
2025年5月17日(土)に開催予定の「Webike Festival 2025 inモビリティリゾートもてぎ」では、特別に「ホンダコレクションホール・ガイドツアー」を開催します。ホンダで長年広報を務めてきた名物広報マン・高山正之氏によるガイドを実際に聞きながら、コレクションホールの収蔵品を丁寧に知ることができるチャンス。今回はこのガイドツアーに合わせ、昨年リニューアルしたばかりのコレクションホールの展示について解説をしていただきました。
目次
Webikeフェスティバル2025 ホンダコレクションホールガイドツアーにあたって
モビリティリゾートもてぎ内のホンダコレクションホールは、1998年に本田技研工業創立50周年を記念してオープンしました。二輪、四輪愛好家はもとより、家族で楽しんでいただけるホンダの歴史館です。
私は、オープン当初から報道取材の対応やプライベートでの見学も含めますと、少なくとも100回は足を運びました。
今回のガイドツアーでは、これまでの取材を通じて製品開発に携わったエンジニアや、レーシングマシンで世界を戦ったライダー諸氏からお聞きした話を基に、製品に込められた情熱や挑戦の足跡をお伝えしたいと思います。
【創業期から世界への挑戦】
エントランスの丸いオブジェには、創業者本田宗一郎の「夢」のサインがあります。
外周のリングは、本田宗一郎が幾多の失敗を乗り越えて完成させたピストンリングの形をイメージしたものです。このオブジェだけでもさまざまなエピソードがあります。
ホンダ初の商品は、自転車用補助エンジンでした。原動機付自転車(原付)の言葉もここから来ています。本田宗一郎が奥様(さち婦人)の買い出しを少しでも楽にしてあげたい、との思いから着想し開発したものでした。ホンダの最初のテストライダーは、さち婦人が務めたのです。
1959年、ホンダは世界に挑戦します。舞台に選んだのは、ロードレース世界選手権(WGP ワールドグランプリ)で、最も過酷と言われた「マン島TTレース」への出場です。
本田技研の社員で構成されたホンダチームは、125ccクラスでチーム賞を獲得し、世界への第一歩を刻んだのです。
マン島TTレース初出場のRC142は、2009年に研究所チームによって復元されました。
そして、同年にホンダがWGP参戦50周年を記念し、初出場時のライダーである谷口尚己さんによってデモンストレーション走行が行われたのです。
【スーパーカブの誕生で世界に羽ばたく】
ホンダ創業から10年経った1958年、スーパーカブC100が誕生します。
このスーパーカブは、50ccながら高性能な4ストロークエンジンを搭載し、操作が簡単な自動遠心クラッチによる変速で、たちまち大ヒット商品になりました。そして、アメリカをはじめ海外にも輸出されて、ホンダが二輪車の生産台数で世界一になる原動力となりました。
現在も、基本的なパッケージングは変えずに、配達業務はもとより趣味としても幅広い年齢層に親しまれています。
【モータースポーツの世界】
ホンダのモータースポーツへの挑戦は、創業間もない1950年代から現在まで続いています。
他社との大きな違いは、二輪と四輪ともに頂点レースに挑んでいる事です。
モビリティリゾートもてぎでは、ロードレースのMotoGPとトライアルの世界選手権を開催していますから、展示マシンも特別感があります。

右は、1972年にモトクロス全日本選手権で吉村太一選手により初優勝したRC250Mの復元車。左は、1984年にトライアル世界選手権でエディ・ルジャーン選手によりチャンピオンを獲得したRS360T。どちらも、両ライダーにお聞きしたことを紹介したいと思います。
【今しか見られない企画展コーナー】
今年の3月から新しい企画展がスタートしています。期間は6月29日(日)までです。
=CBヒストリー Part2 「CB750Fへの道」=
ホンダは、1969年に4気筒のCB750FOURを発売し、日本はもとより世界中でヒット商品になりました。ナナハンの言葉は、このCBから生まれました。
一世を風靡したホンダですが、他社からも魅力的な大型モデルが発売され、ホンダの優位性はどんどん低下していきました。この逆境を救ったのが、1979年のCB750Fでした。
=ホンダレジャービークルの世界=
日本に「レジャー」という言葉が認識されるようになったのは、1960年代と思われます。
ホンダが1967年に発売した初代モンキーZ50Mのカタログには、早くもレジャーの言葉が使われていたのです。このコーナーでは、モンキーやダックスなど愛らしいモデルと四輪のライフ ステップバン、そして携帯発電機などで、楽しいレジャーの世界を紹介しています。
ホンダコレクションホールには、ここでは紹介しきれない魅力的な製品が数多くあります。
限られた時間ではありますが、各々の製品やレース活動に込められたチャレンジングスピリットやユニークなアイデアなどを、私が知る限りご紹介したいと思います。
2025年5月17日(土)はホンダコレクションホールで解説ツアーを開催!
写真提供:ホンダコレクションホール ※写真で紹介した展示車は、一部変更になる可能性があります。あらかじめご了承ください。 ギャラリーへ (15枚)この記事にいいねする