320ccエンジンを搭載したスポーツモデル「YZF-R3 ABS」が「YZF-R25 ABS」と共にフルモデルチェンジし、最新の“R”デザインが与えられた。2025年4月24日に発売される予定のこの新型「YZF-R3 ABS」が、アクセサリーパーツを装着して大阪モーターサイクルショーに展示された。

最新の“R”デザインを身に纏う

軽二輪規格の「YZF-R25 ABS」と車体を共有する「YZF-R3 ABS」は、排気量320ccのエンジンを搭載することでよりパワフル余裕のある走りを生む。日本においては車検付きとなるため売り上げに関してはR25に軍配が上がるが、その走行性能の高さでR3を選ぶというユーザーも確実に存在する。

展示車両は今までと大きくイメージを変えた「マットパールホワイト」で、ブルー系の差し色とサイドカウルに大きく入る「R3」のロゴが印象的だ。ホイールやスイングアームがブラック仕上げとなっているため、明るい車体色がより際立つ。

ボディデザインを中心にフルモデルチェンジした「YZF-R3 ABS」。大阪モーターサイクルショーにはアクセサリーパーツ装着車を展示。

最新の“R”シリーズに共通したデザインを採用し、よりスポーティなボディワークが与えられている。

新型R3にはR7やR9が採用している最新の“R”デザインが与えられ、フロントカウルのセンター部分に丸型のヘッドライトを配置し、その両サイドに細い4エレメントポジションランプが配置されている。この特徴的なポジションランプの下にはMotoGPレーサー由来のウイングレットがが取り付けられ、戦闘的なフロントフェイスを生み出している。また、シートカウルにもテールウイングが設けられているのも見逃せない。

センターに丸型のヘッドライトを持ち、そのサイドに4エレメントポジションランプを配置。ヘッドライトの横にはウイングレットが設けられる。

シートカウルも大幅にデザインが変更され、テールウイングが設けられている。テールライトウインカーはLEDを採用している。

メーターには視認性に配慮したフル液晶マルチファンクションメーターを採用し、シフトタイミングインジケーターやギアポジションをメーター内に表示する。また、「Yamaha Motorcycle Connect(Y-Connect)」を介してスマートフォンと連携させることができ、メーター表示機能の拡張や、メンテナンスタイミングのリコメンド機能などを付加することが可能となっている。

フラッグシップマシンYZF-R1を彷彿させる肉抜き加工を施したアルミ鋳造製ハンドルクラウンを採用。メーターは液晶マルチファンクションタイプだ。

シンプルにデザインされたスイッチ類を持つハンドル周り。左側にはライトの切り替え、ウインカー、ホーン、パッシングの各スイッチが取り付けられる。

ハンドル右側のスイッチボックスはスロットルホルダーを兼ねる。スイッチハザードとスターターとキルを一体にしたものが取り付けられる。

メーターの左側にはUSB Type-A端子対応ソケットが標準装備され、走行中にスマートフォンなどの充電をすることが可能だ。ハンドルはトップブリッジの下にとりつけられるセパレートタイプだが、低すぎない設定にすることで街乗りなどにも十分対応できる。

メーター左側のインナーパネルには、防水カバー付きのUSB Type-A端子対応ソケットが設けられている。

スポーティな走りを生むエンジンと車体

パワーユニットは水冷DOHC4バルブ直列2気筒で、ボア×ストロークが68.0mm×44.1mmの320cc。R25とストロークは共通でボアが8mm拡大、圧縮比はR25の11.6:1に対して11.2:1とされている。最高出力31kW(42PS)/10750rpm、最大トルク30N・m(3.1kgm)/9000rpmで、最高出力26kW(35PS)/12000rpm、車重が同じR25が最大トルク23N・m(2.3kgm)/10000rpmなのでかなりアドバンテージがあると言えるだろう。また、スムーズなクラッチ操作とホッピングなどの車体挙動を軽減するアシスト&スリッパークラッチも採用されており、スムーズなライディングが可能だ。

エンジンはボア×ストローク68.0mm×44.1mmの320ccで、最高出力31kW(42PS)/10750rpm、最大トルク30N・m(3.1kgm)/9000rpmを発生する。

マスを集中化させるために、エキゾーストシステムは車体中央下部に寄せてコンパクトに配置されている。

車体はメインパイプ35mm径の鋼管製ダイヤモンドフレームら、フロントにインナーチューブ径37mmり倒立フロントフォーク、リアにモノクロスサスペンションを組み合わせてスポーティかつ快適な乗り心地を実現。ブレーキは前後ディスクタイプで、ABSも標準装備されている。2019年モデルと比較そしてシート幅を左右それぞれ最大6mm、さらにサイドカバーを13mmずつスリム化することで足着き性も向上している。

フロントフォークはインナーチューブ径37mmの倒立タイプで、ブレーキは2ポットキャリパー+298mm径ローターを組み合わせる。

剛性を感じさせるデザインのスイングアームに、17インチの10本スポークタイプアルミキャストホイールが組み合わされる。

リアブレーキは1ポットキャリパー+220mm径ローターの組み合わせ。

魅力をアップする純正アクセサリー

今回の展示車に取り付けられているアクセサリーパーツを見ていこう。まず目につくのは「スモークスクリーン」だろう。形状は純正と同じとされるが、フロントフェイスを引き締めてスポーティな印象を強めている。

純正と同形状の「スモークスクリーン」は税込1万1000円。

レバーはフォールディング機能を備えた「アジャスタブルブレーキレバー」と「アジャスタブルクラッチレバー」を装着。転倒時にレバーの先端が倒れることで衝撃を吸収し、ホルダー及びマスターシリンダーの損傷を軽減してくれる。

「アジャスタブルブレーキレバー」は税込1万3200円、「アジャスタブルクラッチレバー」は税込8800円。

リアシートにはレーシングマシンを彷彿させる形状の「シングルシートカウル」を装着。どのカラーでもマッチするようにとカーボンルックを採用し、ボルト1本で脱着することが可能となっているのでタンデムをするというユーザーでも安心だ。

ニーグリップ部を保護する「プロテクションパッド」は1万450円。

タンクにはニーグリップによるタンクへの傷つきを防いでくれる「プロテクションパッド」を装着。立体印刷のハニカム模様でグリップ感を演出し、センター部分には「R」のロゴが入っている。

レーシーなイメージの「シングルシートカウル」は税込2万350円。

サイドカウルには駐停車時の転倒などの車両への軽微なダメージを軽減してくれる「カウリングプロテクター」が装着されている。車体のデザインにマッチしたスタイリッシュなウイング形状で、サイド面にはRロゴ入りのアルミ調グラフィックを採用している。

車体を守る「カウリングプロテクター」は1万8700円。

このように純正のアクセサリーだけでもある程度のカスタムができるようになっている新型「YZF-R3 ABS」は、2025年4月24日に税込72万600円で発売予定となっている。

YZF-R3 ABS主要諸元(2025)

・全長×全幅×全高:2090×735×1140mm
・ホイールベース:1380mm
・シート高:780mm
・車両重量:169kg
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒320cc
・最高出力:31kW(42PS)/10750rpm
・最大トルク:30N・m(3.1kgm)/9000rpm
・変速機:6段リターン
・燃料タンク容量:14L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70-17、R=140/70-17
・価格:72万6000円(税込)

【大阪MCショー速報】最新の“R”デザインが与えられた「YZF-R3 ABS」は、純正アクセサリーにも注目だ! (18枚)

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