2025年10月7日、ドゥカティ・ワールド・プレミア2026の第3弾として、世界中のあらゆる道を走破するための装備と信頼性を兼ね備えた、2026年モデルの「ムルティストラーダ V4 ラリー」が発表された。
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ロングライドの強い相棒となる新型「ムルティストラーダ V4 ラリー」
2026年モデルの「ムルティストラーダ V4 ラリー」は、ライダーとパッセンジャーに卓越した快適性、30リットルの容量を持つ燃料タンクによる長い航続距離、強化されたエンジンガードとスポークホイールによる優れたオフロード性能など、ツーリングライダーのベンチマークとなるこのモデルを、ドゥカティはグローブトロッタースピリット(世界を旅する精神)を強化し、進化させた。
その結果、険しい峠道、ダートロード、ハイウェイなどどんな状況でも完璧にこなすバイクが誕生。ドゥカティならではのライディングプレジャーを犠牲にすることなく、最高の快適性と安全性を備え、さらに遠くまで探検したい人にとって理想的な相棒となった。 他のムルティストラーダV4ファミリーと同様に、この「ムルティストラーダ V4 ラリー」も170hpを発生するエンジンを搭載して優れたパフォーマンスを発揮し、卓越した信頼性、そして60000kmごとのメンテナンスインターバルと15000kmまたは24ヶ月ごとのオイル交換による低いランニングコストを誇っている。
さらに、「ムルティストラーダ V4 ラリー」は、ドゥカティスタが安心して国境を越えて旅を楽しめるよう設計されている。「4EVER Ducati」プログラムでは、4年間走行距離無制限の保証が付帯。ロードサイドアシスタンスプログラムは、保証期間中に万が一トラブルが発生した場合、標準保証に加えて、ロードサイドアシスタンス、ライダーとパッセンジャーの移動、代車、そして4つ星ホテルでの宿泊が提供される。これらすべてが、世界90カ国以上、800以上の正規ドゥカティディーラーネットワークが提供する安心のサービスとともにご提供される。
オンロードからオフロードまであらゆる道を駆け抜ける
「ムルティストラーダ V4 ラリー」はその名に恥じることないよう、あらゆる路面、特に未舗装路での走破性をさらに向上させている。2026年モデルでは、200mmのロングトラベルセミアクティブサスペンションが、進化したアダプティブDSS(ドゥカティ・スカイフック・サスペンション)EVOストラテジーによって制御され、快適性と効率の基準をさらに引き上げる新機能が導入されている。
「ムルティストラーダ V4 ラリー」は、ライダー、パッセンジャー、荷物の配置に関わらず一定のセッティングを保証するオートレベリングサスペンション機能を進化させ、車両の特性を維持。さらに、ライダーは選択したライディングモードに関わらず、走行中でもサスペンションのレスポンスを調整できるようになった。リラックスしたライディングではより快適性を高め、山道のカーブを駆け抜ける際には、より優れたサポートとフィードバックを得ることができる。さらに、アダプティブ DSS EVO システムは、走行中のルートの特性とライダーのライディング スタイルを常に把握し、サスペンションの油圧キャリブレーションを調整して、常に最高の制御と快適性を確保してくれる。
新しいDVO(ドゥカティ・ビークル・オブザーバー)アルゴリズムは、より高精度に作動する電子制御のおかげで、ムルティストラーダV4ラリーの安全性と効率性をさらに高めている。この機能は、慣性プラットフォームから提供されるデータを補完する70個のセンサーからの入力をシミュレートし、モーターサイクルの空間位置と総質量をより正確に推定する。MotoGPでドゥカティコルセが開発したこのDVOは、コーナリングABSとDWC(ドゥカティ・ウィリー・コントロール)のストラテジーを改良している。
高度なストラテジーと機能を備え、一部のABSレベルで作動するエレクトロニック・コンバインド・ブレーキング・システムは、フロントブレーキとリアブレーキの作用を調整することで、常に理想的なパフォーマンスを保証。さらに、負荷に基づいて作動させることも可能となった。フロントブレーキのみの操作でもリアブレーキを制御する「フロント・トゥ・リア・ストラテジー」に加え、2026年型「ムルティストラーダ V4 ラリー」では、リアブレーキのみの操作でもフロントブレーキを作動させる「リア・トゥ・フロント・ストラテジー」も新たに採用されている。 2025年型Multistrada V4で導入されたこのシステムはラリーシャーシ用に最適化され、動作が改良されたため、ブレーキング中のバイクのピッチが減少し、特にペアで使用する場合の快適性を向上させた。
さらに進化した安全性とテクノロジー
「ムルティストラーダ V4 S」は、高速道路での長距離走行時の疲労を軽減するACC(アダプティブクルーズコントロール)と、ミラーの死角に接近する車両の存在を知らせるBSD(ブラインドスポットディテクション)をサポートするフロントおよびリアレーダーシステムを搭載した世界初のバイクとなった。2026年型「ムルティストラーダ V4 ラリー」では、ダッシュボード上のポップアップ表示で前方車両との衝突の可能性をライダーに警告するFCW(前方衝突警告)機能も搭載されている。
夜間走行時の視認性も向上されており、車体を傾けた際に路面をより効果的に照らす「ドゥカティコーナリングライト」と、前輪前方のシャドウコーンを軽減する最適化された「ヘッドライトクラスター」を採用。さらに、新機能の「カミングホーム」機能は、イグニッションオフ後もロービームを数秒間点灯させておくことができるため、夜間に帰宅する際にガレージのドアを開けやすくしてくれる。また、「ドゥカティ・ブレーキライト」は急減速時にリアブレーキライトを高周波で点滅させて後方からの視認性を高め、オプションのリアフォグライトを装着することで視界の悪い日などの安全性を向上させる。
