モビリティリゾートもてぎ内のホンダコレクションホールでは、「Garage Collection レーサーレプリカ特集Part2 Honda Force V4」がスタートしました。
この企画展は、Hondaが高出力化を目指して開発してきた4ストロークV型4気筒のレーサーレプリカを一堂に披露。
市販ロードスポーツとワークスマシンが20台。常設展示も含めると、合計29台の4ストロークV4マシンが見られるのです。
展示期間中には、2大ロードレースがモビリティリゾートもてぎで開催されます。
レースを観戦しながら、ホンダコレクションホールでV4マシンが歩んできた歴史を改めて知ると、レースの魅力が深まること間違いなしです。
■8月23日(土)、24日(日)開催 全日本ロードレース選手権
スーパーバイクレースinもてぎ
https://www.mr-motegi.jp/superbike_m/
■9月26日(金)~28日(日) MotoGP 日本グランプリ
https://www.mr-motegi.jp/motogp/
では、常設展示のV4マシンと合わせて企画展のマシンたちを紹介いたします。
目次
革新的なNR500から始まったV4エンジン
1979年、Hondaはロードレース世界選手権(以下WGP)の500ccクラスに挑戦するために、4ストロークV型4気筒のNR500を開発し参戦を開始しました。
当時は、2ストロークも4ストロークも同じ排気量で戦うのがレギュレーションでした。
4ストロークエンジンにこだわったHondaは、高回転・高出力を求めて、長円ピストンで1気筒あたり8バルブという異例のエンジンを開発しました。
NR500は、WGPでは1勝も挙げられずにその使命を終えてしまいましたが、その挑戦で得た数多くのノウハウは、その後のHondaにとって重要な役割を果たしていくことになります。
1981年全日本ロードレース選手権 鈴鹿200キロレースで優勝。木山賢悟選手により、NR500が唯一勝利を獲得しました
Honda初のV4は、革新的なエンジンでした。
企画展に見るV4の歴史
1982年4月、Honda初の4ストロークV4エンジンを搭載し発売されたのがVF750セイバーとVF750マグナです。
当時の750ccモデルには、4ストローク直列4気筒のCB750Fをラインナップしていましたが、Hondaのあくなき挑戦の結果、よりハイメカニズムのV4エンジンの投入を決定しました。V4エンジンは、直4エンジンに比べて高出力化や全面投影面積を小さくでき空力の面でも有効な点が挙げられます。
Hondaは、V4と直4の二つのエンジンラインナップで、より多くの人たちの満足度を高める戦略をとりました。
一方、耐久ロードレースの世界では、1976年から続く4ストローク直列4気筒エンジンのRCB1000、RS1000が活躍していました。
耐久ロードレースにおいては、直4から新開発のV4への転換が進められました。
1982年3月にアメリカで開催されたデイトナ200マイルレースには、V4エンジンを搭載したRS1000RWを投入。フレディ・スペンサー選手が2位に入賞し、はやくもポテンシャルの高さを見せました。
1982年12月には、早くも新型のVF750Fを発売。VF750セイバーの発売から8か月後のことでした。VF750Fは、RS1000RWのレーシングテクノロジーを随所に反映したハイパフォーマンスマシンとして誕生しました。
VF750F発売後に、ホンダから発行されたエンジンテクノロジーのパンフレットでは、二輪車用のさまざまな形態のエンジンを解説。36ページに及ぶパンフレットの中では、V4エンジンの特徴を自信に満ちた内容で伝えています。
ホンダの大型ロードスポーツモデルのエンジンは、V型が主流になる方向性が伝わってきます。
400ccクラスにもV4を投入
1982年12月、400ccのVF400Fが発売されました。
日本においては、免許制度の関係から400ccクラスに人気が集中していました。
このクラスにもハイメカニズムのV4エンジンモデルを投入し、直4のCBXと人気を2分したのです。
VFからVFRへの進化
1986年4月、これまでのVF750FはVFR750Fに、VF400FはVFR400Rにフルモデルチェンジし発売されました。
ともに、レースで活躍したワークスマシンのテクノロジーを採用した高性能マシンに進化しました。
企画展では、市販車とワークスマシンとの関連性が分かるように並べて展示しています。
