
2025年5月、九州・熊本県で開催された「鉄馬 with βTITANIUM 合戦の日」に「RE-Tokyo & Webike」としてロイヤルエンフィールド東京ウエスト&セントラル代表の道岡嵩裕さんとWebikeの楠山泰生さんが、ロイヤルエンフィールドのハンター350で『NC350』クラスに初参戦。初コース、初バイクに奮闘しつつ、大健闘!その様子をお届けしよう!
目次
ロイヤルエンフィールド ハンター350とホンダ GB350がサーキットで直接対決!
「鉄馬 with βTITANIUM 合戦の日」はHSR九州のサーキットコースで2日間に渡って開催されたイベントレース。2025年5月3日(土)に予選、5月4日(日)に決勝レースが繰り広げられた。
ロイヤルエンフィールドのハンター350が参戦するクラスは『NC350』。NCはネオクラシックの意味で、ホンダGB350とハンター350のみが参加でき、2024年に新設されたクラスだ。2022年と2023年はGB350のワンメイククラスとして開催され、2024年まではモリワキからGB350で参戦する金子美寿々さんが3連覇を成し遂げている。
その『NC350』に2024年から「ROYAL ENFIELD with Moto Junkie」から中山恵莉菜さん(中山さんのレポート記事はこちら)が、「Moto Junkie」から松見直樹さんが参戦し、2025年も継続参戦。そして2025年は「RE-Tokyo & Webike」として道岡嵩裕さんと楠山泰生さんが初参戦し、4台体制で挑むことになった。
ハンター350は、ロイヤルエンフィールドの350シリーズの中で最もスポーティなモデル。前後17インチを採用するため、必要最低限の装備でレース参戦が可能だ。中山さんのバイクはかなり手が施されているが、初参戦となった「RE-Tokyo & Webike」の2台はレースに出るための最低限の装備で参戦。
ヨシムラ製マフラーが印象的だが、その他は保安部品を外し、前後サスペンションをアップグレード。ブレーキはパッド&ホース&マスターシリンダーを変更し、ステップやアンダーカウルを装着。サブコンで燃調と点火を整え、ハイグリップタイヤを装着している。
「お客様からオーダーがあったら同じものが作れます。スタイルはハンター350らしさを残したノーマルシルエットを意識しています」とマシンを制作した道岡さんは語る。
「2022年にスタートしたモリワキさんのGB350チャレンジの頃から『鉄馬』を意識し始めました。レースレポートを読む度にワクワクしつつ、興味と期待は高まっていきました。その後、『GB350』クラスが『NC350』クラスとなり、ハンター350での参戦が可能になったことで現実味が増しました。元々、道岡さんとは交流があり、昨年末に意気投合して参戦を決めました。純粋に九州の皆さんとレースをしてみたいと思いましたね」と楠山さん。

道岡さん(写真左)はロイヤルエンフィールド正規ディーラーである東京ウエストと東京セントラルを運営するマイテックの代表。東京ウエストと東京セントラルは、ロイヤルエンフィールドを日本一販売しているディーラーだ。楠山さん(写真右)はWebikeを運営するリバークレインの取締役。2人ともバイクが好き、レースも好きで、自らが走ってその楽しさを体現している。
はじめてのHSR九州で、着々とタイムアップを重ねるハンター350
道岡さんと楠山さんは2人ともベースが関東のため練習に通うのは難しく、今回の予選が初めてのHSR九州のライディングとなった。しかし「鉄馬」は土曜日の午前と午後に2回予選があり、さらに日曜日の午前中にも練習走行が組み込まれているので走行時間が多い。これは遠方勢にはありがたいスケジュールだ。
順調にコース&ハンター350を攻略し、道岡さんは1分23秒763で予選3番手、楠山さんは1分26秒628で予選4番手を獲得。2番手の中山さんは1分23秒105、トップはGB350に乗る金子さんでタイムは1分20秒949をマーク。4連覇がかかる金子さんはさすがに速い。
「『鉄馬』はイベント自体がアットホームでとても良い雰囲気ですね。ただ、HSRの攻略が難しいです。ライン取りがまだまだ決まりません。エンジンはよく走っていて、前の2台とそれほど大きな差はないと思います。高速セクションでスピードを乗せられるライン、スロットルを早く開けられるラインを探すことが課題です」と道岡さん。
「想像以上に良い汗をかいてます!そして意外なほど、よく曲がります!ハンター350はとにかく車体がしっかりしていて、それがインフィールドでハンドリングを楽しむことに繋がっています。エンジンも高回転は回りませんが、神経質なところがなく扱いやすい!馬力は20ps、最高速は130km/hほどですが、十分スポーツできて楽しいですね」と楠山さん。
走行を重ねるたびにタイムアップしていく道岡さんと楠山さん。練習も重ね、サスペンションなどを少しアジャストして決勝に挑むこととなった。
いつかハンター350のワンメイクレースを開催したい!
