2025年8月に発売を控えるハスクバーナの新型「ヴィットピレン801」。今年4月に行われたJAIA試乗会で乗ることができたので、その感想をお伝えしていきたい。
目次
国産車とは一線を画す個性的なデザイン! 唯一無二の外観で注目の的になること間違いナシ
最近「ハスクバーナ」という名前をよく聞くようになったというライダーも増えてきているのではないだろうか。実は元々はバイクメーカーではなく、チェーンソーや芝刈り機などの農林・造園機器などを製造しているスウェーデンのメーカーだというのは有名な話。むしろ、バイクも販売していることの方に意外性を感じる人も多いかもしれない。
そんなハスクバーナの最新モデル「ヴィットピレン801」は、2024年10月に海外で発表された“ピレンシリーズ”のフラッグシップ的存在。スクランブラースタイルの「スヴァルトピレン(黒い矢)」とロードスターの「ヴィットピレン(銀の矢)」の2モデルで分かれるが、今まではそれぞれ250クラスと400クラス、そして大型の700クラスがラインナップしていた。
そして801の前モデルとも言える「ヴィットピレン701」が生産終了し、4年の空白期間を経て大型としてのピレンが復活。とはいえ、692.7cc単気筒エンジンを搭載した701とは違い、799ccパラツインエンジンを搭載した801は完全に刷新されたといえる。搭載されるエンジンは親会社を同一とするKTMが開発した「LC8c」で、クランク位相角75°、2軸バランサーを採用する特徴的なモデルだ。
最高出力は105PS(77kW)/9250rpm、最大トルクは8.8kg-m(87Nm)/8000rpmを発揮。メーターは5インチTFTフルカラーディスプレイに変更され、スマホとの連動が可能に。ライディングモードはレイン、スタンダード、スポーツの3つとは別に、オプションの追加でダイナミックが選択できる。そしてテクニカルアクセサリーを追加することでクルーズコントロール、イージーシフター(クイックシフター)も利用可能。
なにより、ピレンシリーズの最も大きな特徴ともいえるアバンギャルドなデザインがより進化している。まず特徴的なのがヘッドライトで、真円形のデイライトを囲むように中心にはLED式の単眼ヘッドライトを配置。タンクカバーのサイドには「801」の文字が配され、車体全体は前モデルよりも流線的なフォルムを叶えた。国産モデルとは一線を画すハスクバーナ独自のデザイン美で、バイクにあまり興味がない人でも思わず「おっ」と声を出してしまいそうだ。
そんな近未来を感じさせる前衛的なデザインだが、走りの方も気になるところ。実際に乗ってみた感想をお伝えしていきたい。
ライダーを置いていくかのような圧倒的加速感! スピードと乗りやすさを両立した新たな“矢”
クランク位相角75°を採用した2気筒エンジンということで、何か特殊な振動や挙動が目立つエンジンなのではないか、と乗る前は思っていた。しかし実際に乗ってみると、その予想は良い意味で裏切られるほどにスムーズで乗りやすい。
これは2つのバランサーが振動を打ち消していることが寄与しており、エンジン回転数の全域を通して非常にシルキーな特性を得ている。しかし最高出力105PSという数字は伊達ではなく、“ドンッ!”という力強い加速も大きな特徴。シルキーに回っていく割りにはどんどん加速してしまうので、自分が一瞬バイクから“置いていかれている”かのような不思議な感覚を味わうことができた。
スピードが乗った状態からでもエンジンブレーキに不安はなく、スリッパークラッチによって車体の挙動は安定感バツグン。WP製の140mmストロークを得たフロントサスペンションを装備していることもあり、フロントのフルブレーキ時でも一切不安はない。
幅広のハンドルバーで前傾する姿勢はまさにストリートファイター然としたもので、“アグレッシブに乗ってくれ”と言っているかのようなライディングポジションは純粋に楽しめたことも高ポイント。かといえば、低回転域の厚いトルクのおかげで、ゆったりとした走行も十分可能な点はフレンドリーな要素に思えた。
だが、やはりこの「ヴィットピレン801」は、スピードを出せば出すほど真価を発揮する紛れもないスポーツバイク。スポーツモード時にスロットルを開けた際の、まさに矢のように“飛んでいく”感覚はほかの車両ではなかなか体感できない。これは軽量な車体、十分なパワー、そしてクランク位相角75°の2軸バランサーというハーモニーが生み出した独自の乗り味なのだろう。
ヴィットピレン801を勧めるとしたらどんな人?
この車両の特徴をざっくりまとめるとすれば、“スピードの出る独創性なデザインのバイク”といったところか。ただでさえハスクバーナのデザインは追随を許さないほどの独自性を持ち、デザインだけで一目ぼれしてしまうオーナーも少なくない。その中で完全に刷新された「801」は、これまでのハスクバーナのデザインを踏襲しつつ、尖っている部分をより尖らしたかのような、突き抜けたデザインが最もウリだ。
そのため、まずこのバイクを勧めるとしたら“他人と絶対に被りたくない人”という前提。そしてもちろん“走りを楽しみたいライダー”ということになる。見た目も重視したいが、走りも捨てたくない、そして個性的なバイクが欲しいという要望であれば、この「801」以上に適した車両はなかなか見つからないだろう。
街中やツーリング先でちょっと注目を浴びたい、というライダーにもうってつけ。バイクにあまり詳しくないという人でも、「801」を見れば思わず興味を惹かれること間違いない。ただのデザイン優先のバイクと舐めてかかると思わず虜になってしまう、そんな新世代のバイクだった。
Vitpilen 801(2025)主要諸元
・全長×全幅×全高:-mm
・ホイールベース:1475±15mm
・シート高:820mm
・車重:180kg
・エンジン:水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 799cc
・最高出力:105PS(77kW)/9250rpm
・最大トルク:8.8kg-m(87Nm)/8000rpm
・燃料タンク容量:14L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=Wディスク R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-17 R=180/55-17
・価格:145万9000円
この記事にいいねする















































