ロイヤルエンフィールドが大阪モーターサイクルショーにて日本初公開した、同社の「クラシック」シリーズ最大となる新型モデル「650ccのオールドルックなネイキッド「CLASSIC 650(クラシック650)」。従来からの空冷OHCツインエンジンを、クラシックシリーズのスタイルに収めたことで、迫力のスタイルを獲得した。

1948年から続くシルエットを現行最大エンジンで彩る

1901年創業という、世界最古のバイクメーカーとして知られるロイヤルエンフィールド。それだけでも驚きながら、現在も「リアルクラシック」とも呼ばれる、1940年代のスタイルを残すラインナップを継続しているというのは、ちょっと他に例のないメーカーだ。その栄えある伝統のスタイルというのが、現在は350ccのミドルクラスにある「クラシック」シリーズ。丸いヘッドライト、アップライトなハンドルといったオートバイらしいデザインにくわえ、ほとんど全ての外装パーツがスチール製であり、バイクらしい重厚感をしっかり持っているのも魅力のひとつだ。

そんなクラシック350のシルエットはそのまま、エンジンを現行最大排気量となる650cc空冷並列2気筒OHCエンジンを搭載。どちらかといえば可愛らしかったクラシック350が、排気量に見合ったマッシブなシルエットに生まれ変わり、レトロながら堂々たるロードスタースタイルの「クラシック650」となった。パワーは47PS/7250rpm、トルクは52.3Nm/5650rpmと、同じエンジンを採用する「INT650」や「コンチネンタルGT」と共通。ただしフレーム設計やホイールサイズ、ハンドルポジションなどは全て異なっており、味わいの異なるライディングが可能だという。

大阪MCショーで日本初公開された「クラシック650」。

クラシックシリーズのシルエットはそのまま、650ccのビッグツインを搭載し、車格も相応に拡大された。

外観で気になるのはやはり、現代では珍しくなった贅沢なクロームメッキパーツ群だ。ヘッドライトにはレトロなバイザー、リムを装着し、2本出しのサイレンサーもメッキ仕上げ。カラーによってはタンク、前後フェンダーもメッキであり、もちろんマテリアルはスチール。重量は243kgとかなりあるが、バイクらしい金属の質感がうれしい仕上がりとなっている。メーターはシングルでスピードメーターのみ、アップライトなハンドルのスイッチボックスはアルミキャスト製だ。ホイールはフロント19インチ、リア18インチの大径スポークホイールを採用し、鷹揚なハンドリングを実現した。

美しいクロームメッキ仕上げのパーツ類は存在感抜群。

今では珍しく、タンクやサイドカバーといった外装はスチール製だ。

ホイールはフロント19インチ、シングルディスクブレーキを採用。

リアホイールは18インチ。リアショックは古典的ツインショックだ。

アップライトなバーハンドルを採用。スイッチボックスも金属製だ。

クラシックシリーズおなじみのシーソーシフトペダルは続投。

しかしやはり最新車らしく、装備面には現代の技術ももちろん取り入れられている。インジェクション吸気はもちろん、エンジン始動はしっかりセルスタートで、旧車的なエンジン不調の心配はない。さらに灯火類は見た目を裏切るフルLED仕様となっており、視認性も十分だ。また、コクピットにはシンプルなスピードメーターが装着されるほか、ミニマムなフルカラー液晶も用意されている。これはスマホ連携によりナビゲーションを表示できるもの。ただし、ターンバターンシステムの矢印のみが写るタイプのため、レトロな雰囲気を壊すことは無いだろう。

バイザー付きヘッドライトはレトロだが、フルLED灯火で現行車らしい明るさ。

コクピットはシンプルながら、ナビシステムを表示できる液晶モニタを備える。

シングルシート、鉄フェンダーの「バイクらしいバイク」が日本でどう評価されるかも注目していきたい。

ただでさえ無二の個性を持つ「クラシック」が、大型二輪クラスとなったことで、さらに存在感に磨きをかけたと言えるクラシック650。発売時期や価格は明らかになっていないが、同時に発表された「ベア650」は既に発売が発表されており、こちらについてもハードルは低いはずだ。今後のアナウンスに期待していきたい。

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