
MotoGPでの活躍はもちろん、スポーツバイクからアドベンチャー、クルーザーまでラインナップの幅を広げているドゥカティ。そんなドゥカティの2025年ラインナップの中から、ネイキッドモデルとクルーザーモデルを紹介していく。
目次
伝統のスポーツネイキッド「モンスター/+/SP」
1993年に初代モデルがデビューしたドゥカティの歴史あるスポーツネイキッド「モンスター」シリーズは、2020年にそれまでのスチール製トレリス・フレームからアルミ製のフロントフレームを採用した現行デザインに変更された。搭載されるエンジンは最新の937cc テスタストレッタ11°で、最高出力111PS/9250rpm、最大トルク93N・m/6500rpmを発揮。ミッションにはドゥカティ・クイックシフト・アップ/ダウンが装わり、コーナリングABS、トラクション・コントロール、ウィリー・コントロールといった電子制御も標準装備される。パワーモードは必要に応じてハイ、ミディアム、ローの3タイプに切り替えられ、4.3インチのカラーTFTディスプレイやLEDヘッドライト&ウインカーなどが採用される。ウインドスクリーンやリアシートカバーが装備された「モンスター+」と、オーリンズ製NIX30フォーク、テルミニョーニ製サイレンサー、ブレンボ製Stylemaフロント・キャリパーなどを装備する「モンスターSP」も用意されている。
モンスター/+/SP主要諸元(2025)
・ホイールベース:1474mm/1474mm/1472mm
・シート高:775mm(ローシート、ローサスペンションキット装着)/775mm(ローシート、ローサスペンションキット装着)/840mm
・車両重量:179kg/179kg/177kg
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブL型2気筒937cc
・最高出力:82kW(111PS)/9250rpm
・最大トルク:93N・m(9.5kgm)/6500rpm
・変速機:6段リターン
・燃料タンク容量:14L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-17、R=180/55-17
・価格:157万円〜/162万2000円〜/194万円(税込価格)
気軽でスポーティな「スクランブラーICON/ICON DARK/FULL THROTTLE/NIGHTSHIFT」
1962年に発売された「スクランブラー」をモチーフに2015年に生産が始まった新世代の「スクランブラー」シリーズは、2023年に現行モデルにフルモデルチェンジした。パワーユニットは空冷デスモドロミック2バルブの803ccで、最高出力73PS/8250rpm、最大トルク65.2N・m/7000rpmを発生。シャシーは専用デザインのスチール製トレリス・フレームに、KYB製41mm径倒立フロントフォークとプリロード調整機構付モノショックを組み合わせる。ミッションにはオプションでクイックシフターを装備でき、デュアルチャンネル・コーナリング ABS、トラクション・コントロール、「Road」と「Sport」の2種類のライディングモードなどが備わる。ラインナップは、スタンダードな位置付けの「ICON」、オールブラック仕上げの「ICON DARK」、フラットトラッカーイメージの「FULL THROTTLE」、クラシカルな「NIGHTSHIFT」が用意される。
スクランブラーICON/ICON DARK/FULL THROTTLE/NIGHTSHIFT(2025)
・ホイールベース:1449mm
・シート高:795mm
・車両重量:176kg/176kg/176kg/182kg
・エンジン:空冷4ストローク2バルブL型2気筒803cc
・最高出力:53.6kW(73PS)/8250rpm
・最大トルク:65.2N・m(6.7kgm)/7000rpm
・変速機:6段リターン
・燃料タンク容量:14.5L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/80-18、R=180/55-17
・価格:133万3000円/119万9000円/153万8000円/194万円(税込価格)
空油冷デスモ1100を積む「スクランブラー1100 スポーツプロ」
