2台同時製作という試みも織り込まれた1台

Z1000Mk.II純正カラー&ストライプをスリムなタンクやビキニカウルに施して新鮮味も見せるZ1-Rの17インチカスタム。ACサンクチュアリーのコンプリートカスタム、RCM(Radical Construction Manufacture)でRCM-612というシリアルナンバーが付いている。

「RCM-613のMk.IIと同じオーナーさんが、同仕様で同時に依頼されたという、当店にとってもほぼ初めてのケースなんです。メーターやカウルまわりの加工もあったのですが、こちらの612が少し先にできました」とサンクチュアリー・中村さん。Z1-R(’77年)はKZ1000ベースの前後18インチカフェレーサー仕様、Mk.II(’78~’79年)はKZ1000の後継の前19/後ろ18インチ・レギュラーモデル。とは言え両車の仕様は近く、カウルのありなしを楽しめるというメリットもありそうだ。

車体RCM-612、613ともに17インチ最適化と補強、チェーンライン確保などの加工を行い、O・Zレーシング製鍛造ホイールやオーリンズショック、ブレンボ+サンスターブレーキパッケージで構成する。

エンジンはサンクチュアリーKOUGAドライブチェーンEVOシステムを介することでフラットフロントスプロケットを使い、6速クロスミッションを積むほかフルに手が入る1045cc。ピストンにはサンクチュアリーの内燃機加工部門、DiNx(ディンクス)製鍛造品を使うのが新しいところだ。

「このRCM-612あたりからほぼこれを使っていますが、レスポンスが良い仕上がりになり、いいピストンに出会えたなと思えます。企画/設計の段階から立ち会って日本製のスリッパースカートピストン(現代車のようにピストンピンと直角方向のスカートは残しつつ、高さを抑えている)。いいピストンの条件=軽く、全体の樽(たる)形のラウンド率もいい。ここがいいとスカートが短くても首を振らないので稼働時の側圧も減ります。精密測定データも付いてホーニングもそれに合わせればいいし、重量も近いものを組にできる。

ストリートでは半年ほどかけて何千kmと走り、非常に高い負荷がかかる条件でもTOTに参戦したZレーサー3号機(筑波サーキットで58秒071のモンスター・エヴォリューションクラスコースレコードを持つ空冷4気筒Z)で何十回とテストして、形になりました。エンジンを開けて確認してみても当たりがきれいで、長く安心して使えます」

見えない部分に進化の要素。オーナーには先々のスープアップ構想もあるというが、その際にもこのピストンが使われるはずだ。

Detailed Description 詳細説明

丸型ボディのミラーはマジカルレーシングNK-1ミラー・タイプ6ヘッド、左右マスターはブレンボRCS+ZETA RCMコンセプトフライトレバーの仕様。

スカルプチャーφ43ステムキットTYPE-1(フォークオフセット60→35mm)にマウントされるハンドルはPOSHスーパーローバー。カーボン&アルミ複合でワンオフしたパネルにはスタックST700SR多機能メーターに燃料と油温用の同ST3000を配する。

Z1-Rの純正形状に準じたスリムな燃料タンクはビーターアルミタンクで、KZ1000Mk.II純正カラーでペイント。ストライプはZ1-RとMk.IIでパターンも近いが、サイドカバー部からはMk.IIのそれと判断できる。このパターンは意外に斬新と思える。

シートはワンオフのナイトロレーシングRCMコンセプトシートをセットし、全体の一体感を高めている。

ナイトロレーシングNEWクラッチプレートでクラッチを油圧化、フレームもオリジナル補強やドライブチェーンオフセット軌道対応加工&インライン処理、ワイドレイダウン加工を行う。ドライブチェーンはEK530RCMのBK;GPを使う。

エンジンはDiNxφ71mm鍛造ピストンでヨシムラST-1カムを備えた1045ccとし、クランクは状態が良く芯出しのみを行う。オーバーサイズバルブガイド入れ替えやHfバルブ組み込み等も行う。こうした内燃機加工はDiNxが行い、サンクチュアリーで精密組み立てを行う。

キャブレターはTMR-MJNφ38mmに、ボディやハードパーツのカラーに合わせたオリジナルアルマイトのデュアルスタックファンネルをセットする。

フロントフォークはノーブレストE×MパッケージでオーリンズRWUを組み、フロントブレーキはブレンボGP4-RXキャリパーにサンスター・RCMコンセプトφ320ディスクを組み合わせる構成。