2026年型「ムルティストラーダ V4 ラリー」は停止状態からの発進や低速走行時のハンドリング性能が向上。「オートマチック・ロワリング・デバイス(自動車高低下装置)」の採用により、速度が10km/hを下回るとバイクは素早く自動的に車高を下げてくれる。ライダーが加速し、公道では50km/h以上、オフロードでは20km/hを超えると、バイクは自動的にライディングハイトに戻る。このシステムは自動的に作動するが、ライダーが解除することもできるようになっている。
6.5インチカラーTFTディスプレイのダッシュボードはユーザーインターフェースが刷新され、より効率的で多様なサスペンション制御が可能となった。「ドゥカティ・コネクト・アプリ」によるマップナビゲーション機能はそのままに、インターコムシステム搭載ヘルメット着用時に電話に応答したり音楽を聴いたりすることも可能。グリップとオプションシートのヒーターレベルを選択するための、より直感的な新しいインターフェースも用意されている。
ライダーとパッセンジャーの快適性をさらに向上
2026年型「ムルティストラーダ V4 ラリー」は、ライダーとパッセンジャー双方の快適性を最大限に高める、ツーリングに最適なバイクとなっている。「ムルティストラーダ V4」と比較して、40mm幅が広く、20mm高くなったウインドシールドは、より優れたウインドプロテクションを提供する。パニアマウントの位置はパッセンジャーに十分なレッグスペースを確保するよう設計されており、新設計のダイキャスト製サポートにより、トップケースからのサポート力と堅牢性も向上している。さらに、ライダーとパッセンジャーそれぞれに異なる高さのシートとローダウンサスペンションキットが用意されているため、あらゆるライダーとパッセンジャーの組み合わせに合わせてカスタマイズすることができる。さらに、サイドパニアの積み下ろしや、長距離ツーリング時のメンテナンスを容易にするため、センタースタンドを標準装備。このセンタースタンドは、バイクの持ち上げをより容易にする設計に進化している。そして快適性をさらに高めるために、5段階の温度調節が可能なグリップヒーターも標準装備されている。
ハイパフォーマンスなエンジンと進化したシャーシ
「ムルティストラーダ V4 ラリー」が搭載する1158ccの排気量を持つ「V4グランツーリスモエンジン」は、10750rpmで170hp(125kW)、8750rpmで121Nm(12.3kgm)を発生。非常にリニアなトルクカーブにより、あらゆるエンジン回転数においてスムーズでプログレッシブなレスポンスを実現している。このエンジンは重量わずか66.7kgと軽量に仕立てられており、パワーと軽量化においてこのカテゴリーにおけるベンチマークとしての地位を確固たるものにしている。これらの数値は、ドゥカティコルセのMotoGPでの経験から生まれた、ホイールのジャイロ慣性に逆らって作動するカウンター・ローテーティング・クランクシャフトや、低回転域でのスムーズなパワー伝達、力強い中回転域のトルク、そして高回転域でのパワーを両立する各ギア専用のトルクカーブといった、高度な技術ソリューションと融合。さらに、V4 グランツーリスモにはリア シリンダーの休止機構が採用されており、停止状態および低回転時にはリア シリンダー バンクを休止状態に維持することで、燃費と排出量の削減に貢献している。
また、ミッションにはギアシフトドラムの角度位置センサーのみに基づいた制御を採用することで、マイクロスイッチレスのシフトロッドの使用を可能にしたDQS(ドゥカティ・クイック・シフト)2.0を採用し、より短いストロークでライダーにダイレクトなフィーリングを提供する。
シャシーは、軽量でコンパクトなアルミニウムモノコックフレームを継承し、両側面シェルキャストアルミニウム製スイングアームをピボットの位置を高くすることで、サスペンションのアンチスクワット効果を高め、フル積載時でもより正確で効果的なハンドリングを実現している。リアのモノショックは、18mmから20mmへと拡大されたプリロード範囲に対応できるようになり、様々な負荷モードにおける標準キャリブレーションのバランスが向上。荷物や同乗者を乗せた状態での走行など、より重い積載状況において自動降下装置(ADS)の効果が向上する。また、ブレーキシステムも強化され、フロントにはブレンボ製Stylema® 4ピストンラジアルキャリパー+直径330mmディスク、リアにも280mm径という大型リアブレーキディスクが採用されている。
[/caption]日本では2026年1月から納車予定
2026年型「ムルティストラーダ V4 ラリー」のカラーは「ドゥカティレッド/ブラッシュドアルミニウム(ブラックスポークホイール)」と、「ジェイドグリーン/ブラッシュドアルミニウム(ゴールドスポークホイール)」の2種類が用意される。
また、一部モデルには標準装備され、アクセサリーとして用意されているアルミ製パニアケースには、新たに3段階ロック機構を採用。これにより、バイクから取り外した状態でもキーを使わずにパニアケースを開閉できるため、実用性と汎用性が向上している。
この2026年型「ムルティストラーダ V4 ラリー」は、ヨーロッパでは2025年11月と2026年1月に納車が開始される。その後、米国では2025年12月、日本とオーストラリアでは2026年1月に納車が開始される予定となっている。
ムルティストラーダ V4 ラリー主要諸元(2026)
・ホイールベース:1572mm
・シート高:870-890mm
・車両重量(燃料を除く):240kg
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブV型4気筒1158cc
・最高出力:125kW(170PS)/10750rpm
・最大トルク:124N・m(12.6kgm)/9000rpm
・変速機:6段リターン
・燃料タンク容量:30L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-19、R=170/60-17
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