「普通二輪免許で運転できる」「高速道路を走れる」「車検がないから維持費が安い」と3拍子揃っているのが250ccのバイク。なかでも、ここでは、車体が軽くて、足着き性も抜群なことで、初心者や女性など体格が小柄なライダー、久しぶりにバイクを運転するリターンライダーなどに最適な最新の国産モデル5台をピックアップして紹介します。

*当記事は2025年6月時点の情報を基に作成しています。

ホンダ・レブル250

2017年の登場以来、軽二輪(125cc超〜250cc)クラスで常に新車販売台数の首位や上位を維持しているベストセラーバイクが、クルーザーモデルの「レブル250」です。

レブル250 E-クラッチ

クルーザーモデルとは、アメリカンバイクの一種で、長い直線を快適に走るロー&ロングなスタイルを持たせたバイクのこと。なかでもレブル250は、車両重量171~175kgという軽量な車体と690mmの低シート高により、小柄な女性ライダーなどでも取り回しがしやすいことが魅力です。

また、ミドルポジションのステップや高めに設定されたバーハンドルなどにより、アップライトなライディングポジションを実現。長距離ツーリングなどでも疲れにくく、快適な乗り心地に貢献します。

搭載する249cc・水冷4ストローク単気筒エンジンは、低回転域ではトルクフルで扱いやすい特性としつつも、高回転域まで気持ちよい伸び感のある加速フィールも両立。単気筒ならではの小気味よい鼓動感も味わえることで、スロットルを開けるごとに、走る楽しさを満喫できるバイクです。

その最新モデルでは、2025年1月の一部仕様変更により、ハンドル形状を見直しポジションを最適化。また、シート内部の素材を変更して快適性の向上も図っています。

さらに、2025年3月13日には、電子制御シフト機構「ホンダE-クラッチ」を搭載する仕様も追加。この機構は、発進、変速、停止などの各シーンで、ライダーがクラッチレバー操作をしなくても、シフトペダルの変速操作のみで、バイクが最適なクラッチコントロールを自動制御してくれるシステムです。また、ライダーがクラッチレバーの操作を行えば、従来のバイクと同様に手動によるクラッチコントロールも可能。バイクはやはりクラッチとシフトペダルの両方を駆使して操りたいなど、多様なライダーのニーズにも対応しています。

ラインアップには、スタンダード仕様の「レブル250」と、電子制御シフト機構付きの「レブル250 E-クラッチ」を用意。また、ヘッドライトカウルやフォークカバー、フォークブーツ、ダイヤモンドステッチ風ワディングシートなどを装備するほか、ホンダE-クラッチも搭載した「レブル250SエディションE-クラッチ」も選べます。

レブル250SエディションE-クラッチ

【レブル250主要諸元】
・全長×全幅×全高:2205mm×810mm×1090mm
・シート高690mm
・車両重量171【174】〔175〕kg
・エンジン:249cc・水冷4ストローク単気筒
・最高出力19kW(26PS)/9500rpm
・最大トルク22N・m(2.2kgf-m)/6500rpm
・ギア:6速
・燃料タンク容量:11L
・タイヤ:前130/90-16、後150/80-16
・価格(税込):63万8000円【69万3000円】〔73万1500円〕
*【 】内はE-クラッチ、〔 〕内はSエディションE-クラッチ

レブル250

ホンダ・CL250

力強さと軽快な走りをイメージさせるスクランブラー・スタイルの車体に、扱いやすい出力特性の249cc・水冷4スト単気筒エンジンを搭載した軽二輪モデルが「CL250」。こちらも、2023年の登場以来、新車販売台数の上位を占めている人気モデルです。

CL250

大きな特徴は、1960年代や1970年代に人気を博したスクランブラーというジャンルに属するバイクを想起させるスタイル。スクランブラーとは、あまりオフロード専用モデルがなかった1960年代などに作られたモデルで、ロードバイクをベースに、マフラーをアップタイプにしたり、サスペンションのストローク量を増やすなどで、悪路走行向けにモディファイしたモデルを指します。

ホンダでは、1962年に国産初のスクランブラーとして「ドリームCL72スクランブラー」を発売し、日本や北米などで大ヒットを記録。CL250は、その往年の名車の車名や雰囲気を継承したネオクラシックなモデルだといえます。

外観は、シンプルな佇まいに、特徴的なアップタイプのマフラー、タンクパッド、ワディング加工を施したフラットタイプのシートを採用。街中からアウトドアまで、さまざまなシチュエーションに映えるスクランブラースタイルを表現しています。

エンジンには、低回転域からトルクフルで、小気味よい鼓動感も味わえる249cc・水冷4スト単気筒を搭載。車体には剛性と重量バランスを最適化したダイヤモンドフレームを採用し、余裕のあるストローク量を確保したサスペンションやセミブロックパターンのタイヤなどにより、舗装路からフラットダートまで幅広い走行状況に対応します。