リヤブレーキはブレンボCNC 2Pキャリパー+サンスターφ250ディスク。排気系はナイトロレーシング・チタン手曲げEXマフラー ヒートポリッシュに同ストレイトチタンサイレンサーV-1 ヒートポリッシュをセットしている。

リヤサスはスカルプチャー・ワイドスイングアーム+オーリンズ・グランド・ツイン(KA446)。ホイールはO・Zレーシングのアルミ鍛造、GASS RS-Aで前後2.15-18に換えて3.50-17/5.50-17サイズを履く。

主なカスタム内容

エンジン
*エンジンカバー類含む
DiNx φ71mm鍛造ピストン
YOSHIMURA ST-L1カムシャフト
SANCTUARY KOUGA ドライブチェーンEVOシステム
キャブ/インテーク YOSHIMURA TMR-MJNφ38mm
YOSHIMURA DUAL STACK FUNNEL SYSTEM ベーシックKIT for TMR38
DUAL STACK FUNNEL SYSTEM ベーシックKIT for TMR38
YOSHIMURA TMR-MJN/TMR38用 ヨシムラオリジナルアルミファンネル
エキゾーストシステム NITRO RACING チタン手曲げEXマフラー ヒートポリッシュ
NITRO RACING ストレイトチタンサイレンサーV-1 ヒートポリッシュ
フレームスイングアーム SCULPTURE Z1-Rφ43フォーク用ステムキットType-1
SCULPTURE R.C.M専用ワイドスイングアーム
ブレーキ周り
*マスター含む
フロント
BREMBO RCSブレーキマスターシリンダー
ZETA RCMコンセプトフライトレバー
BREMBO GP4-RXキャリパー
SUNSTAR プレミアムレーシングディスク“RCMコンセプト”φ320
ブレーキ周り
*マスター含む
リア
BREMBO CNC 2Pキャリパー
SUNSTAR プレミアムレーシングディスクφ250
ホイール周り
フロント
O・Z MOTORBIKE GASS RS-A 3.50-17
ホイール周り
リア
O・Z MOTORBIKE GASS RS-A 5.50-17
サスペンション
フロントフォーク
OHLINS RWU
サスペンション
リアショック
OHLINS グランド・ツイン(KA446)
ドライブシステム駆動系
*スプロケット、カバー含む
NITRO RACING クラッチレリーズプレートKIT
ENUMA CHAIN EK530RCM BK;GP
ハンドル周りステアリング
*ステダン、ミラー含む
POSH スーパーローバー
BREMBO RCSクラッチマスターシリンダー
ZETA RCMコンセプトフライトレバー
MAGICAL RACING NK-1ミラー・タイプ6ヘッド
STACK ST700SR多機能メーター
STACK ST3315 燃料計
STACK ST3309 油温計
シート NITRO RACING RCMコンセプトシート
外装 NITRO RACING Z1-R レーシングスクリーン
BEATER Z1R I型 アルミ燃料タンク エアプレーンキャップ仕様
ACサンクチュアリー Z1-R(KAWASAKI Z1-R)
取材協力:ACサンクチュアリー(SANCTUARY本店) TEL04-7199-9712 〒277-0902千葉県柏市大井554-1
URL:https://www.ac-sanctuary.co.jp
2024年 6月 24日
【画像】ACサンクチュアリー(KAWASAKI Z1-R) (11枚)

情報提供元 [ ヘリテイジ&レジェンズ ]

この記事にいいねする

今回紹介した製品はこちら

コメントを残す

今回紹介したブランドはこちら

カワサキ Z1-R/Z1-RIIの価格情報

カワサキ Z1-R/Z1-RII

カワサキ Z1-R/Z1-RII

新車 0

価格種別

中古車 8

本体

価格帯 ―万円

万円

諸費用

価格帯 ―万円

万円

本体価格

諸費用

本体

324.84万円

価格帯 298.55~371.05万円

諸費用

13.54万円

価格帯 6.44~21.44万円


乗り出し価格

価格帯 ―万円

万円

新車を探す

乗り出し価格


乗り出し価格

338.39万円

価格帯 305~392.5万円

中古車を探す

!価格は全国平均値(税込)です。

新車・中古車を探す