旧SS系の空油冷デスモドロミック2バルブ1079ccエンジンを搭載し、スクランブラー史上最もマッシブなモデルに仕立てられているのが「スクランブラー1100 スポーツプロ」だ。このパワーユニットは最高出力88PS/7500rpm、最大トルク88N・m/4750rpmを発生し、スチール製のトレリス・フレームに、オーリンズ製の前後サスペンション、コーナリングABSを備えたブレンボ製ブレーキシステムなどを組み合わせたシャシーに搭載されて、スポーティで上質な走りを実現している。電子制御システムのライド・バイ・ワイヤと慣性プラットフォームによってハイレベルなアクティブセーフティとパフォーマンスを実現し、3種類のライディングモードやトラクションコントロールによって、様々な走行条件下で最適なコントロール性を発揮する。またデザインも非常に特徴的で、アップタイプのエキゾーストシステムや、1970年代にヘッドライトに貼られたテープにインスピレーションを得たブラックメタル製の「X」が内部にデザインされたヘッドライトなどが採用されている。
スクランブラー1100 スポーツプロ(2025)
・ホイールベース:1514mm
・シート高:810mm
・車両重量:206kg
・エンジン:空冷4ストローク2バルブL型2気筒1079cc
・最高出力:63kW(88PS)/7500rpm
・最大トルク:88N・m(9.0kgm)/4750rpm
・変速機:6段リターン
・燃料タンク容量:15L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/80-18、R=180/55-17
・価格:207万6000円(税込価格)
パフォーマンスクルーザー「ディアベルV4」
168PSを発揮する1158ccの「V4グランツーリスモ」エンジンを搭載し、マッシブなデザインを採用した「ディアベルV4」は新しいドゥカティユーザーを開拓した「ディアベル」シリーズの最新モデルだ。フレームは最新のアルミモノコック構造で、フロントに50mm径のフルアジャスタブルフォーク、リアにフルアジャスタブルショック+アルミ製片持ち式スイングアームを組み合わせる。車体は低くデザインされており、全体のイメージはクルーザー的であるが、ステップ位置がミッドなのでスポーティなライディングにも対応。ドゥカティ・トラクション・コントロール EVO 2、ドゥカティ・ウィリー・コントロール EVO、ドゥカティ・パワー・ローンチ EVO、ドゥカティ・クイック・シフト・アップ/ダウン EVO 2といった最新の電子制御システムを搭載。6軸慣性プラットフォームに基づく最新のエレクトロニクス・パッケージを搭載し、スポーツ、ツーリング、アーバン、ウエットという4つのライディングモードが設定されている。
ディアベルV4(2025)
・ホイールベース:1593mm
・シート高:790mm
・車両重量:223kg
・エンジン:水冷4ストローク4バルブV型4気筒1158cc
・最高出力:124kW(168PS)/10750rpm
・最大トルク:126N・m(12.8kgm)/7500rpm
・変速機:6段リターン
・燃料タンク容量:15L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-17、R=240/45-17
・価格:313万9000円〜(税込価格)
ラグジュアリークルーザー「XディアベルV4」
「V4グランツーリスモ」エンジンを搭載し、全く新しいデザインが与えられた「XディアベルV4」。エンジンやシャシー、電子制御といった基本コンポーネントはディアベルV4と共用しつつ、ヘッドライトやタンク、シートはもちろん、エキゾーストシステムに至るまで各部のデザインは変更されている。全体のデザインはよりクルーザー的に仕上げられており、カラーリングにおいてもメインカラーの赤に「ドゥカティレッド」ではなく専用の「バーニングレッド」が採用されるなどこだわりが感じられる。ポジション面ではシート高が770mmと低く設定されており、フォワードステップを採用することでクルーザーらしいリラックスしたものとなっている。サスペンションはフロントに50mm径のフルアジャスタブル倒立フロントフォーク、リアにフルアジャスタブルモノショックが装着され、スイングアームはアルミ製の片持ちタイプ。ホイール・トラベルはフロントが120mm、リアが先代モデルよりも25mm長い145mmとされたことでライダーおよびパッセンジャーの快適性が向上している。
XディアベルV4(2025)
・ホイールベース:1620mm
・シート高:770mm
・車両重量:223kg
・エンジン:水冷4ストローク4バルブV型4気筒1158cc
・最高出力:124kW(168PS)/10750rpm
・最大トルク:126N・m(12.8kgm)/7500rpm
・変速機:6段リターン
・燃料タンク容量:20L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-17、R=240/45-17
・価格:333万5000円(税込価格)
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