また、シート高は790mmと比較的低い設定を実現し、足つき性は良好。アップライトなポジションや172kgという軽めの車両重量などにより、細い路地でのUターンや駐車場などでの取り回しも、かなり楽にこなせることも魅力です。

【CL250主要諸元】
・全長×全幅×全高:2175mm×830mm×1135mm
・シート高790mm
・車両重量172kg
・エンジン:249cc・水冷4ストローク単気筒
・最高出力18kW(24PS)/8500rpm
・最大トルク23N・m(2.3kgf-m)/6250rpm
・ギア:6速
・燃料タンク容量:12L
・タイヤ:前110/80R19、後150/70R17
・価格(税込):62万1500円

CL250のサイドビュー

ヤマハ・MT-25

豊富なラインナップを誇るヤマハのネイキッドスポーツ「MT」シリーズに属するのが「MT-25」です。

MT-25

兄弟車には、1000cc・4気筒の「MT-10」、900cc・3気筒の「MT-09」、700cc・2気筒の「MT-07」、300cc・2気筒の「MT-03」、そして125cc・単気筒の「MT-125」を用意します。

いずれも、世界的に人気が高いストリートファイターというスタイルを採用。アグレッシブなスタイルや、街乗りやロングツーリングでも疲れづらいアップライトなポジション、高性能かつ扱いやすいエンジン特性などにより、市街地からワインディングなどで俊敏な走りを楽しめることが魅力です。

なかでも、MT-25は、車両重量166kgという軽い車体と、780mmという比較的低めのシート高による足つき性の良さが魅力。インナーチューブ径37mmの倒立式フロントサスペンションなどの装備と相まって、扱いやすさと軽快なハンドリングを両立します。

エンジンには、最高出力26kW(35PS)を発揮する249cc・水冷4ストローク直列2気筒を搭載。軽量かつ高温強度に優れるアルミ鍛造ピストン、ロス馬力低減を図るためオフセットしたオールアルミ製DiASilシリンダーなど、最新のテクノロジーを投入。市街地で常用する低・中回転域での扱いやすさと、ワインディングなど高回転域での高揚感を両立しています。

ほかにも、歯切れの良いエキゾーストノートを奏でるショートマフラーを装備。車体中央下部に寄せてコンパクトに配することでマスの集中に貢献し、優れたハンドリング性能に貢献しています。

なお、2025年4月24日に発売された2025年モデルでは、兄弟車の「MT-03」と同様に細部をアップデートしています。まず、レバー操作荷重を低減し、シフトダウン時に穏やかな車体挙動をもたらす「A&S(アシスト&スリッパー)クラッチ」を新採用。シートは、足つき性とパッセンジャーの乗りやすさに配慮し形状を見直したほか、新デザインのリア外装なども装備。メカニカル感を強調するクリスタルグラファイト塗色のエンジン外装などと相まって、外観もよりアグレッシブになっています。

また、新型のLCDメーターは、スマートフォン用専用アプリ「YAMAHA Motorcycle Connect(Y-Connect)」に対応。アプリをインストールしたスマートフォンと連携させることで、SNS通知、通話着信など、多彩なスマートフォンの情報をメーターにアイコン表示させるなどの機能を持たせています。

さらに、2025年5月30日には、ツーリングを快適にするアクセサリーをパッケージにした「アクセサリーパッケージ MT-25 ツーリング」も発売されました。これは、車両本体に、ワイズギア製の「ツーリングスクリーン」「ナックルガード」「グラフィックシール」「クイックシフトキット」「ツーリングバッグS」といったアクセサリー5点をセットにした仕様。ツーリングなどに便利な装備が揃っていることで、バイク旅をより快適にしてくれる純正カスタマイズ車だといえます。

ツーリングを快適にするアクセサリーをパッケージにした「アクセサリーパッケージ MT-03/MT-25 ツーリング」(写真はMT-03の装着例)

【MT-25主要諸元】
・全長×全幅×全高:2090mm×755mm×1075mm
・シート高:780mm
・車両重量:166kg
・エンジン:249cc・水冷4ストローク直列2気筒
・最高出力:26kW(35PS)/12000rpm
・最大トルク:23N・m(2.3kgf-m)/10000rpm
・ギア:6速
・燃料タンク容量:14L
・タイヤ:前110/70-17、後140/70-17
・価格(税込)63万2500円
(アクセサリーパッケージ MT-25 ツーリング税込み価格70万5100円)

MT-25のサイドビュー

スズキ・ジクサー250

「ジクサー250」は、アグレッシブなストリートファイターのスタイルと、リーズナブルな価格などが魅力の軽二輪ネイキッドスポーツです。

ジクサー250

外観は、上下3分割の薄型でコンパクトなLEDヘッドライトが印象的。また、力強いタンク形状と流れるようなシュラウド形状により、フロントからリアにかけてグラマラスでエッジの効いたスタイルを実現します。

搭載する249cc・単気筒エンジンには、独自の油冷方式「SOCS(Suzuki Oil Cooling System)」を採用。これは、燃焼室の外周に通路を設け、そこにエンジンオイルを流して冷却するというエンジンの冷却システムです。

