
400ccの水冷エンジンを搭載する大型オフローダー「DR-Z 4S」は非常に注目度が高く、今回のモーターサイクルショーの目玉と言っても過言ではないだろう。大阪モーターサイクルショーに展示される「DR-Z4S」の撮影に成功したので、早速各部のチェックをしていこう。
最新のデザインを各部に取り入れる
2000年から2009年まで生産されていた「DR-Z400S」は、日本での販売終了後もキャブレター仕様のまま北米では販売が続けられていた。そのフルモデルチェンジ版と言える「DR-Z 4S」は、デザインはオフロードバイクの基本的なデザインを踏襲してはいるものの、ヘッドライトはコンパクトな丸型LEDユニットがフロントバイザーに埋め込まれ、ウインカーやテールライトにもLEDが採用されている。
メーターはデジタルタイプで、スピードやトリップ、ギアポジションインジケーターなどはもちろん、SDMS(スズキドライブモードセレクター)やトラクションコントロールのレベルも表示されるようになっている。また、スロットルバイワイヤを採用しているが、ケーブルタイプ風にアソビを調整ができるスロットルケーブルを備えているのが面白い。
各部パーツを新設計としたパワーユニット
パワーユニットは「DR-Z400S」のエンジンをベースにしてはいるが、EURO5+排ガス規制に対応した水冷DOHC4バルブ単気筒398ccエンジンを搭載する。カムシャフトやシリンダーヘッドなどほとんどの部品が新設計されており、吸気バルブにチタンバルブ、排気バルブにナトリウム封入の中空バルブを採用するなどその本気度がうかがえる。また、吸気システムも当然であるがフューエルインジェクションが採用され、エキゾーストシステムも一新されている。このエンジンの最高出力は38PS/8000rpm、最大トルクは37N・m/6500rpmとされ、シフトダウン時のリヤタイヤのホッピングを抑える「アシスト・スリッパークラッチ」も採用される。
このハイスペックなエンジンを最大限に活かすため、スーパースポーツ系モデルなどにも搭載されているS.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)が搭載される。これにはG(グラベル)モードを含むトラクションコントロール、SDMS、解除モード付ABSを採用し、ライダーのスキルや路面のコンディションに応じた多様なライディングが可能となっている。
完全新設計のフレームが新しい走りを生む
進化したパワーユニットを搭載する車体は、新設計されたスチール製のツインスパーフレームを中心に構成されている。このフレームデザインは「DR-Z400S」とは全く違うものであり、さらにサブフレームとスイングアームはアルミ製の物が組み合わされる。
サスペンションは前後KYB製のフルアジャスタブルタイプで、フロントに倒立タイプフロントフォークとなっている。フロントサスペンションのストロークは280mm、リアのホイールトラベルは296mmあり、ブレーキは前後ABS付きのディスクブレーキで、フロント+リア解除モードを備えるため本格的なオフロード走行に対応している。
「DR-Z 4S」世界中の多くのオフロードファンが待ち望んだナンバー付きの本格オフローダーであり、各部をチェックするとその仕上がりは期待を裏切らないことを確認することができた。発売日や価格についての情報はまだ発表されていないが、国内導入は決定と思っていいだろう。
DR-Z 4S主要諸元(2025・海外仕様)
・全長×全幅×全高:2270×885×1235mm
・ホイールベース:1495mm
・シート高:920mm
・車両重量:151kg
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒 398cc
・最高出力:27.9kW(38PS)/8000rpm
・最大トルク:37Nm(3.77kgm)/6500rpm
・燃料タンク容量:8.7L
・変速機:5段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=80/100-21、R=120/80-18
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