脅威の2000cc空油冷ボクサーツインを搭載したネオクラ試作車「R20コンセプト」が日本で初公開された。巨大なエンジンを際立たせたデザインが圧巻。現時点ではコンセプト車だが、市販化が待たれる!

R18のボクサーツインを2000ccに拡大、過激ボバーが上陸だ

BMWの「R20コンセプト」は2024年4月に海外で公開されたコンセプトモデル。クルーザーのR18が搭載する空油冷1801ccの水平対向2気筒エンジンを2000ccまで拡大し、ロードスターに仕上げたモデルだ。

東京MCショーでジャパンプレミアとして展示され、その迫力で注目を浴びていた。特筆すべきは、やはりデザイン。ミニマムなショートテールやシンプルな新開発フレームによって、巨大なエンジンを際立たせたスタイルが最大の魅力だ。クラシカルでありながら、どこか未来的な雰囲気も特徴となっている。

エンジン以外の装備をシンプル化し、あくまでエンジンを強調したデザイン。ボリュームのある燃料タンクに、切り詰めたショートテール、簡素化された新設計フレームとスイングアームがポイントだ。

浮き上がったようなシングルシートとロングアームでボバースタイルを体現。フィルターなしの吸気ファンネルからシリンダー、メガホンマフラーへとつながる空気の流れを視覚的に表現している。

アルミ製ベゼルに沿ってリング状の丸型LEDデイライトを配置。中央にヘッドライトとBMWマークを備える。ユニット前方にレンズがないのが斬新だ。

エンジンに負けじと存在感のある燃料タンクはアルミ製。光の当たり方や見る角度で色味が変化するプログレッシブカラーの「hotter than pink」は1970年代をオマージュしている。

前から見ると、張り出したシリンダーがよくわかる。バーハンドルはテーパードタイプで、角型液晶メーターを採用。

シリンダーと巨大なタンクが迫力満点のバックビュー。まさに“ボクサー”エンジンだ。テールライトはシートと一体型。

新設計フレームに豪華な脚をセット、ディメンションも専用だ

R20コンセプトの心臓部は、R18譲りの空油冷1801ccの水平対向2気筒エンジンを2000ccまでスープアップ。R18はボア×ストローク=107.1mm×100mmで、最高出力91PS/4750rpm、最大トルク16.1kg-m/3000 rpmを発生するが、R20はそれ以上の動力性能を発揮するハズだ。

2000ccの排気量に対応するため、オイルクーラーを新設計。シリンダーヘッドカバーやベルトカバーも新作だ。

フレームは、旧車を彷彿とさせるシンプルなクロームモリブデン鋼ダブルループ式バックボーン。これに現代的なオーリンズ製のフルアジャスタブル倒立フォーク+IRS製6ポッドラジアルマウントキャリパーなどを組み合わせる。タイヤはフロントに120/70ZR17、リヤに200/55ZR17。ホイールはフロントがワイヤスポークなのに対し、リヤはディッシュタイプのキャストだ。

スイングアームは新設計で、メインフレームと同じくクロームモリブデン鋼製。R18と同様にカバーレスのシャフトドライブを採用するが、アルミ削り出しの軸受けとパラレバーによる2アーム式とした。キャスター角はR18の32.7度から2.7.5度と立てられ、ホイールベースは1725→1550mmに短縮されている。

2000cc級のクルーザーは前例があるが、ロードスターではレア。今回は市販化がアナウンスされなかったが、ぜひ登場を期待したい!

2000ccのOHV空油冷ボクサーツインは、アルミ製のヘッドカバー、ベルトカバー、吸気ファンネルを新設計。ポリッシュやアルマイト処理で金属の美しさを際立たせている。マフラーは2in2。

クロームモリブデン鋼のダブルループ式フレームを新設計。旧車を思わせるシンプルな構造だ。

下部のクロモリ鋼アームと上部のアルミ製パラレバーに、アルミ削り出しの軸受けを組み合わせる。後輪は200mmサイズでこれまた迫力タップリ。

エンジンのベースはクルーザーのR18(266万8000円~)。ボクサーエンジンが100周年を迎えた2020年にデビューし、ボクサー史上最大を誇る。これを凌駕し、全く異なる派生モデルが誕生するか?

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コメント一覧
  1. あま より:

    カッコ悪いからきちんとリヤフェンダー付けてくれ。

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