『NC350』クラスは、予選/決勝ともに『ACS(エア・クールド・シングル)』クラスと『WCS(ウォーター・クールド・シングル)』クラスと混走。そのため、スタート直後は速度差のある緊張の展開。そして『NC350』で真っ先に抜け出したのは金子さんだった。
続いて道岡さん、中山さん、楠山さんの順。2周目には中山さんが道岡さんを交わし2番手へ浮上。金子さんは3周目にベストラップとなる1分20秒880をマークし独走体制に。8周を経て、そのままゴールとなった。
熟成が進む、金子さんとモリワキGB350はやはり強い。以下でベストラップを比較してみよう。
金子さん(GB350):1分20秒880
中山さん(ハンター350):1分22秒310
道岡さん(ハンター350):1分23秒614
楠山さん(ハンター350):1分25秒292
松見さん(ハンター350):1分28秒513
すでに次戦を見据えて、ハンター350の挑戦は続く!
「今回は初参戦。色々と課題も見つかりました。コース攻略はもちろんですが、車体もまだまだ煮詰めるポイントがあります。ファイナルやポジション、バンク角をもう少し確保したりサスペンションのセットアップを詰めたりすることで、もっと曲げていけるハンター350を仕上げることができると思います!
僕はこれまでカワサキZで『テイスト・オブ・ツクバ』に参戦していましたが、昨年の秋ぐらいからZよりもロイヤルエンフィールドへの探究心やモチベーションが高まっています。1年に1〜2回ミニバイクレースに出て、身体がなまらないようにして、次戦に挑みます。次戦は勝ちたいですが、まずはこのレースを盛り上げたい。いつかハンター350のワンメイクレースを開催できるといいですね」と、今回かなり悔しそうだった道岡さん。レース後は、すでに日々イメージトレーニングをしているそう。
「ハンター350は現行車両のため、レーサー作りが容易なところも魅力。また、ガチガチのレースによりすぎていないところが『鉄馬』の魅力ですね。『NC350』クラスは、最低限のモディファイでモータースポーツの楽しさを実感できる貴重なカテゴリー。1990〜2000年代に車両メーカーによるワンメイクレースが多く開催されていましたが、コンセプトはその時の再来を感じさせます。もっと台数が増えていくと楽しさも倍増すると思います。
そして走り終わると、結果が欲しくなりますね。金子さんのストイックさ、そこに迫る中山さん、その空気感をだいぶ後ろから見させてもらいました。思い出すと、また走りたくなるし、練習したくなります。実はレース前に50歳を超えて本気で痩せようと決め、5kgほどダイエットして挑みました。ですが、ライダーの技量不足と体重過多で悔しい思いです。これで辞めようと思いません。レースの順位も気になりますが、自分との戦いに勝つためにもダイエットを継続していきます」と楠山さん。
初参戦にも関わらず道岡さんと楠山さんは、ハンター350のスポーツ性と「鉄馬」の雰囲気に魅了されている様子。次戦へ向けた熱量も高い。また、他にも参戦表明しているディーラーさんもおり、『NC350』クラスは少しずつ盛り上がりを見せていくだろう。もちろん「いつかはハンター350のワンメイク!」の夢に向け、まだまだ仲間を募集中だ。
ちなみにロイヤルエンフィールドのハンター350は、2025年にモデルチェンジ。「鉄馬」開催直後にニューモデルが発表された。カラーの他、サスペンションやクラッチ、ポジションを変更し、生まれ変わった。いきなりレースはさすがにハードルが高いだろう。しかし、そのスポーツ性を多くの方に知っていただきたいと思う。
「Royal Enfield TOKYO WEST / Royal Enfield TOKYO CENTRAL & Webike」が「鉄馬」に初参戦!【NC350クラスでロイヤルエンフィールド ハンター350の存在感をアピール!】ギャラリーへ (24枚)この記事にいいねする