
ホンダスペインが開催しているカスタム投票コンテスト「Honda Garage Dreams」。今回のテーマはネオレトロマシン・GB350だ。欧州カスタムシーンで活躍するショップが腕によりをかけた、個性とインパクトにあふれるマシンたちを紹介したい。今回はスペイン・バルセロナの「COMERCIAL IMPALA(コメルシアル・インパラ)」が作成した「VUELTA A LOS 70'S(70年代回帰)」を見てみよう。
現代にない鮮やかなカラーリングは70年代のCBを完璧オマージュ
GB350のスタイルはオーソドックスなネイキッド。丸形ヘッドライトと空冷シングルエンジン、大径ホイールは誰もがイメージするレトロスタイルそのものだ。そんなGBを現行車らしくしているのは色使いかもしれない。現在のラインナップはマットホワイト、マットブラック、マットブルーの3色、スポーティーな「S」もプコブルーやマッドグレーが採用されており、鮮やかな原色はない(かつてはキャンディレッドもラインナップされていたが)。これらのカラーは近年の落ち着いたカラーの流行に則っており、クラシカルなGBの雰囲気にも良く似合っているが、約50年前となる60~70年代の流行はむしろサイケデリックな原色だった。
コメルシアル・インパラが作成した「70年代回帰」GB350カスタムは、そんな当時のカラーを現代のボディに落とし込んだもの。モデルとなっている車種は明言されていないものの、明らかに1972年登場の「CB350 セニア」であることは間違いないだろう。ゴールドのボディにブラックのラインを描いたツートンカラーに、シルバー仕上げのフェンダーはほとんど完全にセニアの姿を再現している。このスタイルの実現のために、ショップではタンク、サイドカバー、ヘッドライトケースなどの外装パーツをペイントし、さらに当時のカバーされたフロントフォークのイメージ通り、アウターチューブもゴールド仕上げ。さらにスポークホイール風に、キャストホイールもシルバーに塗り上げられている。また前後フェンダーはスリムなパーツに変更されており、軽やかなスポーツマシンだったセニアのシルエットに近づけた。
エンジンやフレームといった主要パーツはほぼSTDのままながら、マフラーはショートメガホンタイプに換装されており、リアショックやハンドルバーもクラシカルなパーツに変更。とはいえ、大がかりなスタイルの変更抜きにGBをセニアに仕上げてしまったショップのテクニックには脱帽だ。ネオレトロに興味のなかった旧車ファンも振り向かざるを得ない存在感の「70年代回帰」、ぜひペイントに挑戦してみたい! というカスタム意欲の湧く一品だ。
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いいなあGBに500があれば買うんだがなあ