
去る3月に開催された東京モーターサイクルショーには、Z系パーツで有名なカスタムメーカー「PMC」も出展。そのブースにひと際目を惹くマシンが1台展示されていた。80年代を知る人なら元ネタがピンとくる、その名は「シン・モトラ」だ!
これは最早「モトラ110」だ! マニアックなファンこそ嬉しいクロスカブのカスタム
このシン・モトラを展示していたのは、PMCが2024年に新たに立ち上げたミニバイク系のカスタムブランド「FULNESS(フルネス)」。得意とする4ミニパーツ開発の技術を活かしたコンセプトとして、いままでにないスタイルのモデルを提案したというわけだ。
元ネタとなっているのは、1982年にホンダが発売した50ccの「モトラ」で、モンキーの空冷横型エンジンを、剥き出しのパイプフレームとプレス外装というごついスタイルに搭載した異色の原付モデル。工事現場の重機のような、あるいはミリタリー系のような独特のスタイルは当時こそあまり人気がなく、モデルチェンジせず生産を終了しているが、一度見たら忘れられないスタイルに熱心な愛好家が今なお存在。また近年ではこの文脈に近い、ズーマーやPS250といったスクーターも人気を博しており、今なお新鮮な魅力がある旧車だ。
とはいえ、現存する車両はとても少なく、既にコレクターズアイテムと化しているモトラ。FULNESSはそんなモトラの姿を、入手しやすく性能&品質に折り紙付きの現行モデルで復元することを試みた。その結果、2024年式のクロスカブ110から外装を全てワンオフパーツに交換し、アイコニックな大型キャリア&フロントキャリアや、独特のデザインのマフラー、そして角目のヘッドライトと、モトラそのもののスタイルを再現することに成功。ネーミングは「シン・モトラ」として、現在の街中でも乗れるスペックに仕上げた。普通のカブカスタムの文脈からは大きく外れた存在ともいえるが、『Freedom to Customize ~カスタムは自由だ~』とコンセプトに掲げ、思いのままに汲み上げられたスタイルの完成度は高い。
是非ほしい!というファンも多いであろうこのスペシャルマシンだが、ハンドメイドパーツで組み上げられているため、残念ながら市販予定は現状ないという。とはいえ立ち上がったばかりの新ブランドながら、精力的に新製品を送り出しているFULNESS。きっとこれからも魅力的なパーツや、カスタムコンセプトを見せてくれることだろう! 今後に期待していきたい。
FULNESS公式サイト:https://www.fulness.jp/
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