本格オフローダーである新型「DR-Z 4S」と共に、前後17インチのロードスポーツタイヤを履かせた「DR-Z 4SM」も発売される。「DR-Z 4S」と共に、当然今回のモーターサイクルショーで大きな注目を集める「DR-Z 4SM」を撮影することができたので、各部を確認していくことにする。

「DR-Z 4S」同様の、最新のデザインとスペックを持つ

「DR-Z400S」の時代にも2004年に「DR-Z400SM」という前後17インチのロードタイヤを履いたモデルがラインナップされ、その過激な走りで注目を集めた。今回登場する「DR-Z 4SM」はこの血筋を引くスーパーモタード仕様であり、待ち望んでいたというライダーも多いはずだ。

ボディデザインは「DR-Z 4S」と基本的に共通だが、フロントバイザーとサイドカバー(サイドゼッケンプレート)の色が白とされている「DR-Z 4S」に対して、「DR-Z 4SM」は全て同じ色となっている。フロントフォークアウターチューブがブラック仕上げとなっているのも「DR-Z 4S」との違いであり、ブラックリムのホイールと相まって足回りの印象を引き締めている。

「DR-Z 4SM」の前後17インチのホイールが生み出すスーパーモタードスタイルは、独特の雰囲気を感じさせる。

はね上げられたシャープなテールカウルと140サイズのロードタイヤが、スポーティなリアビューを演出する。

ポジションはオフロードバイク的なもので、スーパーモタードらしくバイクを振り回して乗るのに適している。

シート高は890mmと「DR-Z 4S」よりも30mm低いが、身長170cm、体重65kgのライダーが両足を着くとつま先立ちとなる。

フロントバイザーやシュラウドは「DR-Z 4S」と同じデザインだが、カラーが統一されたことでかなり印象が違って見える。

コンパクトなデジタルメーターを中心にしたコクピット。ハンドルは幅の広いオフロードバイクタイプとなる。

モード切り替え用のスイッチや設定用のスイッチが設けられる左のスイッチボックス。

スロットルバイワイヤを採用するが、スロットルの遊びを調整するためのスロットルケーブルが存在する。

シートは薄手で、フラットなデザインなのでポジションの自由度が大きい。ゼッケンプレートはボディと同色になる。

LEDを採用したテールライトとウインカーは、コンパクトにまとめられていてスタイリッシュだ。

右側に出されたサイレンサーは、ステンレス製でしっかりした作りのもの。

右のサイドカバーに設けられたカバーをあけると、キーホールが姿を表す。

パワフルな走りを生み出す398ccエンジン

エンジンは基本的に「DR-Z 4S」と同じURO5+に対応した水冷DOHC4バルブ単気筒398ccで、最高出力38PS/8000rpm、最大トルク37N・m/6500rpmというスペックにも変更はない。このエンジンは「DR-Z400S」の基本設計を踏襲しているものの、ほとんどの部品が新設計されている。ボア×ストロークは90.0mm×62.6mmで「DR-Z400S」と同じだが、シリンダーヘッドやカムシャフトは完全新設計され、圧縮比は11.3から11.1へと変更されている。

「DR-Z 4S」同様にS.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)を搭載。出力特性を3モードから選択可能な「SDMS(スズキドライブモードセレクター)」、リヤホイールの空転が感知された時にエンジン出力を制御する「スズキトラクションコントロールシステム(2モード+Gモード+オフ)」、リア解除モード付きABS、クラッチレバーを引かずにワンプッシュでエンジン始動が可能なスズキイージースタートシステムなどを備える。

各部を新設計したエンジンは、アシスト・スリッパークラッチを採用。電子装備と合わせて、最適なパワーデリバリーを行なう。

エンジンはユーロ5+に対応しつつ、最高出力38PS/8000rpm、最大トルク37N・m/6500rpmを発生する。

新設計のツインスパーフレームにロードセッティングの足回りを組み合わせる

フレームは「DR-Z 4S」と共用する新設計のスチール製のツインスパーフレームで、アルミ製のサブフレームとスイングアームを組み合わせる。

前後のサスペンションはフルアジャスタブルタイプのKYB製で、フロントの倒立サスペンションはストローク260mm、リアのホイールトラベルは277mmと「DR-Z 4S」よりもかなり短く設定されている。ホイールサイズはロードスポーツの定番である前後17インチで、タイヤはスポーツ性能の高いダンロップ製「SPORTSMAX Q5A」が純正装着される。また、フロントブレーキローターは「DR-Z 4S」が270mm径なのに対して、310mm径へと大径化することでストッピングパワーが強化されている。

17インチのホイールと、専用セッティングのフロントフォークは組み合わせる。ブレーキローターは310mmの大径タイプが採用されている。

KYB製フルアジャスタブルショック+アルミ製のスイングアーム+17インチホイールがスポーティな走りを生む。

ブレーキは前後ABS付きで、リアのみキャンセルすることが可能になっている。

新しいパワーユニットと車体を手に入れた「DR-Z 4SM」は、サーキット走行を視野に入れた本格的なスーパーモタードであると言えるだろう。発売日や価格についての情報はまだ発表されていないが、北米や欧州で5月頃から先行で販売されるとのことなので、日本でも夏頃には発売になるのではないだろうか。

DR-Z 4SM主要諸元(2025・海外仕様)

・全長×全幅×全高:2195×885×1190mm

・ホイールベース:1465mm

・シート高:890mm

・車両重量:154kg

・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒 398cc

・最高出力:27.9kW(38PS)/8000rpm

・最大トルク:37Nm(3.77kgm)/6500rpm

・燃料タンク容量:8.7L

・変速機:5段リターン

・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク

・タイヤ:F=120/70-17、R=140/70-17

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コメント一覧
  1. じきさん より:

    チューブレススポークホイールと6速ミッションだったら完璧だったが価格もあがるかな ま 今の予想価格も買う気にならないほどいいお値段だが。

  2. kabukimono1050 より:

    よくぞ出してくれました!って思う反面、値段次第では欧州モタードも視野に入るかな。

  3. GPX250Rii より:

    すげーよ!
    Ninja400よりも13kg軽いやん!
    反則です(笑)

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