2025年7月、BSAはニューモデル「バンタム350」を発表。その国際試乗会を、英国ロンドンで開催した。2016年に復活した英国のバイクブランド/BSAは、2021年には完全新設計の新型車「ゴールドスター650」を発表。2025年春より、日本でもデリバリーがスタートした。このBSAとはどんなブランドなのか。また新たに発表された「バンタム350」はどんなモデルなのか。ここで紹介する。
目次
復活を遂げた英国の名門ブランド/BSA
イギリス生まれのバイクブランドとしては、トライアンフやロイヤルエンフィールドが有名だが、BSAもそれらに負けず劣らずの古い歴史を持っているブランドだ。BSAのバイク部門がスタートしたのは1903年であり、第一号車が発売されたのは1910年である。しかしBSAブランドの歴史はさらに古く、スタートは1854年。銃を造る職人たちが集まり会社をスタート。そして1861年に「バーミンガム・スムール・アームズ」の名前で銃器製造会社を登記した。その頭文字を取ったのがBSAである。ネットでBSAを検索すると三角形のマークが出てくる。今回発表になった新型車のエンジン右側にもそのマークがデザインされている。それはライフルを3丁重ねたもので、銃器製造会社としてスタートしたBSAの歴史を表しているのだ。
また長い歴史を持つ欧州や北米のバイクブランドの多くが、1900年代初頭という同年代にスタートしているのも非常に興味深い。とくに当時のイギリスは世界の工場と呼ばれるほど工業が発達し、そこでバイクは新しい産業として注目を集め、たくさんのブランドが誕生した。そして2つの世界大戦時に軍をサポートして多種多様な車両を開発および製造することで技術力を高め、会社の規模を拡大。イギリスのバイクブランドは、世界最高のバイクブランドが集結する国として知られ、バイク市場を牽引していたのである。
そのなかにあってBSAは、その英国バイクブランドのリーダー的存在。1950年代にはトライアンフをも傘下に収める、英国最大のバイクブランドだった。
しかし1960年代に入ると、高性能で低価格の日本ブランドのバイクが世界市場で注目を浴びると、英国ブランドのバイクは徐々にシェアを奪われ業績が低下。多くのブランドが窮地に追い込まれていく。そして1973年にBSAブランドは消滅してしまったのである。
そのBSAブランドは、2016年にインドで複合的に事業を展開するマヒンドラ・グループの二輪部門が新たに起こした、クラシックレジェンズ社がオーナーとなり再スタート。2021年には復活第一号モデルとして、新たに開発した排気量652cc水冷単気筒DOHC4バルブエンジンをダブルクレードルフレームに搭載したロードスターモデル「ゴールドスター650」を発表。英国中心に展開していたが、2025年より販売地域を拡大。日本では、ウイングフット社が2025年春より「ゴールドスター650」の販売を開始した。
クラシック過ぎずモダン過ぎない。オーセンティックさが「バンタム350」の魅力
今回、BSAが新たにラインナップにくわえた「バンタム350」は、排気量334cc水冷単気筒DOHC4バルブエンジンを搭載したネイキッドロードスターだ。スタイリングは、モダンすぎず、でもクラシカルすぎないオーソドックスなスタイル。それにフロント18インチ/リア17インチというホイールサイズをチョイスしている。同クラスのライバルたちは、前後17インチホイールを装着してモダンでスポーティなスタイルとパフォーマンスを強調したり、フロントに19インチタイヤを採用してクラシカルなスタイルとゆったりとしたハンドリングを演出したりしている。そのなかにあって「バンタム350」は、その両トレンドの中間的なキャラクターとパフォーマンスが特徴。分かりやすく言うと、普通である。しかしこの普通は、BSAが狙いに狙って造り込んだコンセプトとディテールであると言える。
エンジンもライバルたちと違っている。400ccのスポーツ系エンジンを積むライバルは、高回転域のパワーと伸びを特徴としているし、350ccネオクラシック系スタイルのライバルたちは、低回転域でトルクをたっぷり出して扱いやすさをウリとしている。「バンタム350」のエンジンは、その中間的というか、両者の良いところを併せ持っているというイメージ。DOHCを採用したのは、低回転から高回転まで、幅広いエンジン回転域で扱いやすいとトルクと出力をバランスよく共有するためと試乗会に参加したBSAスタッフが話してくれた。
