カワサキUSが1月25日に公開したティザームービーに、2サイクルエンジン採用の新モデルが示唆され話題を呼んでいる。以前のコンセプトモデルも踏まえると、スーパーチャージャーを搭載したマッハの登場もあり得るのだろうか!?

WE HEARD YOU(あなたの声が聞こえた)2ストファンに応える新モデルか

カワサキが公開したムービーは、僅か20秒間の短いもの。SNSを思わせるカットで、多くのユーザーが「2サイクルが帰ってこないかな!?」「2ストロークは永遠に不滅だ」とコメントするファンたちの声が次々と映し出されたと思いきや、高らかな2サイクルエンジンのエキゾーストノートとともに「WE HEARD YOU(あなたの声が聞こえた)」というメッセージが表示される。

現段階ではそれのみの情報だが、これはまさしくカワサキが2ストファンの声に応えた新モデルを投入する宣言だ。今回登場するモデルは不明ながら、コメントには「125の歌声を聴かせて」「KX125復活して」という声も表示されている。2サイクルエンジンのコンペティションモデル「KX125/250」は既に北米でも販売を終了しているが(4ストモデルは現役)、その復活を示唆しているのだろうか?

実際にカワサキが2スト「KX」を開発しているというウワサは数年前からあり、オフロードの世界ではKTMが実用化しているFIの2ストロークエンジンを搭載する可能性はあるだろう。ヤマハの2ストコンペモデルの「YZ」は未だキャブレターを使っており、特にエンデューロモデルにおいては欧州勢と差がつく一方だっだのだ。

2ストはオンロードにも帰ってくる!? カワサキの特許と新マッハへの期待

カワサキは今回以前にも2サイクルエンジンの開発について、興味深い情報を見せている。昨年7月に申請された同社の特許の中に、「2ストロークエンジン」という名の新技術があったのだ。

2サイクルエンジンの構造は簡単に言えば、圧力のかかった混合気をシリンダーへ導入し、その力とピストンの圧縮によって爆発した工程でそのまま燃焼ガスを排気する。4サイクルエンジンの行程が半分になっていることがその名の由来だ。しかし排ガスに含まれる有害物質の除去が難しく、また燃費効率も4ストロークより悪い。このため2輪車に向けた1998年の排ガス規制施行以来その数は激減し、現在は公道を走行できる新車の2ストローク車はほぼ存在していない。

カワサキが発表している特許では、この2ストロークの基本的なシステムはそのまま、「過給機」によって吸気に圧力を加えているのが特徴。このためクランクケースで一時圧縮する必要がなく、4ストロークエンジンのようにシリンダーヘッドには排気バルブやカムが設置されているのでチャンバーも必要もない。燃料は直噴で供給されオイルの燃焼は4ストエンジン並みに抑えられるのだ。

この新2サイクルエンジンがどんなバイクに搭載されるのか!? ここで注目したいのが2015年に発表されたコンセプトイラスト「SC-02」だ。エグリタンクや3気筒エンジンから、現代のマッハIIIと目されていたこのコンセプトは、吸気部に目立つスーパーチャージャーを採用し、「ソウルチャージャー」と名付けられていた。奇しくもスーパーチャージャーを必須とする、新2サイクルエンジンがピッタリと収まるコンセプトなのだ。

かつて2ストローク3気筒エンジンでライバル機を圧倒する加速力を見せたマッハIIIが、新技術によって復活するといえるのだろうか!? 今回の2サイクルエンジン復活と共に、新エンジンとその搭載機についての情報にも期待していきたいところだ。

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コメント一覧
  1. あま より:

    いや、復活も何も、カワサキにはいま現時点でも2サイクルの競技用オフロードバイクとしてKX112とKX85とKX65があるんだが。

  2. 匿名 より:

    ユニフローエンジンだったら胸熱

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