2017年に国内モデルとして発売されたヤマハ「NMAX155」が、2025年2月に初のビッグチェンジを行なった。スタイリング、エンジン、サスペンションなど、多岐に渡って変更され、電子制御CVT「YECVT」や二画面構成ディスプレイなど新機能も搭載している。
目次
電子制御デバイスを多数採用し、スタイルも刷新
フレームは旧モデルを踏襲しているが、カムチェーンテンショナーをねじりばね式から油圧式に変更してフリクションロスを低減。ラジエター、ラジエターファンも変更し、冷却効率を向上している。さらに燃費を考慮し、市街地でのスムーズな走行を可能にする「Tモード」と、ワインディングでレスポンスのいい走りを提供する「Sモード」と、2つの「走行モード切り替え」機能を初搭載。
CVTには「SHIFTボタン」を操作することでMT車のシフトダウンのようなエンジンブレーキを使用できる「シフトダウン」機能を装備。最大3段階までシフトダウンが可能となっている。
サスペンションはフロントをソフト方向にセッティングしつつオイルロック機構を追加し、底突きしにくい特性としている。これに合わせてリヤはストロークを5mm延長し、減衰特性を調整。衝撃吸収性を向上し、快適な乗り心地に貢献している。
スタイリングはヤマハのスポーツスクーター「MAXシリーズ」らしさを象徴する「ブーメラン」モチーフを継承。エンジンから前輪に向けて力強さを感じる造形となっている。また、ウインカーをLED化し、前後フェイスをコンパクトにした新デザインを採用。精悍さを増したスタイリングとなっているのが特徴だ。

左側ポケットは最大耐荷重1.5kgで、USB Type-Cソケットを装備。リッド付きの右側ポケットは最大耐荷重0.3kg。ハンドル、シート、給油口はスマートキーでロック解除可能。燃料タンク容量は7.1L。
NMAX155の足着き性をチェック
新装備がスポーツライディングを楽しませてくれる!

「ブーメラン」モチーフのサイドカバーは、エンジンの力強いエネルギーの流れを表している。車体は125ccのNMAXと共用だが、ディスプレイ、シート、シフトスイッチ、走行モード切り替えなど、装備はNMAX155のほうが充実している。
NMAX155は、125ccのNMAXと車体を共有しつつ、シリンダー内径を52.0→58.0mmへと拡大することで排気量を増やしている。最高出力は12→15PS、最大トルクは1.1→1.4kgf・mと向上していて、実際のライディング中にNMAXよりもパワーとトルクに余裕があるのを感じた。とは言え、NMAXの市街地での加速力やワインディングでの操作性も高いレベルでまとまっているので、新型NMAX155はNMAXより格段に速いわけではない。むしろ明確に異なるのは、「シフトダウン」機能と「走行モード切り替え」機能の有無だと感じた。
「シフトダウン」機能は、「SHIFTボタン」を押すことで「YECVT」がCVTを状況に応じた適切な減速比に調整し、エンジン回転数を上昇させて追い越しの際の力強い加速や、下り坂でのエンジンブレーキとして活用できるようになっている。さらに追加で「SHIFTボタン」を押すことで、最大3段階までシフトダウンできる。これによってCVTにありがちなスロットル操作とエンジンレスポンスのタイムラグが解消され、エンジンブレーキも効果的に使用できるようになり、MT(マニュアルトランスミッション)車のような操作性を楽しめる。また、「シフトダウン」機能はスロットル急開時にも作動し、AT車の「キックダウン」のような加速力も発揮する。
「走行モード切り替え」機能はスイッチレバーを操作すれば、「Tモード」と「Sモード」のどちらかにセットできる。「Tモード」「Sモード」ともにアイドリングは1500rpm程度で、およそ2500rpmで駆動力が発揮されるのは変わらない。トルクもどちらも3500rpmくらいから立ち上がるが、「Tモード」は燃費を考慮して4000~5000rpmをキープする感じ。ただし、その回転域でも交通の流れにのって走行できる加速力は発揮する。レスポンスはややマイルドになるがマシン挙動もギクシャクしないので、前後サスのストロークを感じながらスムーズな乗り心地を楽しめる。
一方の「Sモード」はエンジンレスポンスがクイックで、「VVA」が作動する6000rpmまでシャープに吹け上がっていく。走行中も4500~6000rpmのパワーバンドをキープする感じで、キビキビしたマシン挙動になっている。この「Sモード」で、ライダーが「シフトダウン」機能を積極的に操作すると、軽い車体とクセのないハンドリングと相まって、スポーティな乗り味を存分に楽しめる。
異なる乗り味を両立した万能スポーツスクーター
「シフトダウン」機能と「走行モード切り替え」機能により、新型NMAX155のスポーツ性能は旧モデルから大きく進化している。エンジンは油圧式テンショナーを採用してフリクションを低減し、前後サスペンションも調整して乗り心地を改善し、シートとシート周辺のカバー形状を変更して座り心地と足着き性のよさを確保と、車体の細部まで手を入れるとことで快適性を向上している。
さらにTFTディスプレイは、スマホとの連携表示や、「Garmin StreetCross」と接続することでナビゲーション画面としても使用できる。このTFTは昼間でも視認性がよく、直感的に操作しやすいので、街乗りやツーリングでの利便性を大幅に高めている。
NMAX155はNMAXから驚くほど速くはなっていないと先述したが、「シフトダウン」「走行モード切り替え」「ナビゲーション表示」といった、機能性の違いによる快適性と利便性の差は大きいと実感した。シティコミューターとしての走行性能に関してはNMAXも不満のない仕上がりとなっているが、メリハリのあるライディング、ワインディングでのコーナリング、ツーリングに行くといった、スポーツバイク的なライディングも考慮するなら、「シフトダウン」と「Sモード」でMT車のようなマシンコントロールが楽しめるNMAX155がおすすめだ。
タンデムの機会が多かったり、高速巡航時の高い安定性や、ツーリングでのより快適なライディングを重視するなら250ccのXMAXをおすすめしたい。しかし、XMAXの大柄な車体は市街地で取りまわしづらく、押し引きで重さを感じることもある。原二クラスの軽量コンパクトで取りまわしやすい車体に新機能を搭載した新型NMAX155は、シティコミューターとしての利便性とスポーツスクーターとしての運動性を両立していて、幅広いライダー層がさまざまな状況で扱いやすいと感じるはずだ。コストパフォーマンスも含めると、数あるスクーターモデルの中でもNMAX155の完成度はかなり高いと言える。それは3月25日の発売からすぐに大人気モデルとなっていることでも証明されているだろう。その人気を受けて、2025年モデルは生産上限数に達する見込みで、新車購入がしづらい状況となっている。
2025年型NMAX155主要諸元
・全長×全幅×全高:1935×740×1200mm
・ホイールベース:1340mm
・シート高:770mm
・車重:135kg
・エンジン:水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒155cc
・最高出力:15PS/8000rpm
・最大トルク:1.4kgf・m/6500rpm
・燃料タンク容量:7.1L
・変速機:Vベルト式無段変速
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70-13、R=130/70-13
・価格:45万9800円
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>2025年モデルは生産上限数に達する見込みで、新車購入がしづらい状況となっている。
「3月下旬発売」なのに、今頃インプレ記事あげるの?!「来年モデルの予約を促す」ために?!