
イタリアのバイクメーカーであるビモータは2019年にカワサキの傘下となり、2025年シーズンからZX-10RRのエンジンを搭載した「KB988」でワールドスーパーバイクへの参戦を開始した。このスーパーバイクマシンのホモロゲーションマシンとなる公道仕様の「KB998 RIMINI」が、今回大阪モーターサイクルショーのカワサキブースに展示されている。
スーパーバイクのためのホモロゲーションマシン
カワサキ傘下となったことで意欲的なバイクを次々に発表しているビモータ。「KB988」はスーパーバイク世界選手権においては、2月に行なわれたフィリップアイランドでの開幕戦で、レース1でバッサーニが8位でロウズが9位、レース2ではロウズが7位でバッサーニが9位とまずまずのスタートを切っている。
スーパーバイクのレギュレーション上、ホモロゲーション取得の条件として150台以上の市販車を製造・販売することが必要となる。ビモータは元々生産台数の多いメーカーではないが、今回の「KB998 RIMINI」は500台の製造が発表されている。
デザインはスーパーバイクマシンの「KB988」に保安部品を取り付けただけと言えるもので、カーボン製のカウルには大型のカーボン製ウイングレットが取り付けられている。シートなどもカーボンで作られており、シングルシーターという割り切った設定となっている。アッパーカウルの中央部分にはインテークが設けられており、これはラムエアシステムと考えられる。メーターはカラー液晶タイプが採用されており、ハンドルスイッチなどはZX-10RR用がそのまま使われているようだ。
ZX-10RRベースのエンジンをオリジナルフレームに搭載
「KB998 RIMINI」はZX-10RRベースのエンジンをビモータ製の鋼管トレリス+アルミのフレームに搭載する。エンジンのスペックは最高出力147.1 kW (200 hp) / 13600 rpm、最大トルク111N・m (11.3kgm)/ 11700rpmと発表されており、ZX-10RRから大きく変更はされていない。エキゾーストシステムはアクラポビッチ製が標準装着されており、このあたりももスーパーバイクのイメージを強く受け継いでいるポイントだ。
フレームは楕円形断面の鋼管トレリスフレームと削り出しのアルミ製のピボットプレートをボルトで結合した構造で、アルミニウムの無垢材から削り出したパーツを溶接して作られたスイングアームを組み合わせる。
フロントフォークには43mm径のショーワ製BFF倒立タイプが採用され、ブレーキはフロントが330mm径のディスクローター+ブレンボ製の4ポットキャリパー、リアはディスクローター径220mm+ブレンボ製キャリパーとなる。また、オーリンズ製のステアリングダンパーがトップブリッジ部分に取り付けられている。
カワサキブースで展示されたことを考えると、この「KB998 RIMINI」は「KB4」と同様にカワサキのディーラー経由で販売される可能性が高い。価格や国内導入台数はまだ発表されていないが、高価で台数は少ないということは間違いない。どうしても欲しいというのであれば早めにディーラーに相談するべきだろう。
KB998 RIMINI主要諸元(2025・海外仕様)
・全長×全幅×全高:2085×862×1205mm
・ホイールベース:1454mm
・シート高:830mm
・乾燥重量:195kg
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ4気筒998cc
・最高出力:147.1 kW (200 hp) / 13600 rpm
・最大トルク:111N・m (11.3kgm)/ 11700rpm
・燃料タンク容量:17L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-17、R=200/55-17
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