12月1日に開催された「YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2024」。アメリカンなカスタムアイテムで知られるMOON EYES JAPANが主催する、世界的なホットロッドカスタムの祭典だ。今回はこの会場に登場した、ロイヤルエンフィールドとiconのコラボマシン「AlwaysSomething(いつも何かを…)」を紹介したい。

武骨な時代の空気をまとう耐久スタイルで登場した「オールウェイズ・サムシング」

今年ロイヤルエンフィールドから発売された「SHOTGUN650(ショットガン650)」は、同社の「コンチネンタルGT」や「スーパーメテオ」と同じ、648cc空冷OHC並列2気筒エンジンを搭載する新モデルだ。ボバーライクのテイスティなデザインで、ツーリングユースからストリートまで活躍の場は選ばない。そんなショットガン650をベースに、アメリカのカスタム&アイテムブランド「icon(アイコン)」が仕上げたカスタムが「AlwaysSomething(オールウェイズ・サムシング)」(いつも何かを…)と名付けられたマシンだ。

iconは「ICON ONE THOUSAND(アイコン・ワンサウザンド)」として、アメリカのストリートシーンを象徴するスポーティー&ワイルドなカスタムマシンを発表しているが、ロイヤルエンフィールドとのコラボレーションは初めてのこと。ロイヤルエンフィールドが持つ、クラシックで鷹揚なイメージは、あえて言えばスポーツイメージとはかけ離れている。ところが、このオールウェイズ・サムシングはそんな印象を覆えす印象的なスタイルに仕上げられているのだ。

見ての通り、外観のモチーフは1980年代の耐久レーサー。メインフレームはロングに加工されホイールベースを伸ばしているが、ウィング付きのアッパーカウルがボリューミーで、ボバースタイルだったベースモデルよりもコンパクトに見えるのが不思議だ。ヘッドライトは耐久レーサーらしく、デュアルタイプにカバーを備えた仕様で、さらにフェアリングにはウィングが装着されている。新造されたタンクには8耐などでもおなじみ、クイックチャージャー用の燃料口が装着された。

エンジン諸元は明らかでないが、機能部品も大きく変更されている。スタンダードでは2本出しのストレート形状のエキゾーストは、カウルに内蔵されるセンターアップに。さらにリアサスペンションはツインショックの基本形はそのままナイトロン製に見直され、異様な存在感を放つパーツとなった。また、前後ホイールも小径化されており、旋回性能も引き上げられている。

ショットガン650はクルーザーベースのビッグネイキッド

ベースとなっているショットガン650についても解説しておこう。こちらは2024年に発売されたばかりのビッグネイキッドで、エンジンは同排気量のモデルたちと同じ。648ccの並列2気筒エンジンは最高出力47PS/7250rpm、最大トルク52.3Nm/5650rpmで、けしてハイパワーではないが、270°位相クランクがトルクフルな走行フィールを楽しめるキャラクターだ。2本出しの古めかしいキャブトンタイプのマフラーやシンプルなシングルシートはボバーライクでもあるが、オプションパーツでロングシートやキャリアを装着し、タンデムやツーリングに供することも問題ない。

フレームはクルーザーの「スーパーメテオ」と基本設計を共有しているが、ミッドコントロールのポジションや小型の燃料タンクでイメージを一新。タダのボバースタイルではない、マルチパーパスなスポーツネイキッドとしての性格も備えている。ただし、クラシカルなルックスを裏切らず、電子制御やクルーズコントロールといった機能は搭載せず。シンプルなカスタムベースとしても期待できるモデルだ。

SHOTGUN650(2024)主要諸元

・全長×全幅×全高:2,170×820×1,105mm
・シート高:795mm
・車重:240kg
・エンジン:空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 648cc
・最高出力:34.6kW(47PS)/7,250rpm
・最大トルク:52.3Nm/5,650rpm
・燃料タンク容量:13.8L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=シングルディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=100/90-18 56H、R=150/70 R17 69H
・価格:97万4,600円/99万5,500円/101万5,300円

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