
ホンダスペインが開催しているカスタム投票コンテスト「Honda Garage Dreams」。今回のテーマはネオレトロマシン・GB350だ。欧州カスタムシーンで活躍するショップが腕によりをかけた、個性とインパクトにあふれるマシンたちを紹介したい。今回はスペイン・レオンの「HONDA MOTOR CENTER LEÓN(ホンダモーターセンター・レオン)」が作成した「THE ROCKET LION」を見てみよう。
モデルはマイク・ヘイルウッドの駆ったRC181
ホンダモーターセンター・レオンはクラシックレース出走マシンも手掛けているショップで、スペインでは有名な1954年から開催されている「ラ・バネサ・モーターサイクルレース」参戦機で知られるという。その経験から、GB350Sを
ベースとし「100%のカフェレーサー」作成を目指すこととした。それが今回発表された「THE ROCKET LION」だ。
車体の基本構成はノーマルのままで、ホイールやフレームはベースのまま。サイドカバーですらほとんど変わっていない。しかしクラシックなフルカウルとシングルシートによって、その印象は大きく変わっている。スタイリングは1960年代のマイク・ヘイルウッドが運転したGPレーサー・RC181をモデルとし、レプリカのフェアリングとウインドスクリーンを採用。もちろんGB350Sにそのまま装着することはできないため、フィッティングを見直し、ヘッドライトマウントは新造されている。
また、そのままではライディングポジションが異なりすぎるため、フラットなシートポストとセパレートハンドル、バックステップを取付、「グランプリライディングポジション」と称するスポーティーなスタイルを実現した。さらに車高を下げてリア加重を強化するために、アジャスタブルなローダウンサスペンションが取り付けられ、全体的に低く構えた、60年代らしいシルエットを落とし込むことに成功している。さらに、エキゾーストシステムはほとんどベースのままながら、全体にマッチしたクロームメッキ仕上げのサイレンサーを採用。テール下にナンバープレートホルダーを内蔵し、リアエンドをミニマムに仕上げている。さらにウィンカーはハンドルバーエンドに埋め込み、保安部品の存在感を最小に抑えた。
カラーリングはRC181とは全く違うものだが、これは現行ホンダのモデルに採用されているカラー・NHA-86を採用したもので、 NT1100、CRF1100アフリカツイン、ホーネットなどのスポーツフラッグシップの文脈に合わせつつ、アンティーク調のウイングマークを施した。ブラック塗装されたハンドルクラウン、ゴールドのDIDチェーン、シートポストエンブレムなど、ディテールもシックに統一されている。
あまり例をみないGB350Sのフルカウル仕上げだが、クラシックなシルエットと現行カラーというマッチングがかなり似合う仕上がりだ。日本のカスタムファンの大きな参考になるかもしれない。
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