Force V4のロゴマークが登場
この企画展のタイトルに使われている「Force V4」は、力強いV4エンジンをPRするフレーズとして、1986年の鈴鹿8耐レースで初めて使われたものと思います。
1987年3月に発売されたVFR400Rには、耐久レースで実証されたプロアームが採用されました。そして、車体には「FORCE V4」が誇らしげにあしらわれました。
企画展に展示されているのは、特別仕様としてロスマンズ・ホンダチームのカラーを採用したモデルで、鈴鹿8耐直前の7月に発売されました。
鈴鹿8耐のワークスマシンと同じカラーを採用するなど、VFRとレースの関係はとても濃く深いものでした。
究極のレーサーレプリカとして登場したRC30
1987年、RVF750のレーシングテクノロジーを反映したVFR750R(RC30)が国内でも限定販売されました。148万円という高額にも関わらず、レースベース車としてのポテンシャルも優れていることから高い人気を誇りました。
1989年1月発売のVFR400Rは、マフラーを左側に配置しました。公道を走行する市販車は、騒音測定を左側後方で行うため、右側に配置したほうが有利なのですが、ワークスマシンと同じ配置にこだわり、よりレースマシンとの関連性が高まったモデルになりました。400ccのV4で最もハイパフォーマンスなモデルとも言われています。
VFRからRVFへさらなる進化
1994年1月、VFR400Rはフロントに倒立フォークを採用しワークスマシンと同じRVFと車名を新たにしました。カラーリングは、1993年の鈴鹿8耐のワークスマシンRVF750をイメージしています。RVFは、1996年のマイナーチェンジモデルが最後になりました。
そして、VFR750R(RC30)もフルモデルチェンジを受け、RVF/RC45に継承されました。
この年から世界耐久選手権のマシンは、RVF/RC45をベースとしたマシンになり、鈴鹿8耐では、1994年、1995年と連覇しました。
展示コーナーには、カウルを外した状態でのマシンもあり、V4独特のエキゾーストパイプの取り回しなどを観察することができます。
常設展示コーナーも必見
館内には、V4エンジン搭載マシンが展示されていますので、企画展と合わせて見学することをお勧めします。
V4は現在のRC213Vに継承されています。
ホンダのホームページには、4ストロークV型4気筒エンジン搭載車の歴史を紹介した「Honda Force V4 Story」という特集サイトがあります。
こちらのサイトも参照いただくと、一層楽しく見学できると思います。

Honda Force V4 Story:https://www.honda.co.jp/WGP/spcontents2012/v4-story/
その後の4ストロークV4マシン
RVF/RC45は、スーパーバイク世界選手権や世界耐久レースで活躍。
鈴鹿8耐では、1999年の優勝を最後に、2000年からはV型2気筒のVTR1000SPWにその座を譲ります。
V4マシンは、1998年発売のスポーツツアラーVFR(800cc)で真価を発揮し、欧州を中心に幅広い層に支持されました。
そして、2010年にはVFR1200Fへと進化し、オートマチック化の先駆けとしてデュアル・クラッチ・トランスミッションを二輪車に初採用しました。
そして、2014年には軽量・コンパクトなVFR800が発売されました。
V4の市販車は、日本国内では2018年11月にマイナーチェンジを受けたVFR800FとVFR800Xが最後のモデルになりました。
同時開催のトミカとのコラボレーション展示
同時開催の特別展は、「Hondaのトミカ×トミカのHonda」をテーマにして、これまでトミカのモデルになった二輪と四輪を展示したユニークなコーナーです。
1Fでは、150台のトミカ製品を一堂に展示しています。
ホンダコレクションホールにお出かけの際は、ホームページで開館時間などをあらかじめ確認してからお出かけください。ホンダコレクションホールは入館無料ですが、別途モビリティリゾートもてぎの入場料と駐車料がかかります。
ホンダコレクションホールのホームページ
https://www.mr-motegi.jp/collection-hall/
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