
以前よりウェビックプラスでも密着している「TRICK STAR(トリックスター)」の「ZX-4RR ターボ」プロジェクト。市販車ベース400ccで約180PSの発揮を目標とし、最高速度300km/hを目指すという前代未聞のチャレンジだ。前回のアタックから約2カ月、果たして今回のチャレンジで夢の300km/h到達となるか!?
前回のリタイヤを経てツインインジェクターで300km/hに挑む!
今回チャレンジに使用するZX-4RR ターボ。様々な変更を加え、300km/hの壁を越えていく!
前回チャレンジが行われたのは2024年11月のこと。「ZX-4RR」で300km/h到達を目指すという前代未聞の挑戦は数回にわたって行われ、サブコンの装備や吸排気系の変更、特にタービンのブースト圧によって最終的には後輪出力180PSを目標とした。
前回のチャレンジではブースト圧1.1khp、後輪出力は測定で130PSを叩き出すことに成功したが、チャレンジ半ばでエンジンブローという結果に。記録は1回目のアタックでメーター読み263km/hが最高となった。すでに凄まじい記録なのは間違いないのだが、残念ながら目標到達にはいたらなかったのだ。
前回はあえなくエンジンブローでリタイア。メーター読みで263km/hを達成したものの、実測300km/hには及ばなかった
そして今回はその結果を踏まえ、数々の改良を実施。特に大きな変化はブローせずに最高速を狙うため、ツインインジェクターを導入したことだろう。さらに電装系を一新し、燃料供給や点火制御を最適化。スパ西浦サーキットでテストを重ね、確かな手応えを得てJARIでの最高速チャレンジに挑んだ。果たしてその結果は・・・?
3回のアタックを慣行! 現状での最高速を叩き出す!
まず1回目のチャレンジをスタート。前回の最高速がメーター読み263km/hだったが、なんと初っ端からメーター292km/hを達成したのだ! 想定よりも大幅に速い記録をマークしたが、ツインインジェクターの効果が如実に表れているといえるだろう。しかしこの時点でファイナルギア比が限界に達していたため、さらなる最高速を狙うためには調整が必要と判断した。
メーター読みで292km/hを達成! 想定よりも大幅に速い記録をマークできた
続いて2回目のチャレンジではスプロケットをロング仕様に変更し、最高速をさらに伸ばすセッティングに変更。さらに今後のデータ収集のため、点火タイミングを変更した異なるマップを使用することに。結果はメーター読み293km/hとわずかに最高速が上がったが、クラッチが滑ってしまい、100%のパワーを伝達できず。だが300km/hの壁はもうすぐ見える範囲に。
2回目のチャレンジではメーター読み293km/hへ到達! メーターでは300km/hも間近である
そして運命の3回目。クラッチを交換して万全の状態で再挑戦した結果、メーター読み295km/hを達成! ファイナルの変更が功を奏し、さらなる速度向上に成功したのだ。
3回目でいよいよメーター読み295km/hに到達! 間違いなくノーマルのZX-4Rでは出せない数値だ
現在の仕様でも300km/hの壁は見えてきたが、さらなる安定性とパワー伝達の最適化が求められる。トリックスターは次のステップとして、車体のフレ対策、ビックタービン仕様によるパワーアップを進めていくという。
「GPS 300km/h」達成まで、この挑戦はまだ終わらない――。
【目指せ300km/h!】いよいよ目標値間近!? トリックスター「ZX-4RR ターボ」の最高速チャレンジレポート ギャラリーへ (5枚)この記事にいいねする