
473万円という価格と共に4月19日に発売されることが発表された、ビモータの最新ネイキッドモデル「KB4RC」が大阪モーターサイクルショーに展示された。日本初公開となるこの「KB4RC」を、会場の展示車両でチェックしていこう。
「KB」の名を冠す5台目のモデル
ビモータの歴史に「KB」の名が初めて刻まれたのは、1978年に発表された「KB1」が最初である。それから43年経った2021年、カワサキの傘下となったビモータから「KB4」が発表された。この「KB4」はNinja1000SXのエンジンを搭載し、ロケットカウルをイメージさせる丸目一灯のヘッドライトを備えたフルカウルを纏っていた。今回日本で発表された「KB4RC」は、「KB4」をベースとしたネイキッド仕様である。
「KB4RC」を初めて見た時、そのサイドに設けられたカーボン製構造物のボリュームだろう。これは「KB4」にも装着されていたエアダクトなのだが、フロントのカウルがなくなったことでその存在感がさらに際立つこととなった。この巨大なエアダクトが何のために必要かと言えば、理想的な前後重量配分を実現させるためにシート下にラジエターを配置した「アンダーシートラジエター」構造となっているためだ。通常通りフロント側にラジエターを配置しておけばこんな大掛かりなエアダクトは必要ないのだが、重量配分の適正化のためにこの構造を採用しているのはいかにもビモータらしい選択である。結果としてエアダクトは「KB4RC」のデザインを唯一無二と言えるものにしており、ある種の機能美であると言えるだろう。
独創的なフレームにNinja1000SX系エンジンを搭載
「KB4RC」の車体はエンジンに直接マウントされたクロムモリブデン鋼製フロントトレリスフレームと、アルミ削り出しピボットプレートを介してエンジンに繋げられたアルミ製スイングアームで構成される。ホイールベースは1390mmと1000ccクラスのバイクとしては非常に短く、俊敏なハンドリングを実現している。
サスペンションは前後ともオーリンズ製を採用し、ブレーキシステムはブレンボ製だ。ホイールにはOZレーシングの鍛造品が奢られ、フロント120/70-17、リア190/50-17のピレリ製ディアブロスーパーコルサを履く。
エンジンは先にも触れたようにカワサキのNinja1000SX系の水冷DOHC4バルブ直列4気筒1043ccで、バックトルクによるホッピングの防止と、軽快なクラッチ操作を実現するアシスト&スリッパ―クラッチを採用している。最高出力は104.5kW(142PS)/10,000rpm、最大トルクは111N・m(11.3kgf・m)/8,000rpmと十分なもので、IMU(慣性計測装置) / コーナリング・マネージメント・ファンクション / トラクションコントロール / パワーモード選択 / クルーズコントロール / クイックシフターといった最新の電子制御がライダーをサポートする。
この「KB4RC」の開発において、ビモータはそのインスピレーションを「Freedom」という言葉に集約したという。KB4が持つ良好なトルク特性と軽量な車体をベースに、ライダーとそのライディングスタイルにマッチさせるために、体格や好みに合わせてポジションを自由に調整できるよう設計したという。これによって独自の個性と優れたハンドリングを持ったバイクとして成立させている。
このビモータらしさの詰まった「KB4RC」は2025年4月19日に発売が予定されており、価格は税込で473万円となっている。気軽に買える値段ではないが、各部を見ればその価値が十分にあることが分かる。
KB4RC主要諸元(2025)
・全長×全幅×全高:2040×773×1060mm
・ホイールベース:1390mm
・シート高:810mm(+/-8mm)
・車両重量:191kg
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒1043cc
・最高出力:104.5kW(142PS)/10000rpm
・最大トルク:111N・m(11.3kgm)/8000rpm
・変速機:6段リターン
・燃料タンク容量:19.5L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-17、R=190/50-17
・価格:473万円(税込)
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