イタリアの天才設計者タリオーニ氏がつくった名車DUCATI 900SS…この姿を見て興奮しないバイク乗りはいるだろうか。今回は先代オーナーからロマンと共に受け継いだ、この美しい名車をご紹介します!

DUCATI 900SSとは?

900SS(スーパースポーツ) 。1975年に750SSの上位モデルとして登場したドゥカティのスーパーマシンだ。
何がスーパーなのか?
ドゥカティの代名詞である「L型ツインエンジン」、「デスモドロミック(Desmodromic)」と名付けられたバルブ開閉機構、傘の様な円錐形の側面に溝が入ったギア構造(「べべルギア」)と言った当時ドゥカティが持つ最高技術を全部乗せした車両で、イタリアのみならず世界のバイク史に影響を与えたと言っても過言では無い。
イタリアが生んだ天才設計者ファビオ・タリオーニの功績である。

尚、個人的には1970年代の車両でありながら、1960年代のレーサーマシンを意識した(当時としても)レトロ感のあるデザインがとにかく渋くて好み。ヨダレものである。

人生に彩りを与える900SS

今回ご紹介する900SSと私との出会いは…環八(東京都にある道路:環状八号線)の信号待ち。。。
正確には、私が環八をのんびりカブで走っていると、心地良い排気音を奏でながら颯爽と抜き去る美しいバイクが…その瞬間「あ、DUCATIだ!!!」と認識し、フルスロットルで追撃!笑
暫く走った信号で追い付いて、ナンパしたのが全ての始まり。
その後、私のInstagramをフォローして頂き、一度お会いし、今回の記事に繋がりました。あ、はい、ナンパ成功です笑

今回は私にナンパされたMさんと愛車DUCATI 900SSをインタビュー形式でご紹介します!

購入のきっかけは?

『元々この車両は実家近所に住んでいたおじさんが所有されていました。田舎暮しの幼少期当時は「ヘリコプターの音がする格好いいバイクだなぁ」くらいの認識で、まさか将来私が所有することになるなんて想像もしていなかったです。』

ヘリコプターの音!笑
その年頃だとこのバイクの凄さはまだ分かりませんよね!

『同じ町内には黒金カラーのDUCATI 900SS、MOTO GUZZIのルマン1、HONDA CB550があり、私の親父はYAMAHA SRXを所有という、バイクマニアが勢揃いした特殊な町内でした笑
その後、私も高校からバイクに乗り始め、これまでに様々な車種に乗りました。
そして数年前、おじさんが体力的に限界を迎えたということで、私がこの900SSの後を継ぐことになったのです。かなり大切にされていた車両なので、そのロマンもしっかりと受け継ぐと決意しました。ちょっと大袈裟かもしれませんが笑』

カスタムのポイントは?

『受け継いだ時、当時のラッカー塗装でイエローニングした外装など、ヤレ感含めて魅力的な状態でした。ただし、かなり悩んだ末、「私の代で一旦リフレッシュを」と思い、オリジナルパーツは極力残しつつ、一通りレストアしました。』

ヤレたままもカッコ良いですが、気持ち良く、長く乗るためにはリフレッシュは最適解ですね!

『見た目は一見ノーマルですが、点火系はフルトラとSPウオタニを入れており、ボラーニのスポークホイールはチューブレスに加工、シートカウルの中も一部加工して収納力をアップさせたり、快適性と信頼性を向上させました。あと、サイドスタンドを追加しました。地味ですが、コレが1番の快適性向上ポイントです笑
各種オイル類は多少滲み出できますが、「入っている証拠」って感じでご愛嬌。旧車はそういった整備を通じて、所有欲や愛着がより増してくるものですね。』

苦労している点は?

『まず今まで乗ったバイクの中でクラッチが圧倒的に一番重いところです。あとはエンジン始動で、季節によって目覚めが悪い。キックスタートそのものは慣れが必要ですが、過去に旧車のハーレーとかも乗っていたのでそこは苦では無いですね。ハイコンプ入れてるショベルよりはキックペダルは軽くて楽チンです。』

セパハンでロングタンクなので運転は大変じゃないですか?

『400キロ位のツーリングに行くと、流石に首、背中、足腰はキツく、、、この点が一番苦労しています。ただ、それもロマンと言い聞かせて乗っています笑
おじさんも60歳半ばまで乗っていたので、私も負けない様それ以上は乗るつもりで、ジムに通う等、トレーニングを行い、足腰を鍛えています!』

ロマンが詰まった大好きなバイクをこれからも

私自身…定年後、60歳を超えた後のバイクライフを想像することがたまにある。
・今持っているバイクを乗り続けるのか
・もっと乗りやすいバイクに乗っているのか
・あるいはバイクを降りているのか…
年齢と共に体力の衰えはどうしても避けられず、乗りやすいバイクに落ち着く気がする一方で、それだと満足出来ない自分がいる。やっぱり、何歳になっても好きなバイク、愛着のあるバイクに乗りたい!

今回取材させて頂いたMさん。インタビューの最後にこう語って下さった。
『天才設計者タリオーニ氏とおじさんの想いが詰まった、この900SSで人生に彩りを添えていければと思います。』

その言葉を聞いて、私はポジティブな震えを感じた。
ヨシ!私も好きなバイクを長く乗り続けられるよう、今からしっかり準備をしていこう!

Instagram「みんなの単気筒」
https://www.instagram.com/minnano_tankito

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