
CB=ネイキッドというのが現在の位置づけになるが、かつてはホンダのスーパースポーツを表すネーミングだった。2003年に改めてこれを証明するために製作されたCB1300があった。その名もタイプRで後に100台が限定発売されたのだ。
これぞ本来のCBの姿、タイプRが鈴鹿8耐に参戦
ホンダCBの元祖は1959年のベンリイCB92スーパースポーツで、ネーミングのCはMotocycle、Bは「for CLUB MAN RACER」から引用したと言われる。生まれはレーサーレプリカであり、1984年にCBR400Fが誕生するまでトップモデルはその役割を担っていた。
1990年代のネイキッドブームでこの流れが一変。CBRなどのレーサーレプリカブームが終焉しパイプ&アップハンドルのCBスーパーフォアに人気が集中したことで、CB=ネイキッドが浸透したのだ。タイプRはこれに抗いCB=スーパースポーツに回帰したマシンと言える。
CB1300スーパーフォアType-Rが鈴鹿8耐に参戦した2003年はすでに1000ccスーパースポーツが活躍し始めており、巨体のビッグネイキッドが8耐に挑戦するのは無謀という状況。それでも30位完走&クラス優勝を達成し、CB=スーパースポーツの栄光を再現したのだ。
この流れで2004年に発売されたCB1300スーパーフォアドリームスペシャルは、タイプRルックのハーフカウルとセパレートハンドルを装着。CBの栄光を知る世代を刺激する装備で注目を浴びた。さらに、スーパーボルドールの呼び水になった幻の限定車となる。
CB1300スーパーフォアドリームスペシャル [HONDA] 100台が限定発売されたタイプRレプリカ。専用カウル&ミラーにモリワキ製マフラーを装着し、税抜142万8000円で発売された。
アルミ削り出しセパレートハンドルをトップブリッジの下にマウントすることでレーシーに生まれ変わった。レーサーレプリカ時代以前の峠スタイルを現代に蘇らせたカスタムだ。
当時全盛だったHIDヘッドライトはPIAA製を採用。レーサー版のカウルは風洞実験を経て製作されており、市販版はその形状を受け継いでいる。ミラーは専用品と思われる。
CB1300タイプRのモチーフになったのが1981年のCB1100R。CB900Fをベースにしたレースホモゲーション仕様でCB初の「R」モデルとなった。低いセパハンがレーシーだ。
ホンダは2007年の東京モーターショーでCB1100Rコンセプトを出品。ドリームスペシャルの進化版といえるコンセプトだったが発売には至らなかった。こちらも低いセパハン仕様だ。
CB1300シリーズは2025年にファイナル仕様に!?
2003年に登場したSC54=3代目CB1300スーパーフォアは、2022年に30周年記念車をリリース。そして、2025年にはファイナルエディションが登場するとの情報だ。2026年に施行される排ガス規制の影響で、これに対応せず生産終了すると思われる。
CB1300ファイナルエディションは、初代CB1000にちなんだカラーが予想されており、オーリンズ装着のSPが赤×白、STDが黒×グレーになるだろう。2025年5月頃に受注が開始される模様で限定モデルになるかは不明。なお、スーパーボルドールも同じ展開が予想される。
ファイナルエディションのSPに用意される可能性の高い「ホワイト/レッド」は、初代CB1000SFのグラフィックを踏襲している。
「ブラック/グレーメタリック」も初代CB1000SFにラインナップされていたカラー。こちらはスタンダードに用意される可能性が高い。
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