
ベスパと並ぶモッズカルチャーの象徴、ランブレッタ。その中でも名車と称される「SX200」と、オーナーであり“旧車冒険家”として知られる望月リョウさんをご紹介します。
目次
ランブレッタSX200とは?
1940年代にイタリア・イノチェンティ社から誕生したランブレッタ(Lambretta)。
SX200(正式名称:Lambretta Special X 200cc)は、1966年からわずか3年間のみ製造されたモデルです。スタイリッシュなフォルムと高い走行性能、堅牢なパーツ設計で世界中のファンに愛され、特に1960年代のモッズたちにとっては憧れの存在でした。
旧車冒険家が選んだ最強の旅バイク
旧車冒険家 望月リョウさんをご存知でしょうか?
ランブレッタSX200の他、BMW R50/1(1960年式)、HONDA スーパーカブC100(1962年式)、YAMAHA BRONCO(1997年式)を所有し、これらの愛車で真冬の宗谷岬等…日本中を旅されている冒険家だ。
雑誌「ストリートバイカーズ」や「BMW BIKES」等で連載を持たれており、ご存知の方も少なくないはず。
今回はその望月さんと愛車SX200との冒険の一部をご紹介します!
Instagram「望月リョウ」
https://www.instagram.com/r50_1960
購入のきっかけは?
『高校時代にモッズ映画「さらば青春の光」を観て、ランブレッタの存在とそのカッコよさを知りました。』
さらば青春の光!主人公のジミーがランブレッタに乗って街を疾走するシーンが印象的ですよね!
高校時代からランブレッタを乗られているのですか?
『いえ、購入したのは社会人になってからです!
ランブレッタは憧れでしたが、高校生の私にとっては高嶺の花で購入は出来ませんでした。当時、購入したのはスーパーカブC50。普遍的デザインのスーパーカブをお洒落バイクと感じ、購入直後に車体を銀色に直塗装し乗っていました。ただ…スーパーカブの人気が出るにつれ、当時の現行車であるスーパーカブC50では満足出来なくなり…あまのじゃく的な私はOHVである1962年製のスーパーカブC100を入手し現在でも所有しています。』
C100から旧車沼にハマっていったのですね!
お気に入りポイントは?
『ラットな外見はカスタムでありつつも、所有年数10年超えである歴史の証として気に入っています。ランブレッタはモッズカスタムが一般的ですが、車体の構造はパイプフレーム・ミッション車・フットブレーキなので、スクーターの外見ながら、走行感覚はオートバイに近いです。あと、スクーターは靴を痛めないので、ファッションに重点をおき、ランブレッタを楽しんでいます!』
カスタムはご自身でされているのですか?
『神奈川県にあるランブレタビリティにてカスタムをお願いしました。ランブレッタ界で有名な野田氏により、現代の交通事情にもストレスないパワーを発揮するSX200に仕上げて頂きました!』
モッズカスタムの枠を超え、ツーリングバイクとしての実用性も備えているのですね!
(カスタムの詳細)
・フロントアルミフェンダー
・大型タンク(11L)
・クラッシュバー(フロント/リア)
・シリンダ変更(200cc→225cc)
・DELLORTO 24φビッグキャブレター
・クラブマン排気マフラー
・強化クラッチ
・12VCDI
・油圧ディスクブレーキ(フロント)
維持するにあたって工夫している点は?
『2サイクルの弱点である焼きつき対策のため、走行条件に合わせて通常よりオイルを余分に足し、エンジンに負担をかけないようにしています。ランブレッタは、混合給油でオイルポンプがないため、この対策はダイレクトに効果を発揮しています。
パーツですか?
日本産旧車と違い海外産旧車は現代でもパーツの入手が可能なことが多く、ランブレッタも同じ。特にパーツには困らず、現代でも維持は可能ですよ!』
雪道を走行する鉄スクーターとして有名になった望月さんのランブレッタSX200。ランブレッタでの冒険話を聞かせてください!
ランブレッタは旅スクーターの理想系?
『ランブレッタとはこれまでに3回、極寒の北海道を旅しました。毎年2月に開催される「しばれフェスティバル」には自走で参加しています。その際、早朝の気温はなんと氷点下28℃。それでもSX200は安定した走りを見せてくれました。始動性も良好で、信頼性の高さを実感しましたね。
冒険家・風間深志氏がなぜ愛車TW200のエンジンを2サイクルに載せ替えて南極を目指したのか…その理由を実体験として理解することが出来ました!』
ランブレッタでの旅は大変じゃないですか?
『いやいや、そんなことはありません。ランブレッタは前後にタイヤを積載でき、見た目はスクーターでも中身はバイク。ミッション車でフットブレーキなので、旅における移動手段として理想的だと思っています。
あと、よく“旧車での旅って大変じゃない?”と聞かれますが、答えはシンプル。行くかどうかは“自分が決めるかどうか”。覚悟を決めれば、旧車での旅もきっと楽しめます。旧車での旅を通じて、私自身が身を持って感じた古道具の良さを世間に伝えていきたいです。』
イメージとのギャップに惹かれる
望月さんとは今年1月に初めてお会いし、その後は頻繁にやりとりする仲に。これまでの会話を通して感じたのは、望月さんの“ギャップ”でした。
写真や肩書きからは、近寄りがたいカリスマのような印象を受けますが、実際に会って話すと、その人懐っこいキャラクターに驚かされます。話し出したら止まらない、でもどこか優しい。
彼の冒険には、技術や装備だけでなく、“人間味”と“想い”が込められており、私だけでなく多くの人を魅力し続けています!
望月さん!次の冒険は何ですか?今後の更なるご活躍が楽しみです!
Instagram「みんなの単気筒」
https://www.instagram.com/minnano_tankito
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