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カワサキのスーパーチャージドエンジンを搭載した水素バギーがダカールラリーのスタートを切ったところだが、このエンジンがそろそろ空を飛びそうだ。
PREPARE FOR TAKE-OFF(離陸へ備えよ)
2024年7月20日、カワサキが鈴鹿8耐会場で水素エンジン研究車をデモ走行させたことは記憶に新しい。実はその直後の7月22日には、英国のファーンボロー国際航空ショーでも同車を公開しており、このエンジンをベースにした並列6気筒仕様も展示された。
ブースパネルには「PREPARE FOR TAKE-OFF(離陸へ備えよ)」のロゴを配置し、滑走路を疾走するH2Rの写真で演出。映画「トップガン」のロゴを模したこのキャッチコピーは、2022年のミラノショーで劇中登場車を展示した際のものだが、実際の離陸が控えてるのだ。
カワサキは2023年にフランスのスタートアップ、VoltAero社に出資し、航空エンジン事業へ進出している。5~12人乗りの機体にH2Rベースの過給エンジンが使用される予定だ。モーターも併用するハイブリッドで上級グレードではエンジンだけで約1000PSを発揮するという。
現在はH2 SXのスーパーチャージド並列4気筒を搭載し、エンジン204PS+モーター225PSで認証テスト中だ。1000PS仕様は並列6気筒での出力と思われるが、2030年までにガソリン×ターボ仕様、2035年までに水素燃料×ターボ仕様で認証取得する計画だという。今から離陸が楽しみだ。
7月に開催された英国ファーンボロー国際航空ショーでの展示。右は鈴鹿8耐でデモ走行した研究車、中央に置かれた並列6気筒エンジンは航空ショー向け。カワサキの6気筒が復活!
認証テストが開始された航空機のパワートレイン。右側にH2 SXの並列4気筒スーパーチャージドエンジンが確認できる。5人乗りの「Cassio330」には4気筒が使われるようだ。
Cassio480 [VOLTAERO] モーターとカワサキのエンジンを併用する小型航空機。中間グレードの480は6人乗りで最高巡航速度は370km/h、最大航続距離は1200kmを想定する。
「カワる、サキへ」向かう未来志向の製品が目白押しだが
水素エンジン研究車やHySE-X1は2024年から走行を開始しており、2030年に水素エンジン車の発売を目指すカワサキ。他にも世界初のストロングハイブリッドバイク「ニンジャ7/Z7ハイブリッド」が2月15日に発売される。そして、EVの「ニンジャ/Z e-1」は発売中だ。
最近のカワサキは未来志向が強く企業イメージを高めている状況だが、ベテランのファンは漢カワサキ的なビッグバイクを期待しているだろう。一方、2022年のミラノショーで「PREPARE FOR TAKE-OFF」のロゴとともに展示されたGPZ900Rは、現時点で現代版の情報はない。
また、H2Rを拡大した並列6気筒エンジンは航空機用でZ1300の現代版も可能性は低そうだ。現在のカワサキはより多くのニーズに応えるために既存シリーズの補強に力を入れており、直近ではW230とメグロS1がデビューし、2026年は新型KLE500と思われるモデルが控えている。
その中で期待したいのは次の900ccモデルだ。2025年には国内で発売を控えている新型Z900は、新たに電スロを備えた最新948cc並列4気筒ユニットを搭載。コスト分散のために他のモデルにも展開されるはずで、ニューモデルによる大型補強が実施される可能性もあるだろう。果たして!?
ミラノショーで展示された新型「KLE」。箱の中身はよく見えないが並列2気筒エンジンが部分的に確認できた。形状から海外エリミネーター500の451ccユニットのようだ。
新型エリミネーター900 [予想CG] 新しいエンジンを既存シリーズの補強に使うなら40年ぶりのエリミ900復活が有力か。もしかしたら新型Ninja1100SXのエンジンという線も!?
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