ドゥカティのフラッグシップツアラー「Multistrada V4S(ムルティストラーダV4S)」新型の2025年モデルが、名古屋モーターサイクルショーにてジャパンプレミアとなった。従来型から電子制御を全面的に強化、自動シート高調整や衝突警告機能の追加など、今まで以上に充実した装備が特徴の本機は、353万2200円からのプライスで、2025年5月中に発売される。

日本向けにはローシート&自動車高調整で745mmまでシート高を引き下げ

2010年に登場したムルティストラーダは、スーパースポーツ、オフロードバイク、ロングツアラー、ストリートユースという、バイクが直面する4つのシチュエーションをクリアするコンセプトで生まれたマルチユースモデル。2021年からはV4エンジンを搭載、「ムルティストラーダV4」として従来のV2モデルと並立するとともに、上位グレードモデルである「ムルティストラーダV4S」もラインナップに追加された。搭載する水冷90度V型4気筒DOHC4バルブ1158cc「V4グランツーリスモ」エンジンは最高出力170ps/10500rpmを発揮、扱いやすいスプリング方式のバルブ駆動を採用する。さらにアイドリング時には後方の2気筒を休止し、低燃費走行も実現している点が特徴的だ。さらに装備面では世界で初めてアダプティブクルーズコントロール(ACC)を備え、車体前後に装着されたミリ波レーダーにより自動的な前車追尾、加減速調整を行うことができる。また自動車では一般化してきた、バックミラーの死角に入ってきた車両を検知する「ブラインド・スポット・ディテクション(BSD)」も装備しており、パワフルなエンジンで安全かつ快適にクルージングを楽しむことが可能となっている。

名古屋MCショー会場でお披露目された新型ムルティストラーダV4S。

スタイルは概ね従来モデルに似るが、ヘッドライトのデザインなどディテールは改良されている。

今回登場した2025年モデルは、ヘッドライトのデザインが改良され、印象を若干変えたほかフロントホイールを明るく照らし出す機能も新採用。従来からのコーナリングライトはもちろん続投する。また大きなポイントは、新たに自動車高調整機能を備えたこと。これは時速50km以下では自動的にリアショックが縮みこみ、停車時や低速走行時の足つきを改善するもの。アドベンチャースタイルの高い車高はこれまで小柄なライダーを遠ざけてきたが、日本仕様はローダウンシートと車高調整によってシート高を745mmにまで抑えることを可能とした。この高さはシート高が低いことで知られるクルーザー・レブル250と比べてもわずか55mmしか変わらず、アドベンチャーツアラーとしては破格の低さ。日本人でもほとんどのライダーが苦労なく停車、取り回しを行える。

さらに電子制御も進化し、ライディングモードは従来のアーバン、スポーツ、エンデューロに加え、「ウェット」モードが追加。コンディションの悪い路面でも安全にライディングが楽しめるほか、ブレーキの前後連動アシストや、前方衝突警告機能「フォワード・コリジョン・ワーニング(FCW)」を新採用しており、あらゆるシチュエーションに適合する「ムルティストラーダ」シリーズの旗艦らしい万能性に磨きをかけている。

エンジンは1158cc、170PSを発揮するV4。アイドリング時は半分の燃焼をカットする機構も有する。

制御面では新たにウェットモードや衝突回避機構が装備されており、安全性も向上。

リアショックに追加機構が装着されている。これが自動車高調整をコントロールし、足つきを飛躍的に高めてくれるのだ。

日本仕様ではローシートが標準装備され、車高調と合わせて745mmという低さを実現。

デザインを変えたライトは前輪をスポット的に照射する機能や、従来からのコーナリングライトを採用。

もちろん灯火類はフルLEDで、積載性を高めるキャリアは標準装備だ。

スクリーンは片手で高さ調整が可能で、6段階に変更することができる。

タンク容量は従来の22.0Lから変化がないが、大容量で長距離走行時も安心。

6.5インチのフルカラーTFT液晶モニタは視認性が高く、シンプルなコクピットを彩る。

モード変更などの操作を担うスイッチボックスはバックライトを搭載。

そんな新型ムルティストラーダV4Sが名古屋モーターサイクルショーで日本初公開となり、ケニー佐川氏によるトークショーも開催され、会場では多くのファンが詰めかけ、足つきチェックや上質な車体の雰囲気を楽しんだ。また現地では販売に関する情報も聞くことができ、日本での発売日は今年5月中、価格はカラーによって異なり、「ドゥカティレッド」が353万2200円、「スリリングブラック」「アークティックホワイト」が360万2200円となるとのこと。プレミアムクラスのモデルであることは間違いないが、ドゥカティが誇るフラッグシップを存分に楽しめる期待の新モデルと言えるだろう。

ドゥカティブースの真ん中に鎮座するムルティストラーダV4S。もちろん実際に跨ることも可能だ。

会場ではケニー佐川氏によるトークショーも開催。多くの来場者が耳を傾けた。

ブースではこのほか新型パニガーレ、ストリートファイターなど注目モデルが目白押し。実車を前に大盛況となった。

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    外車アドベンチャーモデルでシート高745mmになるってのはすごくありがたいけど
    壊れて走行中に作動せず高いまま、なんてならないか心配。

    アダプティブクルーズコントロールが世界初?
    トレーサー9GT+とか他にもすでに採用してなかった?
    あとバルブ駆動方式が扱いやすさに影響するってよくわからない。
    単にデスモドロミックが高コストだから止めたんじゃないの?

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