2000年前後は日本メーカーのクルーザーがアメリカ市場で活発化していた時代で、ホンダのVTXやヤマハのXVなどが本家ハーレーを超える排気量のVツインを投入していた。中でもこのテクノクルーザーは未発売ながら記憶に残るインパクトを放ったコンセプトモデルだ。

Vツインで独自性を模索したコンセプト

1999年に発売されたヤマハのXV1600ロードスターは、当時1450ccに拡大したハーレーのツインカム88を超える1600ccのVツインエンジンを搭載して注目を浴びた。これを皮切りに日本メーカー製Vツインクルーザーの大排気量化が進み、ホンダは1800ccのVTX1800を2002年モデルとして発売した。

XVの呼び水になったのは1996年に発売されたワルキューレで、ホンダはGL1500の水平対向6気筒エンジンを搭載したクルーザーを開発。さらに、2004年には1832ccに排気量を拡大したSC47型ゴールドウイングのエンジンを搭載したワルキューレルーンを投入したのだ。

ホンダはハーレーに対抗するために独自性を追求し、ワルキューレルーンはワンオフのカスタム車をそのまま市販したかのようなスタイルを実現。そして、これをVツインクルーザーに当てはめたのがVTX1800をベースにしたVTXテクノクルーザーで、2004年秋に公開された。

テクノクルーザーはルーンとは対照的な直線基調のスタイルで未来感をアピール。レトロで支持されていたハーレーにはない魅力をVツインモデルで打ち出すための「テクノ」だったが未発売に終わった。これはハーレーVツインの牙城はそれだけ強固だったという証でもあるだろう。

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