
中国・KOVEが投入した新型アドベンチャー「800X RALLY / PRO」は、同社がダカールラリーやタクラマカンラリーといった、名だたる長距離ラリー参戦経験からフィードバックを受けたマシンとして、国内のオフロードファンからも注目されていた。今回、大阪/東京モーターサイクルショーでその実車が国内で初めて展示、間近でマシンを目にするチャンスがあった。実車のディテールをチェックしてみたい。
ラリーの重量は176kg! クラスを超えた軽量アドベンチャーはオフロード走破に特化しつつ、ツーリング向け装備も充実
KOVE MOTO(コーベモト)は、2017年に設立された新しい企業でありつつ、多数の新モデル投入&レース参戦で開発力を着実に高めているメーカーだ。特にオフロードシーンでは、世界で最も過酷なラリーとして知られる「ダカールラリー」や、約4000kmを駆け抜ける「タクラマカンラリー」など、車体スペックと耐久性の両方が厳しく試される長距離ラリー競技に積極的に参戦。2024年1月のダカールラリーでは、450ccのマシンでコースを無事完走を果たして注目を浴びた。
そんなKOVEが昨年秋に発表した新型モデルが「800X RALLY / PRO」だ。排気量799ccのアドベンチャーモデルである「800X」をベースとし、激しいオフロードユースに向けてセッティングされた本格仕様のラリーレイドモデルの「ラリー」と、オンロードのロングツーリングに向けて装備を整えた「プロ」の2種のバリエーションで、エンジンは独自開発の水冷並列2気筒DOHCを搭載。エンジン出力は95PS/9000rpm、8.2kgfm/7500rpmとパワフルながら、注目はラリーで重量176kgというビッグアドベンチャーのクラスを超えた軽量のボディ。タンデムステップも軽量化のために撤去された1人乗り仕様で、キャッチコピーは"オフに全振り"という通り、高い走破性を重視した設計のマシンとなっている。
「ラリー」のホイールサイズはフロント21インチ、リア18インチと、一般的なエンデューロタイヤの選択肢が幅広く、フロント270mm、リア250mmという長大なサスペンションストロークをそなえ、地上最低高は293mm、シート高は895mmと、ハードなオフロードコースに耐えられる車格に。さらにタンク容量は20Lを確保し、ロングライディングも十分行える仕様だ。
「プロ」はラリーと同様のエンジンを搭載しつつ、オンロードの走行性能を重視。サスペンションストロークをフロント・リアともに240mmにショート化。地上最低高も275mmとやや引き下げられおり、さらにダブルディスクブレーキで制動力をアップ。フロントフェンダーはダウンタイプとなり、チューブレスタイヤを標準装備するうえ、空気圧センサーも備えている。また削り出しのトップブリッジ、ステアリングダンパー、リアキャリアなどツーリングに向けた豪華な装備を備え、その分重量は183kgとやや増加しているが、普段使いにも向いたグレードとなった。
販売価格と時期も発表されており、ラリーが164万8000円、プロが157万8000円でどちらも今年6月発売予定となる。既に受注予約は受け付けを開始しているということで、新鋭アドベンチャーの性能を試せる日は近い!
800X RALLY / PRO(2025)主要諸元
※【】内はPRO・全長×全幅×全高:2267×880×1435mm【2250×895×1410mm】
・ホイールベース:1545mm【1530mm】
・シート高:895mm【875mm】
・車重:176kg【183kg】
・エンジン:水冷4ストローク並列2気筒 799cc
・最高出力:95PS/9000rpm
・最大トルク:8.2kg-m/7500rpm
・燃料タンク容量:20.0L
・変速機:6速リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク【F=ダブルディスク、R=ディスク】
・タイヤ:F=90/90-21、R=140/80-18
・価格;164万8000円【157万8000円】
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てかウェビックって中国資本入ってるの?
そうだとすると付き合いを考えないと。