3月21日に開幕した大阪モーターサイクルショーのヤマハブースには、事前に予告されていなかったモデルの姿が確認できた。「Fazzio(ファッジオ)」はアジア圏で人気の高いスクーターで、2025年秋に日本に導入される予定だ。

アジア圏で人気の高いファッショナブルスクーター

アジア圏で高い人気を誇るヤマハの小型モデルの多くは、日本向けモデルも含めてインドネシアで生産されている。その中の1車種であるスクーター「Fazzio(ファッジオ)」は現在インドネシアやタイなどで販売されており、そのファッショナブルなデザインで若者から大きな支持を得ている。

ヤマハのスクーターでいうとビーノがそのおしゃれなデザインで人気が高かったのだが、原付規格の変更に伴って生産中止となっている。「Fazzio」はライン的にはビーノの近いものがあり、日本市場において人気が出る可能性の高いモデルと言えるだろう。

今回大阪モーターサイクルショーに展示された実写を撮影することができたので、写真と共に各部をチェックしていこう。

ファッショナブルで都会的なデザインのボディデザインを持つファッジオは、アジア圏で若者に高い人気を誇る。

ボディサイズは全長1820mmとしっかりとした大きさがあり、タンデムライドも安心してできる。

フロアはフラットなデザインなので、女性でも安心して乗ることができる。センタースタンドも装備されている。

ボリュームのあるフロントフェンダーやテール周りのデザインが、ワンランク上の存在感を演出する。

丸型のヘッドライトやウインカー、角を落としたデザインのレッグシールドなどが、柔らかい印象を生み出すフロントビュー。

メーター、テールライト、ウインカーが縦長の楕円で統一されることで、かわいらしい印象に仕立てられたリアビュー。

レトロモダンデザイン+最新パワーユニット

「Fazzio」のデザインはいわゆるレトロモダンと言えるもので、丸型のヘッドライトや丸みを帯びたボディラインが目を引く。アジア圏ではタンデムが当たり前であるため、それを考慮したロングタイプのシートも特徴と言えるだろう。

身長170cmのライダーが跨った状態。車体のボリューム感がお分かりいただけるだろう。リアシートの残りも十分あり、タンデムが考慮されている。

シートの幅が広めなので、両足を着くと軽くかかとが浮く感じになる。車重は95kgと軽量なので、取り扱いに不安は無い。

丸型ヘッドライトは内部で上下に分割されたデザイン。ウインカーはホワイトレンズ仕様で、車体デザインに馴染む楕円形だ。

コンパクトにまとめられたハンドル周り。中央に楕円形のメーターが配置され、スタイリッシュにまとめられている。

しっかりとした厚みのあるシートは乗り心地も良好。幅、長さともに余裕があるので、タンデムが楽にできる。

縦長の楕円形テールライトを中心に、同じく縦長の楕円形ウインカーが左右に配置されるテール周り。

サイドパネルには「Fazzio」のロゴが入る3色のストライプが配され、プラスチックプレートにもロゴマークが入っている。

折りたたみ式のアルミ製タンデムステップを装備。細かい部分にも気を配ったデザインで、完成度と実用性を上げている。

メーターはデジタルタイプで、スピードの他に、時計、オド、トリップ、バッテリー電圧に切り替えられるメーターと、燃料計が表示される。また、撮影時は確認できなかったのだが、インドネシア仕様では「Y-Connect」 アプリケーションを介してバイクとスマートフォンを接続し、バイクの情報や走行ログなどを管理したり、メーターにスマートフォンのバッテリー、メッセージと電話の通知などを表示することが可能となっている。

楕円形のメーターはシンプルで視認性の高いデザイン。デジタル式のスピードメーター、切り替え式のメーター、燃料計が縦に並ぶ。

切り替え式のメーターを時計表示にした状態。

切り替え式のメーターをオドメーターにした状態。

切り替え式のメーターをトリップメーターにした状態。

切り替え式のメーターをバッテリー電圧にした状態。

実用車としての性能も高く、フロントパネル左側には蓋付きの小物入れ、右側には口の広いポケット、シート下には17.8Lという大きなラゲッジスペースが設けられている。さらに左側の蓋付き小物入れ内部には、必需品となったUSB電源ソケットも装備される。

スイッチ類のデザインはシンプルで使いやすいもの。左にはライトのハイロー切り替え、ウインカー、ホーンが並ぶ。

ハンドル右側にはキル、ハザード、スターターのスイッチが並ぶ。グリップは握りやすい樽型形状だ。

フロントパネル左側には蓋付きの小物入れが装備され、その内部にはUSB電源が装備されている。

フロントパネル右側にはペットボトルなどを入れることができる口の広いポケットが装備される。

キーレースシステムを装備しており、キーを持っているだけで各種操作が可能になる。

シート下には17.8Lのラゲッジスペースがあり、ヘルメットやグローブなどを収納することができる。

ホイールサイズは12インチで、フロントブレーキがディスク、リアブレーキがドラムとなっている。パワーユニットは環境に優しく信頼性の高いブルーコア125ccエンジンで、スターターモーターと発電機を一体化した「スマートモータージェネレーター」を組み合わせたハイブリッド仕様となる。坂道や初期加速を補助する電動パワーアシストがかかることで力強い加速を生み出し、「スタート&ストップシステム」と名付けられたアイドリングストップ機構を装備することで燃費性能の向上も図られる。最高出力6.4kW、最大トルク10.6N・mと特段パワフルなものでは無いが、実用的で扱いやすさに優れている。

ホイールはアルミ製でサイズは12インチ、フロントにはディスクブレーキを装備する。

エンジンはブルーコアの125ccで、スターターモーターと発電機を一体化した「スマートモータージェネレーター」を装備する。

秋には日本市場に投入される

この「Fazzio」の日本国内導入は2025年秋とアナウンスされているのだが、気になるのはその価格である。先日発表された国内使用のNMAX155は本体価格41万8000円で、インドネシアでの価格は3217万5000ルピア(邦貨換算約29万円)なので、邦貨換算した現地価格の140%ほどになっている。「Fazzio」のインドネシアでの価格は2192万ルピア(邦貨換算約20万円)なので、日本では本体価格28万円程度になるのではないかと予想される。

また、日本市場においてはいわゆる原付一種であった50ccがラインナップから消え、4kW仕様の125ccモデルがその代わりとなることが決定したため、各メーカー125ccの原付一種と原付二種の二毛作モデルの登場が発表されている。「Fazzio」について今のところ4kW仕様についてのアナウンスはされていないが、小変更で対応できることを考えると、4kW仕様が用意される可能性が高いと思われる。

Fazzio主要諸元(インドネシア仕様)

・全長×全幅×全高:1820×685×1125mm

・ホイールベース:1280mm

・シート高:750mm

・車両重量:95kg

・エジンン:空冷4ストロークSOHC単気筒124.86cc

・最高出力:6.2kW(8.43PS)/6500rpm

・最大トルク:10.6N・m(1.08kg-m)/4500rpm

・燃料タンク容量:5.1L
・変速機:CVT(無段変速)

・ブレーキ:F=ディスク、R=ドラム

・タイヤ:F=110/70-12、R=110/70-12

・価格:2192万ルピア(現地価格)

【大阪MCショー速報】アジア圏で人気のファッショナブルスクーター「Fazzio」は、2025年秋に国内導入予定だ! (27枚)

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