
ダカールラリーという過酷な舞台で培われた技術が、ついに一般市場へと還元されるかもしれない。HRC(Honda Racing Corporation)とイタリア・RSmotoによる「CRF450RX Rally RS2」は、市販の可能性が高い新たなラリーレイドモデルだ。
※202502/03 情報を追記して更新しています。ホンダのラリーレプリカがついに販売へ? CRF450RX Rally RS2
ホンダは2013年にダカールラリーへ復帰し、2020年にはリッキー・ブラベックがCRF450RALLYで優勝を果たした。しかし、これまでホンダのラリーバイクは純粋なファクトリーマシンとして供給され、市販車への展開はなかった。一方、ライバルのKTMは「450RALLY REPLICA」を市場に投入し、中国のKOVEも「450RALLY」を一般販売している。
CRF450RX Rally RS2(海外)イタリアのショップが発売するラリーレイドモデル。
そんな中でHRCとイタリア・RSmotoが発表したCRF450RX Rally RS2は、クロスカントリー向けのCRF450RXをベースに開発された市販化見込みの高いラリーレプリカだ。エンジンはCRF450RXを踏襲する450cc液冷ユニカム単気筒で、燃料タンクは29Lと長距離ラリーに適した大容量となっている。さらにSTMフォークプレート、ステアリングダンパーなどを追加し、大型フットペグやオイルクーラーの増設によって走破性を向上。またラリーレプリカに必須のナビゲーション装置を支えるラリータワーはハンドルマウントではなく、ファクトリーマシンと同様にフレームマウント方式を採用。これにより安定した視界と操作性を実現しつつ、全体の重量は139kgと軽量に抑えられている。
現在のところ、このマシンは2024年に少数台数が欧州向けに発売されたのみ。しかし2025年中には販路を拡大して発売されるという情報もあり、ラリー人気の高い海外では注目の1台となるだろう。HRCがどのような展開を見せるのか、今後の発表に期待したい。
HRCオフィシャルからの発売もあるか?
CRF450RX Rally RS2はHRCも協力しているとはいえショップカスタムで、HRCはこのマシンの市販に関する詳細を公表していない。ただしイタリアのFRASCOLI DESIGNからは、更に別のレプリカモデルが「Honda HRC CRF 450 Rally 2025」として現在掲載されている。こちらはCRF450RX Rally RS2とは別の仕様ながら、HRCのオフィシャルステッカーも装着されており、もうひとつのレプリカモデルといえるだろう。FRASCOLI DESIGNのロドルフォ・フラスコリ氏は、スズキの新型KATANA、トライアンフ・スピードトリプルやタイガーシリーズなど多くの市販化モデルのデザインを手掛けている。
さらに注目したいのは、1月に開催されたダカールラリー2025においてこのマシンは既にHONDA HRCからデュモンティエ選手が出走させており、単なるコンセプトではなくHRCのオフィシャルレプリカとして登場を控えている可能性が高い。こちらも続報に期待したいモデルだ。
既にこのマシンはダカールラリーにも参戦、ブラッシュアップを続けているという。
ダカールラリーにおいては、ファクトリーチーム「Monster Energy Honda HRC」のライダーたちは優れたパフォーマンスを発揮、総合順位では、トシャ・シャレイナ選手が2位をマークし、CRF450RX Rallyの戦闘力を示した。今回紹介した市販モデルが登場すれば、多くのアドベンチャーライダーにとって魅力的な選択肢となるだろう。
HRCがダカールラリー2025に投入したCRF450RALLY
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