大阪ショーにも登場し、続々と全国配備が始まった新型白バイ「NT1100P」が、東京モーターサイクルショー会場にも登場。警視庁仕様のマシンが、雨の中重量級マシンとは思えない激しいアクションを披露してくれた!

3月から警視庁にも採用! 市販モデルとは違うマニュアル仕様で超機動

東京都を管轄とする警視庁では、交通取り締まりのための白バイとしてヤマハ・FJR1300P、ホンダ・CB1300Pを運用していた。しかしこれらのモデルが旧式化していく中で、新たな白バイとして選定された「NT1100P」は、その名の通りオンロードツアラー「NT1100」をベースとした白バイ専用モデル。白バイは高速度での速度違反追跡や、機動力を活かして逃走中の犯人を補足するなど、ハイパワーと高速度での安定性を要求されるうえ、サイレンなどの専用装備を多数装着する積載性も必要であるため、従来から大排気量のツアラーモデルに採用例が多かった。NT1100も「CRF1100Lアフリカツイン」由来の1082cc並列2気筒エンジンを搭載し、最高102PS/7500rpmの大出力を発揮でき、高速度性能は折り紙付きだ。そのうえ最新ツアラーらしい、空力性能に優れた大型スクリーンとフェアリングを備えており快適性も高い。ホンダは開発時から白バイとしての採用も見込んで設計していたという。また一般向けモデルには「DCT」仕様のみがラインナップされているNT1100ながら、白バイ仕様では特別にマニュアルミッションモデルが導入されている。

東京MCショー会場に展示された、新型白バイ「NT1100P」。

今年3月より全国の警察で配備が開始され、従来のCB1300PやFJR1300Pから交替を始めている。

ツアラーらしい大型フェアリングと、空力性能に優れたカウルで高速走行性能も充実。

赤色灯はLEDを採用。視認性が従来より高くなった。

パニアケースや書類入れは従来の白バイと同様にリアに装着。無線機などが収納されているほか、脱着も可能になった。

コクピット周りはSTDとあまり変化を感じないが、サイレンと赤色灯が1ボタン化するなど、シンプルなインターフェースに改良されているという。

基本的な仕様はSTDと同様だが、追加装備によって重量は50kg以上重くなった。

展示車両は警視庁交通総務課が所有する車体だった。安全運転講習などに登場予定となる。

雨の中で超機動を見せる警視庁NT! パラツインのトルクフルな走りでウィリーもラクラク!?

そんなNT1100Pは今年3月から続々と全国の警察で配備が始まり、一足早く開催された大阪モーターサイクルショーでは大阪府警仕様のマシンが展示された。続く東京ショーにも、もちろん警視庁仕様のマシンが登場。ブースで間近にその姿を目にすることができたが、さらにデモ走行も行われ、迫力の走りを披露した。土曜日はあいにくの雨となり、路面コンディションは非常に悪いシチュエーションだったが、白バイ隊員は車体を軽快に操り、ブロック越え、ウィリー走行などを実演。追加装備によって315kgにもなる重量級のツアラーながら、高い技量によってあらゆるシチュエーションをクリアできる驚きの姿に観客からも拍手が巻き起こった。

土曜日に開催された白バイ隊によるデモ走行。あいにくの天気の中、新旧の白バイが並んだ。

先頭はヤマハ・FJR1300P、真ん中にNT1100P、最後尾がCB1300Pだ。

NT1100Pはポジションがラクで乗りやすいものの、トラコンは非搭載でスリップに注意を払っていた。

コンディションの悪い路面でも、軽快にバンクし小旋回。高い技量が成せる技だ。

障害物の踏破も披露。大柄な車体を感じさせないバランスを見せた。

最高出力はCBに及ばないものの、パラツインのエンジンはトルクフルで加速性が高いという。

さらにウィリー走行まで! NTの性能と隊員の技量がかみ合い、迫力の走行を見せてくれた。

これから街で見かけることとなる新白バイ。先導など様々な任務で活躍するだろう。

走行シーンは動画でも公開中!

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