ティザー画像が公開されていたBMWの「R12 G/S」が海外で正式発表。R12をベースに、往年のR80G/Sをモチーフにしたデザインやフロント21インチホイールを与え、ネオクラシックなオフロード車に仕上げた。日本には2025年夏に導入予定だ。

R12 nineTをベースにR80G/Sルックを体現、フロントは21インチだ

BMWの象徴である空油冷ボクサーエンジンとシャフトドライブを継承するR12 nineTシリーズ。その派生モデルとして新たに「R12 G/S」が追加された。

デザインのモチーフは、BMW初のオフ車にして元祖アドベンチャーバイクでもある初代GSの1980年型R80 G/S。R12 nineTのエンジン&車体を基盤に、新設計の外装や足まわりを採用したネオクラシックなオフ車としている。

ビキニカウルにアップフェンダー、ロングストロークの前後サスやフロント21&リヤ17インチのワイヤースポークホイールを組み合わせ、最低地上高は240mmを確保。R12 nineTの前身であるR nineTには、R nineT アーバンG/Sというモデルが存在した。R nineT アーバンG/Sがフロント19&リヤ17インチだったのに対し、新型のR12 G/Sはよりオフロード志向だ。

「R12 G/S」(BMW)は、初代GSのR80 G/Sを彷彿とさせるデザインを採用。基本パッケージはR12 nineTと同様だが、外装や脚は新設計だ。

車体色は計3カラー。ホワイトはオプションでR80 G/S風の白×青の車体色と赤シートを備える。

ベージュの車体色に赤フレームの「オプション 719 アラゴニット」。

ベーシック仕様はオールブラック。各部をツヤ消し黒で引き締めている。

LEDヘッドライトは、現代のGSシリーズと同様にアイコンであるX字型のデザインを採用。GSの血統を主張する。

エアフィルターカバーは専用。車体色ホワイトとブラックは、ここにG/Sのロゴを大きくあしらう。

オフ向けモードを用意、車体はより安定志向に再設定した

エンジンは1170cc空油冷ボクサーを搭載し、ベース車のR12 nineTと同じく7000rpmで109PS、6500rpmで11.7kg-mを発揮。電子制御スロットルにより「ロード」「レイン」「エンデューロ」のライディングモードがあり、オプションで「エンデューロプロ」を追加できる。

1ピース構造のスチール製チューブラーブリッジスペースフレームはベース車譲りだが、ステアリングヘッドをわずかに高く、前方に移動。キャスター角はベース車の27.7度から26.9度とし、トレール量を110.7→120.8mmとすることで車体安定性を高めた。また、ホイールベースはベース車から+60mmの1580mmとしている。

DOHC4バルブヘッドの1170cc空油冷ボクサーツインを搭載。低回転域から潤沢なトルクを発生し、高回転域でも快活だ。

エキゾーストはシリーズの他モデルが左2本出しなのに対し、左1本出し。円錐形状のアップタイプとしている。

ロングサスで武装、オフ向けのオプションも豊富に設定される

前後サスはフルアジャスタブルで、前210mm&後200mmのサストラベルと最低地上高240mmを確保。全身でオフロード適性を高めている。

フロント21&リヤ17インチが標準仕様だが、オプションのエンデューロパッケージプロはリヤ18インチを装備。シート高は標準から+15mmの875mmとなる。また、エンデューロパッケージプロには、よりオフ向けにスパイクを深くしたエンデューロフットレストや、ハンドルを20mmアップできるライザーが含まれる。

さらにシート高をさらに+20mmできる「ラリーシート」などのオプションも用意。より本格的なオフロードを楽しみたい人にはカスタマイズで対応している。

ドイツでの現地価格は1万6990ユーロ~(約277万円~)。東京MCショー会場で日本仕様が今夏発売されることがアナウンスされた。価格は未発表だが、今後の続報を待ちたい。

エンデューロ対応のマルゾッキ製φ45mm倒立フォークを搭載。サストラベルは210mmを確保している。フロントブレーキはブレンボ2ピストンキャリパーにφ310mmフローティングディスクを採用。BMW Motorrad ABS Proが標準で搭載される。

Fフォークはフル調整式。フォークトップ右側にプリロード、左側にリバウンド&コンプレッションのアジャスターを備える。

リヤの足まわりはφ265 mmディスクに2ポッドキャリパー、BMW伝統のパラレバーを組み合わせる。リヤサスもフル調整式で、サストラベルは200mm。

アナログ速度計に液晶を組み合わせた円形メーター。中央にインジケーターを集約している。アルミ製テーパードバーハンドルとキーレスライドが標準だ。

ラバーなしのステップが標準。アップ&ダウン対応のクイックシフターを工場オプションで追加可能だ。

オプションでフェアリングを延長し、ナビなどを装着できるステーをセットしたラリー仕様カウルも用意。エンジンガードやオフ仕様のフットレストやタイヤも選べる。

シート高を+20mmできるラリーシートをオプションで設定。

往年のスタイルに現代の走りを融合したネオクラシックオフ。好みに応じてオフロード適性を高めることが可能だ。

R12 G/S 主要諸元(2025 欧州仕様)

・全長×全幅×全高:2250mm×970×1256mm
・ホイールベース:1580mm
・シート高:860mm
・車両重量:229kg
・エンジン:空油冷4スト水平対向2気筒DOHC4バルブ 1170cc
・最高出力:109PS/7000rpm
・最大トルク:11.7kg-m/6500rpm
・変速機:6段リターン
・燃料タンク容量:15.5L
・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=90/90-21、R=150/70 R 17
・ドイツ仕様 現地価格:1万6990ユーロ~(約277万円~)

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コメント一覧
  1. あま より:

    わざわざ別パーツでリヤフェンダーというかナンバープレートの支持パーツ付けるくらいならリヤフェンダーを後ろまで伸ばせばいいのに。

    BMWはアホなのか?

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