ホンダ系有力コンストラクターのTSRとマフラーメーカーのアールズ・ギアのコラボで製作され、鈴鹿8耐で発表されたカスタムコンセプトマシン「ネオクラシック リベリオンCB1000F」。1990年代カスタムの雰囲気を色濃くまとい、大好評のこの車両、以前にも速報をお届けしたが、今回は装着パーツの詳報をお伝えしたい。

r's gear×TSR「Neo-Classic Rebellion CB1000F Concept Model」

砲弾型メーターカバーに話題集中

記事の掲載直後から話題が集中したのが、5インチのTFT液晶メーターを砲弾型メーター化するカバー。CB1000Fコンセプトが採用するスマホのような板型メーターは、ファンを二分して賛否両論を巻き起こしているが、そこに「欲しいのはコレでしょ?」とばかりに発表されたパーツだ。

これは純正メーターに前後から被せてネジ留めする構造で、メーターステーなどは純正のままでOKと、聞いている限りでは取り付けも簡単そう。現状はアルミの削り出しで、カーボン製も加えた2種を視野に入れるが、後者は製作時に歪む可能性もあるためやや難易度が高いとのこと。

液晶メーターを見事に砲弾化するTSRのメーターカバー。展示車はアルミ削り出し。

メーター画面側から。長円内に2つの円を収めたようなデザイン。

メーターステーは純正がそのまま使用可能。ヘッドライト上のスペースが適度に埋まり、いい雰囲気に。

オリジナルFを意識したセパレートハンドル

メーターカバーに加え、この車両の雰囲気に大きく貢献しているのがセパレートハンドル。やはりオリジナルのトップブリッジ上に装着される構造は往年のCB750Fと同様で、絶妙な高さや垂れ角がメーターカバーと相まって、CB1000Fコンセプトの顔まわりにぐっとスポーティな雰囲気を与えている。

ハンドルは現状の角度/垂れ角でも燃料タンクには当たらないが、Uターン時などは指周りのクリアランスがもう少し欲しいとのことで、もう少し煮詰めるという。

アップタイプのセパハンを装着。TSRオリジナルのウイング型トップブリッジとセットで装着する。

砲弾状のメーターカバーに、絶妙な垂れ角のセパレートハンドルでグッとスポーティな雰囲気に変身。

液晶メーター&パイプのUPハンドルを採用するCB1000Fコンセプト。雰囲気の違いは一目瞭然!

アールズ・ギア製マフラーはベラスコ風味!

フルチタンのマフラーはアールズ・ギアの新作。最大の特徴はアールズ・ギアの既存ラインナップには存在しないメガホンタイプのサイレンサーで、後半部でメガホンから真円に変化し、さらにエンド部にはやや径を絞ったテールピースが装着される。

この凝った形状は、AMAスーパーバイクで活躍したF.スペンサーのCB750F改に装着されていた通称「マイク・ベラスコ管」をイメージしたもの。そう聞いてニヤリとするエフ好きは少なくないはずだ(筆者もその一人)。スポーティに跳ね上げられたサイレンサー角度もそう聞けば納得。アールズ・ギアでは他にも様々なCB1000F用マフラーを予定しているそうで、こちらも楽しみに待ちたい。

サイレンサー後半でメガホンから真円へと変化。アルミパイプを曲げたステーも1990年代にメジャーになったスタイルだ。

サイレンサー形状に加え、後端にやや小径のテールピースを設けて「ベラスコ管」の雰囲気を再現している。

1982年のAMAスーパーバイクでF.スペンサーが駆ったCB750F改。アメリカホンダのファクトリー車と言えるマシンで、マフラーはメカニックであるマイク・ベラスコが製作した。

 

アールズ・ギアはCB1300(8BL)用の2本出しも発表
8BL型のCB1300SF/SB(2021〜)に対応するフルエキゾーストを発売している、数少ないマフラーメーカーであるアールズ・ギア。鈴鹿8耐ではその2本出しバージョンを発表した。従来型のCB1300では設定されていたため、8BLユーザーからも要望が多かったのだという。近日発売予定だ。

より“エフ”に近づける!!

