2024年に発売から50年を迎えたホンダ・CB400four。美しいスタイリングや洗練された新機構で人気を集め、半世紀を経た今なおファンは尽きない伝説的モデルだ。

そんなCB400four伝説の始まりともいうべき、車台番号「001」が刻印された車両が、建て替えを控えるホンダ青山本社ビルに展示されていた。これは来るべき新CB400登場への静かな布石なのだろうか?

「おお400。お前は風だ」1974年発売の408cc直四機

ミドルクラスで初めて直列4気筒エンジンを搭載した「CB350four」が登場したのは1972年のこと。世界で初めて直4エンジンを採用したCB750fourの大人気っぷりを受けて開発されたものの、当時は2気筒モデルよりも大人しいエンジン特性が災いして不振だった。そこでこのエンジンをベースに排気量を408ccへ拡大し、さらにレーシーなスタイリングで斬新なスポーツネイキッドとしたのが、1974年に登場した「CB400four」だ。

現代の視点から見てもシンプルなデザインにも見えるCB400fourだが、当時も流行のメインストリームはメッキパーツを多様した重厚なロードスター。しかしCB400fourは直線基調のシルエットや単色の燃料タンクに、バックステップとフラットハンドルを装備した、現代でいうカフェレーサー的なスポーティーなシルエットが特徴だった。

さらにメカニズム面でも、空冷4サイクルOHC4気筒エンジンは排気量の拡大によって最高出力37ps/8500rpm、最大トルクは3.2kg-m/7500rpmを発揮し、同排気量帯では随一のハイパワーに。6速ミッションによって巡航性能も高く、またホンダで初めて4on1の集合マフラーを装備しており、車体右側にまとめられた美しいエキゾーストパイプのデザインも、無二の個性として知られている。カタログの「おお400。お前は風だ」のキャッチコピーも人気となり、「ヨンフォア」として愛されるモデルとなったのだ。

「中型免許」登場で短命に終わったプレミアモデル。その第1号機が青山ウエルカムプラザに登場

ところが折悪しく、発売翌年の1975年に運転免許制度が改正され、それまで排気量無制限だった二輪運転免許に、新たに「中型限定」二輪免許が誕生してしまった。この時から400cc以上のモデルの運転には「大型二輪免許」が必要となり、たった8cc分とはいえ、大型区分となってしまったCB400fourは、急遽398ccに排気量を減らしたモデルを開発して対処。しかしコストアップもかさみ、登場から3年が経った1977年を最後に生産を終了した。

そんな悲運の名機といえるCB400four、その第1号機がホンダ本社・青山ウエルカムプラザに2025年1月から展示されている。この車両はモビリティリゾートもてぎ「ホンダコレクションホール」収蔵のマシンで、なんとフレームに刻印された車台番号は「CB400F-100001」という、記念すべき生産第1号モデルなのだ。

その外装はとても50年前に製造されたとは思えない、新車そのものの輝きに驚きだ。さらにシートや各種ゴムパーツ、ケーブル類にも、経てきた半世紀を感じさせない瑞々しさが残る。収蔵品のすべてが走行可能な動態であることで知られるホンダコレクションホールのマシンらしく、美しいミントコンディションは必見の価値ありといえるだろう。

なぜ今ヨンフォアが展示? それは復活への布石か

CB400Fourの第1号機を目にできる貴重なチャンスは、ファンにとっては純粋に嬉しいものだが、果たして「なぜ今、ヨンフォアなのか?」という疑問が残る。2024年は発売50周年というアニバーサリーイヤーであり、展示される理由として理解できるが、展示は今年のはじめからで、少し中途半端なタイミングではないだろうか。

そこで思い出したいのは、ホンダがCB400fourの新型機を開発中、という可能性があることだ。既にWebikeプラスでも報じているこの情報によれば、ホンダは2024年秋に重慶モーターサイクルショー会場で、正式に「ミドルクラス4気筒モデル」の発売予定を発表。400cc直4モデルの人気が沸騰している中国において、カワサキZX-4Rのライバルとしてスポーツモデルを投入しようというのだ。

中国ではフルカウルモデルとして登場しそうな新型ミドル直4モデル。しかし日本では更に、「CBR400R FOUR」そして「CB」という名の商標が出願されており、フルカウルのCBRと共に、ネイキッドの新「CB400FOUR」が登場する目算が大。そしてその発表は2025年中と予想されているのだ。

今年はCB400fourが生まれ変わり、新たなシリーズとしてリブートする記念すべき年となるのだろうか?これからもホンダの動向には目が離せないだろう。

CB400four(1974)主要諸元

・全長×全幅×全高:2050×705×1040mm
・ホイールベース:1355mm
・シート高:-mm
・車重:183kg
・エンジン:空冷4ストローク並列4気筒SOHC 408cc
・最高出力:37PS/8500rpm
・最大トルク:3.2kgf-m/7500rpm
・燃料タンク容量:14.0L
・変速機:6速リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=3.00S18-4PR、R=3.50S18-4PR
・価格:32万7000円(当時)

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    ヨンフォアが販売されてた頃に高校生でした。ハッキリ言って仲間内では全く人気なし。当時は400以下の4ストなんてゴミ、まぁ殆どホンダ車ですけどね。
    サンパチやカワサキトリプル、ヤマハRX、RDあたりのほうがずっと魅力的でした。
    このバイクに限らず旧いバイクを名車扱いして持ち上げるのはいいかげんにしてほしいと感じてます。

  2. mzしょぅご より:

    400ccクラスの4気筒エンジン搭載のバイクを造るのは賛成です。
    ただ、今のホンダはホンダにあらず、現GB350でも予算の制約が厳しかったと聞く、確かにお金は掛かってない造りだ、何も新しく見る物はない、良いモノを造るのに予算は必要、ユーザーを満足させるるのでは無く自分達の都合で予算を決めている。そもそも日本国内で作らないで輸入してる時点でもうダメだ。

  3. 名無し より:

    高けりゃ高いで文句言うだろ!
    俺も商品開発の仕事してるけど、限られた予算内で如何に良い物を作るようにやってんだよ!
    文句があるなら国内産のハイグレードの高いやつ買えや!

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