昨年ホンダから発売された、ミドルクラシック・GB350のバリエーションモデル「GB350C」。大きなフェンダーやフォークガードでクラシカルな雰囲気に磨きをかけた仕様だ。今回は、そんなかわいらしい佇まいのGB350Cの足つきをチェック! 間近で見ると意外に大きい車体に挑戦してみた。

「C」はクラシックのC! GB350をもっとレトロに仕上げたバリエーション

2017年にインドで登場、2021年から日本にも導入が始まったGB350は、時代を逆行するようなシンプルなキャラクターのネイキッドモデルだ。空冷シングルエンジンやスチール製タンク、丸型ヘッドライトといった、「バイクらしい」造形は多くのファンに愛され、ホンダのミドルクラスのネオレトロ筆頭として人気だ。そのスタイルはそのままに、ホイールサイズの変更やショートフェンダーを採用するスポーティーな味付けのGB350Sもラインナップされている。

そんなGB350の3つ目のバリエーションとして、2024年に登場したのが「GB350C」だ。エンジンやフレームといった基本設計はスタンダード同様だが、外装に大きな変更を受け、ベースからさらにクラシックなイメージに変貌。GBのレトロな雰囲気に惹かれていたファンにとっての、新しい選択肢となった。設定されたカラーは2色で、「プコブルー」と「ガンメタルブラック」という落ち着いたもの。丸みを強調するスタイリングといい、可愛いマシンという印象にもなった。

GB350Cは2024年登場。GB350の3種目のバリエーションだ。

エンジンや装備はほぼSTDと変わらないが、外装はクラシック路線を強調する専用のものに。

大きな違いはロングフェンダーとセパレートシート、そして長いメッキマフラーだ

GB350Cの基本スペックはスタンダードと同じ。348ccの空冷OHCシングルエンジンは最高出力20PS/5500rpmと、同クラスの中では抑え気味。しかし最大トルクは29Nm/3000rpmと、低回転から力強いパワーを発揮する性格だ。ホイールサイズはフロント19インチ、リア18インチと、ロードスポーツモデルよりも大きなサイズが採用されており、キビキビした旋回性よりも、おおらかなハンドリングを狙った形。ホイールベースも長めだ。装備類はシンプルな丸形LED灯火類と、アナログ/デジタルの1眼メーターを備えるほか、特別な電子制御はない。ただし、メーターにはシフトインジケーターや残燃料を表示できるので、初めてバイクに乗るライダーでも安心できる機能は備えられている。

エンジンは空冷348ccのOHC。20PSと抑えめの出力だが、トルクは低回転から発揮できる。

灯火類はフルLEDながら、丸型で統一されたレトロ基調。

メーターはアナデジ複合の1眼で、シフトインジケータなど便利な機能を備える。

GB350Cの大きな特徴は外装にあり、まずは前後のロングフェンダーが目に付き、スチール製で存在感たっぷりだ。そしてフロントフォークにもペイントされたカバーが装着されており、フロント周りのボリュームが高まった。このような装備はホンダが1960~70年代に「ベンリィ」や「CB」シリーズで採用していたものと同じで、現行車ではほとんど見られないものとなる。またシートはセパレートタイプに変更され、シングルシートとピリオンシートを装着。ブラウンのレザーもあいまって、お洒落な雰囲気に仕上げられた。そしてエンジンにはクロームメッキされたキャブトンタイプのマフラーを装備。概して近年のモデルではショートタイプが多いなか、あえて非常にロングなサイレンサーを備えた。これも存在感抜群で、全体的なクラシックイメージを強めている。またタンクにはゴム製パッドも標準装備された。

キャブトンタイプのロングマフラーは存在感抜群。

フロント19インチのホイールには、大型のスチール製フェンダーが装着されている。

リア側も同様、テールに長く伸びたフェンダーが印象的だ。

タンクもスチール製で容量15L。タンクパッドが装着される。

シートはセパレートタイプ。ブラウンのレザーがお洒落なイメージ。

フロントフォークのガードも特有の装備。車体同色にペイントされている。

足つきはあまりよくないが、ポジションは快適! 魅惑のサウンドは無二の快感

さて、私は実車を目にするまでは、このGB350Cをパステルカラーのとっつきやすいカワイイモデルだと思い込んでいた。ところが実際に見てみると案外にでかい。スタンダードのGB350もけして小さくないが、GB350Cではフェンダーやマフラーの存在感が大きく、実際よりもかなり大きく見える。とはいえ、バーチカルなシングルエンジンとスッキリした車体装備のおかげで、見かけよりもスリムなボディだ。

跨ってみると、まず引き起こしではそこそこの重量を感じる。車重は186kgと特別重くはないが、やはりスチール製パーツによってスタンダードからは10kg程度増量しており、また重心のばらつきも影響しているようだ。とはいえ、別に重たい! というほどではない。そして肝心の足つきはというと、これは見た目の優しさに反して案外によくなかった。シート高は800mmで、これはスタンダートと同じ数値ながら、やや張り出したサイドカバーもあって足はまっすぐ下りず、両足を下ろすと半ばつま先立ちだ。しかしハンドルの位置はかなり近く、大きな車体に反してポジションは非常にラクなのが嬉しいところ。このため両足をついたまま、バックしたり推したりといった動きは難しいが、低速で足をつきながらバランスを取りたい時などは、さほど不安感なく運転ができそうだ。

モデルは165cm/50kg。両足を下ろすとカカトは完全に浮いてしまうが、ポジションは違和感なし。

片足を上げれば完全に着地できる。このため信号待ちなどの小停止は気にならなかった。

ステップは乗りやすいラバーだが、シフトペダルがシーソータイプなのが面白い。革靴でも乗れそうだ。

実走してみると、最初の気づきはシートの高さと近めのハンドルで、開けた視界を楽しめること。さらにロングストロークで低回転からリズミカルにトルクを発揮してくれるエンジンは、路面を蹴る感覚がダイレクトで面白い。これ自体はスタンダードのGBと同じだろうが、GB350Cではその独特のロングマフラーも相まって、低音の効いたドコドコドコッというシングルエンジンらしい迫力のサウンドが響く。これが嬉しいのでのんびり流すのも苦にならないのが魅力的。大径ホイールのハンドリングはクイックではないが、全くストレスなくなめらかに旋回してくれるのはやはり現行最新機の設計といったところだ。

というわけでイメージより迫力のあったGB350C。私よりも小柄なライダー、あるいは女性だと足つきには不安も出そうなサイズ感ながら、乗り出してしまえばクラシックな見た目通り、落ち着いたクルージングを楽しめる素敵なマシンだった。また足つきに関しては、サスペンションの調整やローシート化など、さまざまに対応することは可能だ。小柄でもスタイルが気に入ったならば、ぜひとも乗ってみてほしい。

GB350C(2024)主要諸元

・全長×全幅×全高:2205(2180)【2175】×790【780】×1105【1100】
・ホイールベース:1440mm
・シート高:800mm
・車重:186(179)【178】kg
・エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 348.36cc
・最高出力:20PS/5500rpm
・最大トルク:3.0kg-m/3000rpm
・燃料タンク容量:15L
・変速機:5段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=100/90-19、R=130/70-18【150/70R17】
・価格:税込66万8800円(56万1000円)、【60万5000円】
※()内はSTD、【】内はS

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