それを裏付けるように、「バンタム350」が搭載するエンジンは、低回転域および低速域でもとても扱いやすい。日本の都市部のように、一方通行やクルマの渋滞が多いロンドンの街中で、あえて4速や5速を選択して、エンジン回転数2-4000回転付近/時速30〜50kmを試したが、そんな意地悪な使い方にもしっかりと応えてくれた。そのときのフィーリングは、分厚いトルクでグイグイ車体を前に押し出す感じとは違い、軽やかなエンジン内の爆発を感じながら、トトトッと進んでいく感じ。このフィーリングは、どのタイプのライバルとも違っている。
そこから高回転までエンジンを回していけば、DOHCらしい伸びやかさで、エンジン回転数に対して二次曲線的にスピードが乗り、加速していく。このときの加速感もじつに軽やかで、ネオクラシック系スタイルのライバルたちのそれとは大きく違っているし、スポーツ系のライバルたちほど過激ではなく、紳士的なスポーツマインドは幅広いキャリアのライダーにフィットするんじゃないかと感じた。
「バンタム350」の登場で350カテゴリーのシェア争いがさらに激化
現在350ccクラスは、日本はもとより世界中の二輪市場で多くのメーカーがしのぎを削る、メインカテゴリーとなっている。BSAはもちろん、そこに狙いを定めて「バンタム350」を開発した。
そもそもBSAは、1940年代後半から「バンタム」と名付けたモデルを販売していた。排気量123cc2ストローク単気筒エンジンを搭載した「バンタム」は、その後150cc/175ccと排気量バリエーションを広げ、またスポーツモデルやスクランブラーモデルなどをラインアップに加え、1970年代まで販売されたロングセラーモデルだ。そして軽量コンパクトで扱いやすい車体は、たくさんのライダーをバイクの世界に導き、行政機関や軍隊、教習所の車両として広く活用され、英国でもっとも多く販売されたモデルとして知られている。「バンタム」の名前を復活させるという意味は、過去の「バンタム」モデルたちが築いてきた業績を、現代の二輪市場においてトレースするという、BSAの強い意志が込められていると言っていいだろう。
BSAは2021年に「ゴールドスター650」を発表して以来、次なるBSAモデルは何が相応しいか、考え続けたという。かつて英国最大のバイクブランドとなり、技術的にもデザイン的にも二輪市場を牽引したBSAには、多くの歴史的モデルが存在しているからだ。
しかしBSAが選んだ新たな世界戦略車は、350cc単気筒エンジンを搭載した「バンタム350」だった。今後は欧州や北米、オーストラリアや日本での発売を先行し、状況に応じてより幅広いマーケットへと販売を拡大していきたいという。日本では、先にも紹介したウイングフット社が今秋からの発売開始を目指して準備を進めている。そして、早くも車両価格も発表された。それはライバルたちと大きく離れていない。BSA「バンタム350」の登場で、日本の350-400ネオクラシックカテゴリーは、さらに活気づくに違いない。
日本で展開される「バンタム350」のカラーは3種類
「バンタム350」のスペック
■ホイールベース 1,440㎜
■シート高 800mm
■キャスター角 29度
■装備重量 185㎏
■エンジン形式 水冷単気筒4ストロークDOHC
■総排気量 334cc
■圧縮比 11:1
■最高出力 29hp@7,750rpm
■最大トルク 29.62Nm@6,000rpm
■燃料タンク容量 13L
■サスペンション(前・後) 正立タイプ/135mmトラベル・ツインショック5段階調整機構付/100mmホイールトラベル
■変速機形式 6速リターン
■ブレーキ形式(前・後)320mmシングルブレーキディスクABS付・240mmシングルブレーキディスクABS付
■タイヤサイズ(前・後) 100/90-18M/C 56H・150/70-ZR17 M/C 69W
■\698,500(税込)
■発売予定日:2025年秋
この記事にいいねする
















































10cm~15cm程度の別パーツの泥除け付けるくらいなら、もう少しフェンダー伸ばせばいいだろうに。
リアフェンダー長くしたら4ぬ病気かなにかか?
見た目が似てるトライアンフのスピード400が40PSだからなぁ…
GB350C&クラシック350のようなクラシック路線で29PSならまだ需要があったような。
まぁ、全ては販路次第だけど。