2025年4月20日、袖ヶ浦フォレストレースウェイにて、「CB FAN MEETING 2025」が開催された。このミーティングは「ミスターCB」と言っても過言ではない「ウィズミーレーシング」の代表、そして「MOTOR STATION TV」のメインテスターである丸山 浩氏が主導して開催されるホンダCBシリーズのオーナーミーティングであり、今回で4回目の開催となる。

「CB乗り」による「CB乗り」のためのイベント

「CB FAN MEETING 2025」の会場となる袖ヶ浦フォレストレースウェイには早朝から「CB」の名を持つバイクが集まりはじめ、パドックに設けられた駐車エリアがCBで埋め尽くされていく。今回の「CB FAN MEETING 2025」で大きな話題となっていたのは、本田技研工業の全面協力により大阪モーターサイクルショーで発表された「CB1000Fコンセプト」が展示されることである。丸山氏が「CBアンバサダー」を襲名したこともあり、今回の展示が実現した。しかも1台だけではなく、ビームスとのコラボションモデルも展示され、まずはこの2台に大きな人だかりができていた。

主催者は「CBと言えば丸山」、「丸山と言えばCB」と言うくらいの影響力をCB界隈に持つウィズミーレーシングの丸山 浩氏だ

入り口付近に飾られていた、「CB FAN MEETING」の大きなロゴ。この前で記念写真を撮るライダーも多かった。

本田技研工業の全面協力によって「CB1000Fコンセプト」が展示され、多くのCBファンが写真を撮ったり語り合ったりしていた。

メーカーが展示する車両としては異例とも言えるエッジの効いたトライバルペイントが目を惹く、「ビームス」とのコラボレーションモデル。

パドックに続々と並べられていく参加者たちのCB。時間が経つほどに台数は増えていき、スペースを埋め尽くした。

ステージではCBに関する様々なイベントが行なわれ、多くの観客で賑わった。

ステージの前にはウィズミーレーシング、というか丸山氏が所有する「CB」たちが並べられている。スペンサーレプリカの「CB900Fカスタム」やウィズミーが販売する「プロジェクトF」、そして丸山氏が「テイスト・オブ・ツクバ」の前身となる「テイスト・オブ・フリーランス」に参戦した「WM CB1000SF BIG1レーサー」などが飾られている。そして、この「WM CB1000SF BIG1レーサー」のエンジンが始動され、ファンミーティングがスタートした。

丸山氏がスロットルをひねり、「WM CB1000SF BIG1レーサー」の咆哮によってイベントがスタート。

丸山氏が「テイスト・オブ・フリーランス」で数々の勝利を挙げた「WM CB1000SF BIG1レーサー」は、CBムーブメントを象徴する1台である。

丸山氏が理想のCBを追い続けて進化させたCB900Fは、スペンサーが駆ったスーパーバイクレーサーを丸山氏流にアレンジ。

丸山氏のCB-F愛が生んだと言える、CB1100をベースにした「WITH ME CB1100 project F」。

12時からコースでのパレードランが予定されており、時間が近くなるとピッドロードにCBがどんどんと流れ込んでくる。12時ぴったりになると丸山氏とレーシングライダーの岡崎静夏さんを先頭にパレードがスタート。コースにCBが流れ込んでいく様は圧巻と言う他ない。コースが一周つながってしまうほどの数のCBとそのオーナーたちは、3周のパレードランを思い思いに楽しんだ。

パレードランを前に、次々とCBがピットロードへと入ってくる。それだけでも壮観だ。

丸山氏を先頭にサーキットを3周するパレードランは、この「CB FAN MEETING」のメインイベントとも言える。

丸山氏と開発者坂本氏のトークショー後にはサプライズも

13時からはステージで丸山氏と、本田技研工業の大型FUNカテゴリーのジェネラルマネージャーを務め、「CB1000Fコンセプト」の開発を主導した坂本順一氏のトークショーが行なわれた。

このトークショーでは、まず「CB1000Fコンセプト」から“コンセプト”の5文字を外すため、認可を取るための作業が着々と進められていると坂本氏から発表された。同じく坂本氏が主導して2020年に発表された「CB-Fコンセプト」がコロナが流行してしまったために他に優先すべきモデルのために生産に至らなかったことや、そこから新しい「CB1000Fコンセプト」が生まれるまでの苦労などが語られた。