スズキは、古くからエンジンに油冷方式を採用していますが、従来は燃焼室の上からエンジンオイルを噴射して冷却する方式でした。SOCSは、それに比べ、より燃焼効率を向上させることで、優れた燃費性能を実現(WMTCモード値34.5km/L)することがポイント。また、高回転・高出力も両立し、爽快な加速感を味わえます。

さらに、装備重量154kgという軽量な車体も魅力のひとつ。フルカウルモデルの兄弟車「ジクサーSF250」でも、装備重量は158kgと軽いのですが、ジクサー250はさらに4kgも軽量になっています。

それに、アップライトなライディングポジションを実現するバーハンドルを装備。これらが相乗効果となり、細い路地でのUターンや、駐車場などでの取り回しがとっても楽なのです。

ほかにも、メーターには多機能なフル液晶ディスプレイを装備。バータイプのタコメーター、デジタルスピードメーター、オドメーター、ギヤポジションインジケーター、デュアルトリップメーターなど、さまざまな情報を見やすく表示できて、とっても便利です。

しかも、価格(税込)は48万1800円。最近は、250ccのバイクでも、60万円以上のモデルもざらですし、中には90万円台のモデルもあるほどで、価格は高騰傾向。そんな中で、50万円を切るプライスも、魅力のひとつですね。

【ジクサー250主要諸元】
・全長×全幅×全高:2010mm×805mm×1035mm
・シート高800mm
・車両重量154kg
・エンジン:249cc・油冷4ストローク単気筒
・最高出力19kW(26PS)/9300rpm
・最大トルク22N・m(2.2kgf-m)/7300rpm
・ギア:6速
・燃料タンク容量12L
・タイヤ:前110/70R17、後150/60R17
・価格(税込)48万1800円

ジクサー250のサイドビュー

カワサキ・Z250

カワサキのスーパーネイキッド「Z」シリーズに属する250ccのネイキッドモデルが「Z250」です。

Z250

1000cc版の「Z H2/SE」や900cc版「Z900/SE」、650cc版「Z650」、400cc版の「Z400」など、豊富なライアップを揃えるのが同シリーズ。それらの末弟となるZ250も、兄弟車たちと共通イメージのSugomi(スゴミ)デザインを具現化した戦闘的スタイルを採用。また、街乗りなどでも扱いやすく疲れにくいアップライトなポジションなどが魅力のモデルです。

とくに、Z250は、車両重量164kgという軽い車体が特徴。車体には、軽量化と高剛性を両立したトレリスフレームを採用し、インナーチューブ径41mmのフロントサスペンションなどをマッチング。高い走行安定性と軽快で自然なハンドリングを両立しています。
パワートレインには、248cc・パラレルツイン(並列2気筒)エンジンを採用。最高出力26kW(35PS)を発揮するエンジンは、全回転域で優れたスロットルレスポンスとパワーフィーリングを発揮し、幅広いスキルのライダーに操る楽しさを提供してくれることが魅力といえます。

ほかにも、フロントブレーキには、直径310mmのセミフローティングブレーキディスクを採用し、高い制動力を実現。高性能なフロントブレーキマスターシリンダーも装備し、制動時の高いコントロール性にも貢献します。

【Z250主要諸元】
・全長×全幅×全高:1990mm×800mm×1060mm
・シート高:795mm
・車両重量:164kg
・エンジン:248cc・水冷4ストローク並列2気筒
・最高出力:26kW(35PS)/12500rpm
・最大トルク22N・m(2.2kgf・m)/10500rpm
・ギア:6速
・燃料タンク容量14L
・タイヤ:前110/70R17、後140/70R17
・価格(税込)68万2000円

Z250は、エンジンに最高出力35PSを発揮する248cc・パラレルツイン(並列2気筒)を採用

軽量バイクは扱いやすくコーナーも楽しい!

以上が、軽量で足着き性のいいバイクの例ですが、これらには、多くの共通するメリットがあります。

たとえば、街中の細い路地などで極低速のUターンをやる場合。それを苦手とする初心者ライダーなどが、うっかりバランスを崩して立ちゴケしそうな時でも、とっさに足を出して車体を立て直したり、支えたりするのも比較的やりやすいといえます。

また、ストップ&ゴーが連続する渋滞路などでも、信号待ちなどで足を着きやすいのも魅力。初心者や小柄なライダーでも、多様なシーンで高い安心感と扱いやすさを味わえます。

加えて、軽いバイクは運動性能も高くなる傾向。コーナーの減速から旋回、立ち上がりの加速といった各シーンで、俊敏なハンドリングを味わえます。そのため、初心者だけでなく、ベテランライダーなどでも、バイクを操る楽しさを堪能できることが多いのです。

初心者や女性などの体格的に小柄なライダー、そしてベテランまで、実は幅広いライダーが楽しめるのが、軽量&足つき性抜群の250ccバイクなのです。

ギャラリーへ (12枚)

この記事にいいねする


コメントを残す