大阪モーターサイクルショー2025で、ヤマハが「オフロードカスタマイズコンセプト」を参考出品した。詳細は不明だが、この姿カタチはどう見ても海外で販売されているWR155R! これをライトカスタムしたモデルのようだ。市販化の際には155cc版のほか、125cc版もお願いしたい!

ヤマハの隠しダマは小排気量のオフロード車だった!

3月21日に開幕した大阪モーターサイクルショーに、ヤマハが「オフロードカスタマイズコンセプト」(参考出品)を披露した。公式サイトで「Coming Soon」とされ、事前発表されていなかった隠しダマがまさにこのモデルだ。

排気量などのアナウンスは一切ないが、当WEBでも噂になっていた「WR155R」がベースなのは明らかだ。WR155Rはインドネシア生産のトレール車で、155ccの水冷4ストSOHC4バルブ単気筒を搭載。排気バルブのVVAや、フロント21&リヤ18インチワイヤースポークホイールといった本格装備を持つ。

車体はエンデューロマシンのWR系らしいシャープなスタイルが特徴。インドネシアのベース車にはないナックルガードを備え、グリップ、バーパッドなどがノーマル車とは異なっている。

「オフロードカスタマイズコンセプト」(参考出品)。WRシリーズらしいスマートでエッジが立ったデザインに、フロント21&リヤ18インチを採用したフルサイズトレールだ。

車体色はコンペモデルと同様、ヤマハブルー×ホワイトのツートンカラー。海外仕様WR155Rのようなグラフィックはなく、シュラウドに音叉マークエンブレムを施す。

車体は非常にスリム。国産メーカーとしては珍しい左出しのアップサイレンサーを装備する。テールまわりの造形も実にシャープだ。

マルチリフレクターを採用したコンパクトな顔。ヘッドライトやウインカーは電球タイプだ。WR155Rにはないナックルガードも装備されている。フェンダー上には強度を上げるための黒いステーを設置。

インドネシアで生産されているWR155Rの現行型とソックリ。ただし今回のコンセプトは車体色が異なる。

[エンジン&車体] 可変バルブのVVA搭載、軽量フレームやサスもオフ向け

サイドカバーにVVA(Variable Valve Actuation)の表記がある。これは吸気バルブの開閉タイミングを変更し、トルクフルな低速域と伸びのいい高速域を両立できるシステムで、WR155と同系のエンジンを採用するYZF-R15/125にも搭載済みだ。

車体はパイプ式の専用セミダブルクレードルフレーム。これにφ41mmの正立フロントフォークとリンク式リヤショックを組み合わせる。さらに前後ペータルディスク、IRC製GP-22ブロックパターンタイヤなどオフへの備えは万全だ。

コンパクトな水冷単気筒は可変バルブのVVAを搭載。ラジエターは車体右側のみで、転倒による破損を防ぐガードパイプが装着されている。

フレームはオフ向けの堅牢&軽量なセミダブルクレードル。エキパイにもしっかりガードが施される。滑りにくいギザギザステップといい、オフ車のツボを抑えた装備が揃う。

本格オフの証であるフロント21インチのワイヤースポークホイールを採用。これにニッシン製の片押し2ポットキャリパー+ウェイブディスクをセットする。

シンプルな角型スイングアームに豪華なリンク式リヤショックを採用。リヤブレーキはニッシン片押し1ポット+ウェイブディスクだ。

[装備&ライポジ] シートは高いが、軽量スリムで安心

ベースと思われるWR155Rは本格オフらしく、シート高880mm、最低地上高880mmと高め。跨ってみるとオフロードカスタマイズコンセプトも腰高だった。ただし車体がコンパクトで軽いため、不安感は少ない。

シート高を下げることができれば、惜しまれつつも終売したセロー250(シート高830mm)並みの使い勝手が期待できるかもしれない。

なおWR155Rは、16.7PSを1万rpmで発生。日本で並行輸入車をテストしたところ、100km/h巡航が余裕で、状況次第では120km/hにも届きそう。特に高速域の伸びは155ccという排気量を感じさせないほどだった。

ハンドルは幅広いタイプのミリバーで、ブレースはなし。WR155Rにはないオプションのバーパッドが装着されている。メーターはモノクロ液晶で、左側にインジケーターを集約した。

シートは角を落としたタイプ。足着き性を上げるためか、オフ車としては薄めなシートだ。荷掛けフックは非装備。

グリップやレバーもWR155Rからカスタマイズされている。左ハンドルスイッチにはハザードやパッシングスイッチも備える。

身長170cm&体重65kgのライダーでは、上体が直立し、ヒザの曲がりもキツくない。このサイズにしてはかなり余裕がある。

両足のかかとが浮くが、両指の付け根は接地。コンパクトかつ軽い車体のおかげでバランスをとりやすい。

国内には原付二種=125cc版が導入される!?

国内4メーカーの日本仕様には250cc未満のクラスにオフロード車が存在しない。今回のコンセプトは、市販化に関するアナウンスはないが、気軽に遊べるモデルとして需要はあるハズ。エンジンはYZF-R15と同系なので国内の規制対応も問題なく、今回のショーの反響次第で市販化は十分あると予想される。

さらに期待したいのは125cc版だ。排気量についても未公表だが、国内の免許制度や維持費を考えれば原付二種の125ccモデルが欲しい人は多数派。日本には125ccとして導入される可能性もあるだろう。もちろんYZF-R15/R125のように高速道路にも乗れる155ccと、より身近な125cc版を用意してもらうのもアリだ。続報を待ちたい!

【参考】WR155R主要諸元(インドネシア仕様)

・全長×全幅×全高:2145×840×1200mm
・ホイールベース:1430mm
・シート高:880mm
・車両重量:134kg
・エジンン:水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒155.09cc
・最高出力:16.7PS/10000rpm
・最大トルク:1.45kg-m/6500rpm
・燃料タンク容量:8.1L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=φ240mmディスク、R=φ220mmディスク
・タイヤ:F=2.75-21、R=4.10-18
・現地価格:2150万0000ルピア(約35万8000円)

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