あまりにもしっくり馴染んでいるので見落としがちだが、フロントフェンダーはフィンが新設されたオリジナル品。これもエフ好きなら膝を打つようなディテールで、CB750Fでは1981年のFBから採用された形状のオマージュだ。また、テールカウルも後端のフィンをノーマルよりも拡大しつつ、全体のバランスを整えたオリジナル品となる。

話は飛ぶが、外装のカラーリングはTSRのイメージカラーでもあるトリコロールをスペンサーカラーのグラフィックに落とし込んだものだが、サイドカバーはあえてブラックアウトし、STDとは異なる雰囲気に一役買う。また、タンク下のカバーをブラック/シルバーの2色に塗り分けたのは「エアクリーナーとキャブレター」的な雰囲気の演出だそう。芸が細かい!

左右フロントフォークの間にあるフィンに注目。

こちらはCB1000Fコンセプトのノーマルフェンダー。TSR号と見比べて欲しい。

テールカウルのフィンも大型化。筆文字で入れたサイドカバーの車名も1990年代に流行したスタイルだ。シートは表皮を変えてアンコ抜き。

CB1000FコンセプトのSTD。テールカウルやシートをTSR号と見比べて欲しい。

タンク下カバーの塗り分け。好き物の仕事です。

ハードなイメージの冷却系

エンジン周りで目を引くのは巨大なラジエーターと、その下に組み合わせられたオイルクーラー。1990年代に第三京浜に集ったGPZ900Rのカスタム車などでは定番だったルックスだ。

青いラジエーターホースはCB1000F専用に型取りしている最中(現状は既存品を継いで長さや角度を合わせたもの)で、ベータチタニウムの青いチタンボルトと相まって、ノーマルだとやや味気ないエンジン周辺のドレスアップに貢献している。

大型のラジエーター&オイルクーラー。ノーマル車にここまでの冷却能力は不要と思えるが…実は理由があります(後述)。

カウルで見えないSS系ユニットゆえか、やや素っ気ない印象もあるCB1000Fのエンジン。ホースやボルトの差し色で華やかに。

懐かしさ漂う“穴ナシ”ディスク

足回りの注目点はTSRがサンスターにオーダーした前後のブレーキディスクで、穴のない、スリットだけの硬派なルックスが特徴。1990年前後のスズキ車に多用されていた形状で、中でもGSX-R1100用が純正流用カスタムパーツとして重宝されていたことを、当時よく第三京浜に通っていた筆者は懐かしく思い出す。

他にもビトーR&Dのマグ鍛ホイールや、スクーデリアオクムラでチューニングされたフロントフォーク、TSR製のクロモリ素材アクスルシャフト、TSR製のクイックシフターと組み合わされたアールズ・ギア製ステップなども投入。このあたりは平成と令和のハイブリッドといった趣だ。

ちなみに、ここまでで紹介したパーツだけでかなりの数になっているが、さらに開発するならローダウンリンクなど、乗りやすさを高めるパーツになりそうとのこと。

スリットのみの硬派なブレーキディスク。ディスクインナーの丸穴も1990年代っぽい?!

リヤのソリッドディスクも穴ナシスリットタイプ。タイヤはブリヂストンのスポーツタイヤ・S23をセット。

前後のアクスルシャフトはクロモリ素材のTSR製にリプレイスされ剛性アップ。

TSR製のクイックシフターも装着。アクスルシャフトもTSR製のクロモリだ。

凝った切削痕が美しいステップはアールズ・ギア製。

テイスト・オブ・ツクバ参戦も計画中!

1990年代のビッグバイクカスタムブーム時のマシンがコンセプトだけに、ストリートの雰囲気を強く漂わせるこの車両だが、今後はエンジン内部のチューニングも行ない、テイスト・オブ・ツクバへの参戦を視野に入れているという! ノーマル車だとオーバースペックに思えた冷却系パーツも、イベントレース前提と聞けば納得だ。

CB1000Fのエンジンの源流はSC77型のCBR1000RRだから、同車で世界耐久を戦ってきたTSRにすればエンジンチューニングはお手のもの。ホンダ製大排気量車の参戦が少なかったテイスト・オブ・ツクバだが、今秋の同大会は耐久王者TSRのノウハウが注がれたフルチューンド「ネオクラシック リベリオンCB1000F」が台風の目になりそうだ。

「Honma Attsui Riders Tamashii」

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コメント一覧
  1. gunboy より:

    試験場一発合格のみの時代に限定解除した爺さんライダーです。試験車が750Fでした。レインボーの合宿に参加し、8の字でステップ擦るまで付き合った青春の思い出のバイクですが、この記事のバイクにはその時の熱いなにかを感じられません。

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