「CB1000Fコンセプト」は先日発売された「CB1000ホーネット」開発とほぼ同時に開発がスタートしたと言い、そこにはコンポーネントを共有することで扱いやすく価格的にもできるだけ安く抑えたいという思いがあったという。そこには、古くからのCBファンももちろんだが、コロナ禍において世界中でバイクに乗り始めた若い人にも乗ってほしいという思いがあり、開発も若いスタッフを中心に行なわれたという。

丸山氏と坂本氏のトークショーは、「CB1000Fコンセプト」にかける情熱が感じられるものだった。

坂本氏は価格の上限と車体重量の上限、そして丸目のジャパンネイキッドであることだけをその若いスタッフたちに伝え、ある程度自由にデザインや開発を進めさせたという。5種類のデザイン案が出た中で、ヨーロッパと日本でユーザーへのアンケートなども行なった結果このデザインが最も高い評価を得たという。坂本氏が口を出したのはテール周りのデザインで、出てきたものがシャープでスポーティ過ぎるということで、テールライトやカウルを大きめにして安心感のあるデザインに修正したのだという。価格を抑えるという部分では、生産を担当する熊本製作所のスタッフたちの知恵も借りて進めたという。

また、若いユーザーに向けては、アパレルブランド「ビームス」とのコラボレーションモデルでは、メーカーとは全く異なるアイデアのアプローチに驚かされたという。坂本氏はこのデザインが上長に却下される可能性もあると思い、大阪モーターサイクルショーに向けてバイクが発送された後でデザインを見せたというが、想像以上に好感触であったことに胸を撫で下ろしたそうだ。

実際、持ち込まれた車両はエンジンのかかる状態であり、まだ名前から「コンセプト」を取ることはできないが完成車に近い状態だという。そして、トークショーの最後には、このミーティングに参会した人たちだけの秘密にするという約束でサプライズが行なわれたのである。

「CB1000Fコンセプト」をバックにした丸山氏と坂本氏。ガッチリとタッグを組んだ2人が、CBシーンを盛り上げていく。

ステージを盛り上げた「CB女」と「このアイドルはフィクションです」

続いてCBオーナーの女性たち「CB女」によるトークショーが行わなれ、それぞれの「CB愛」について語り合い、大いに盛り上がった。登壇者たちの愛車だが、まずステージMCの木村亜美さんは父上から受け継いだというCB750Four、続いて全日本ロードレース選手権でJ-GP3クラスを走る岡崎静夏さんはCB1300SF、フリーペーパーなども発行するタレントの采女華さんはCB750F、タレントで丸山氏と一緒にCBアンバサダーを務める梅本まどかさんはCB400SF、タレントの本川まあささんは叔父さんとともにレストアしたというCB750Four、40万人の登録者がいるインフルエンサーMitoちゃんはCB400SFだ。

CBシリーズを愛車とする「CB女」たちによるトークショー。溢れるCB愛を語り、大いに盛り上がった。

さらにアイドルグループ「このアイドルはフィクションです」がミニライブが行われた。「なぜCBのミーティングでアイドルのライブ?」と不思議に思われる方も多いと思うが、グループのメンバー糸川ひなさんは大型バイク免許を持ち、愛車はピカピカのCBR400Fなのである。彼女たちの勢いのあるライブは会場を盛り上げ、チェキ会も大好評であった。

アイドルグループ「このアイドルはフィクションです」のライブステージ。この日ファンになったCB乗りもいたかも?

「このアイドルはフィクションです」のメンバー糸川ひなさん。愛車は黒のCBR400Fだ。

最後に丸山氏が選んだフォトコンテストの入賞者が発表され、そのまま閉会式が開催された。閉会式では来年の春に第5回を開催すると丸山氏が明言し、今年の各地のイベントでCBアンバサダーとして活躍していくとのことだ。「CB1000Fコンセプト」を中心に、今年はCBから目が離せない1年になりそうだ。

「CB1000Fコンセプト」も展示されて大いに盛り上がった、ホンダCBの祭典「CB FAN MEETING 2025」 (17枚)

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