小型のオフロード四輪車で大きなシェアを持っているカワサキモータースから、初の電動四輪車となるPTV(パーソナルトランスポートビークル)の「NAV」シリーズが発表された。米国およびカナダで発売されることがアナウンスされたばかりのこの「NAV」だが、早くも日本国内に導入されることが発表された。

北米を中心に人気の高まるPTV

米国など北米地域の新興住宅街やコミュニティ内では、便利で快適に移動できる乗り物へのニーズが拡大。小型で機動性に優れており、乗り降りのし易さや必要な駐車スペースの少なさといったメリットのあるPTVは、そのニーズにマッチした乗り物として認知されつつある。また、PTV専用レーンを走行することで渋滞を避けられるなどもあり、ファミリー層を中心に人気が高まっている。さらに、カーボンニュートラルの動きに伴いPTVの電動化も加速しており、そのニーズにマッチしたモデルとして「NAV」は開発されている。

カワサキ初の電動PTVである「NAV」のネーミングは、”移動する・案内する"を意味する"NAVIGATION"を短縮し、コミュニティ内で便利に使用できるPTVの特長を表している。「NAV」シリーズは拡大するPTV市場のニーズに対し、電動ならではの静粛な走行とオフロード四輪車の開発で培った快適な乗り心地、使いやすいエクステリアとインテリアおよび便利なキャリア機能によって、家族でコミュニティ内をより便利にクリーンに移動するライフスタイルを提案する。

インダクションモーターを採用し、バッテリーは2タイプ

パワーユニットは4.0kW(最大出力10.7kW)のインダクションモーターで、滑らかな加速と穏やかなパワーフィールを持ち、速度の維持もしやすい出力特性となっている。車体はオフロード四輪車で培った車両設計・製造ノウハウを基に開発した、スチール製ラダーフレームとサスペンションを採用。日常の足として近場を走る用途にも適した、快適な乗り心地を実現している。バッテリーは2種類が用意されており、「NAV 4e」にはコストパフォーマンスに優れた鉛タイプバッテリーが搭載され、「NAV 4e LE」と「NAV 4e Limited」には、軽量・長寿命なリチウムイオンバッテリーを搭載する。

街に馴染むスタイリッシュなデザインと高いユーティリティ

精悍なフロントフェイスは、ウインカー一体型のスポーティなLEDヘッドライトとEVを思い起こさせるハニカムデザインのグリルで構成。着座位置は高めに設定され、同じく高めに配置されたフロントフェンダーと大径のホイール&タイヤがリフトスタイルを生み出している。タイヤは14インチのオフロードスタイルホイールと23インチのオフロード系とレッドパターンタイヤを組み合わせ、スポーティでアクティブなイメージを強調している。

インテリアは厚みのある快適なシートを採用し、乗員全員が快適に乗れるようなレイアウトを採用。また、リヤシートを折りたたむことでフラットなスペースを生み、大きな荷物を運ぶことも可能になっている。

メーターには1.5インチのTFTカラー液晶インストゥルメントパネルを採用し、乗車定員分のUSB電源も備えられている。また、フロントフード下やダッシュボードなど各部に収納が設けられるなど、ユーティリティ面でも高いレベルに仕上げられている。

このモビリティの未来とも言える「NAV」、国内導入する仕様については現在調整中とのことで、発売時期や販売価格、諸元等詳細な情報については決定次第発表されるとのことだ。

NAV4e/NAV4eLE/NAV4eLIMITED主要諸元(2025)

・全長×全幅×全高:2910×1310×1960mm/2910×1310×1970mm/3035×1310×1970mm

・ホイールベース:2030mm

・最低地上高:185mm

・車両重量:590kg/456kg/476kg

・パワーユニット:インダクションモーター

・定格出力:4.0kW(最大出力10.7kW)

・燃料タンク容量:22.5L
・ブレーキ:ドラム

・タイヤ:F=23×10.00-14、R=23×10.00-14

カワサキ初の電動四輪車「NAV」シリーズの、国内導入が決定 (10枚)

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