ちたライディングを実現します。標準のシート高は830mmだが、身長の高いライダーであればシートを20mm上げてカスタムフィットさせることが可能。パッセンジャーシートもアップグレードされ、より大きく快適なシートと強化されたパッセンジャーアシストグリップが、安全でリラックスしたライディングを実現する。

優れた防風性を発揮する調整機能付きスクリーンによって、体への風の吹き込みと風切り音を軽減し、長距離ツーリングや早朝の通勤時の疲労を軽減する。スタイリッシュでありながら丈夫な新設計のナックルバイザーは、手をしっかりと包み込んで悪天候などからしっかりと保護してくれる。

クルーズコントロールも装備されており、長距離ツーリングをより快適にこなすことが可能。このクルーズコントロールは3速以上、時速40km以上で作動し、路面状況に応じて1km/hまたは10km/h単位で調整可能となっている。

左のスイッチボックスにはメーター操作用のコントローラーや、クルーズコントロールのスイッチが取り付けられている。

ウインカーはセルフキャンセル式で、車線変更時に3回点滅する機能に加え、緊急停止時に他の道路利用者に警告する緊急点滅機能を備える。

5インチのカラーTFTディスプレイには、必要な情報がわかりやすく表示される。テーマの変更も可能となっている。

各種設定のカスタムを行なう際には、TFTディスプレイにわかりやすくビジュアル表示されるようになっている。

スタンダードモデルのシートは、ライダーの体格に合わせて830mmから850mmへと高さを変更することができる。

スクリーンには調整機能を備えており、高速走行時などにライダーの負担を軽減してくれる。

パニアケースを装備する「トレーサー7 GT」

上級モデルとなる「トレーサー7 GT」にはより大型で90mmの高さ調整が調整可能なスクリーンが装着され、その優れた防風性によってスポーツツーリングの快適性をさらに高めている。

ヘルメットの収納が可能なフルサイズのパニアケースを標準装備。フローティングダンピングシステムを備えた一体型アルミステーで固定することで、振動を最小限に抑えている。オプションのトップケースを装着することでラゲッジ容量をさらに拡張でき、メンテナンスや積載を容易にする新しいセンタースタンドも装備する。

幅広ハンドルバーと調整可能な「GTスペック」2ピースシートを装備し、このシートは標準のシート高845mmから20mm高くすることができる。寒冷時にその威力を発揮するグリップヒーターを装備し、フットペグには、耐久性の高いラバーインセットフットペグが採用。振動を最小限に抑え、長距離走行時の快適性を最大限に高めている。

また、リアサスペンションはリバウンドダンピングとプリロードをリモートで調整することができ、荷物を積載したりタンデムライダーを乗せたりする際にも素早い微調整が可能となっている。

様々な専用装備が与えられ、よりツアラーとしての色合いを強めたのが「トレーサー7 GT」だ。

パニアケースとゴールドのフロントフォークが特徴的な「トレーサー7 GT」。カラーリングも専用のものを採用する。

ケースを装着したことで前後のビューはボリュームを増すが、パニアケースの装着を前提にデザインされているためまとまりがある。

大型のスクリーンを備えたことでフロント周りの迫力が増し、ウインドプロテクションも高められている。

ヘルメットを収納することができるパニアケースは、フローティングダンピングシステムを備えた一体型アルミステーで固定される。

GTは845mmから865mmへとシート高が調整でき、リアシートも専用の物が与えられている。

GTのリアサスペンションは、リモートでリバウンドダンピングとプリロードを調整することが可能になっている。

日本市場でも望まれる「トレーサー7」シリーズ

「トレーサー7」と「トレーサー7 GT」にはヨーロッパの免許制度に合わせた35kW仕様も用意されており、より幅広いライダーがこの快適なツアラーを楽しむことができる。

カラーリングは「トレーサー7」が「Redline」と「Midnight Black」の2タイプ、「トレーサー7 GT」が「Icon Performance」と「Tech Black」の2タイプとなる。

「トレーサー7」と「トレーサー7 GT」の日本への導入については今のところアナウンスされていないが、日本市場でもアドベンチャー系モデルが安定した人気を保っているので、ぜひ導入してもらいたいモデルだ。

トレーサー7/Y-AMT(2026)「Redline」。

トレーサー7/Y-AMT(2026)「Midnight Black」。

トレーサー7 GT/Y-AMT(2026)「Icon Performance」。

トレーサー7 GT/Y-AMT(2026)「Tech Black」。

トレーサー7/GT Y-AMT主要諸元(2026)

・全長×全幅×全高:2135×875×1330-1390mm/2135×875×1425-1480mm

・ホイールベース:1495mm

・シート高:830-850mm/845-865mm

・車両重量:206kg/214kg

・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒689cc

・最高出力:54W(73.4PS)/8750rpm

・最大トルク:68N・m(6.9kgm)/6500rpm
・変速機:6段(Y-AMT)

・燃料タンク容量:18L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク

・タイヤ:F=120/70-17、R=180/55-17

Y-AMTモデルを加えた、2026年型「トレーサー7」と「トレーサー7 GT」がヨーロッパで発表 (27枚)

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    同じ「トレーサー」シリーズで、なぜ9と7でこうも見た目の差があるのだろう?
    9の野暮ったい見た目よりこちらの方が断然いいいと思う。

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