
EICMA2024で正式に発表された新型CB1000ホーネットSPだが、早くも国内仕様に関する最新情報が入ってきた。国内向けとしては初めて導入されるCB1000ホーネットともに2025年1月23日に発売されるだろう。ストリートファイターのトップレンジであり、大きな期待がかかる。
目次
専用チューンのエンジンを持ち、SPは+6PSを発揮する
国内仕様のCB1000ホーネットは基本的には欧州仕様と同じと考えて良く、今回キャッチした情報によると、欧州仕様に設定された「SP」グレードもラインナップされるようだ。
専用装備を多数備えたアッパグレードの「SP」も、国内に投入されるようだ。
スタンダードモデルでもその性能は十二分。過激でスポーティな走りが期待できる。
海外仕様は3カラー展開だが、国内仕様のスタンダードは「パールグレアホワイト」一色のみとなる模様。
SPは海外仕様と同様に「マットバリスティックブラックメタリック」一色の展開となるようだ
エンジンは2017年モデルのCBR1000RRをベースとする水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒の999ccで、軽量なダイキャスト製ピストンや、中低速の力強いトルクと高回転までスムーズに吹け上がるという特性を実現するために新規に設計されたエアクリーナーボックスを採用。スロットルバイワイヤシステムの採用によって中低速でのトルクとドライバビリティを向上させ、さらにスロットルレスポンスを向上させるためにレーシングマシンからフィードバックされたスラッシュカット形状のファンネルを採用している。スタンダードのエンジンスペックは最高出力112kW(152PS)/11000rpm、最大トルク104N・m(10.6kgm)/9000rpmにチューニング。SPはマフラー内部に可変バルブシステムを備えており、最高出力は116kW(158PS)/11000rpmへ、最大トルクも107N・m(10.9kgm)/9000rpmへとさらにアップされる。
ストリートファイターらしいマッシブなデザインを採用。スチール製のフレームにCBR1000RR系のパワーユニットを搭載する。
シュラウドを持ちボリューミーなタンクから、リアに向かって収束していくようなデザインがスピード感を感じさせる。
低く構えたヘッドライトが印象的なフロントビュー。リアビューはタンクの存在感を感じさせる。
パワーユニットは2017年式のCBR1000RRをベースに、専用のピストンやエアクリーナーボックスなどを組み合わせる。
最高出力は112kW(152PS)/11000rpmだが、エキゾーストに専用のバルブを備えるSPは116kW(158PS)/11000rpmにアップされる。
クラッチにはレバー操作を軽減し、エンジンブレーキをかけた際のホッピングを軽減してくれるアシスト&スリッパークラッチが採用され、SPにはクラッチを使わずにシフトアップ・ダウン可能なクイックシフターが標準装備されている。ライディングモードは「パワーセレクター」、「HSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)/ウイリー制御」、「セレクタブル・エンジンブレーキ」の組み合わせで構成されており、デフォルトの「STANDARD」、「SPORT 」、「RAIN」に加えて各パラメーターを任意に組み合わせることができる「USER」が2パターン登録できるようになっている。
スポーティな車体周りを持ち、SPにはブレンボ+オーリンズが与えられる
フレームは高い剛性としなやかさを両立させたスチール製のツインスパータイプで、シートレールの構造や別体タイプのエンジンハンガープレートを採用するなどして剛性を最適化している。エンジンをラバーマウントすることで快適性も確保し、コンパクトにデザインすることでホーネットらしいスタイリングと足つき性を両立させている。
サスペンションはフロントに41mm径のショーワ製SFF-BP(セパレート・ファンクション・フロントフォーク・ビッグピストン)倒立フォークを採用。SFFは右側のフォークに減衰機構とスプリングを装備し、左側をスプリングのみとすることで摺動抵抗の軽減と軽量化に寄与する。また、イニシャル、伸び・縮みの減衰調整が可能なフルアジャスタブルタイプで、スタンダードにはシルバー、SPにはゴールドのアウターチューブが採用されている。
フロントフォークはショーワ製SFF-BP。スタンダードのブレーキは310mm径のディスクローターとニッシン製4ポットキャリパーを組み合わせる。
リアサスペンションはホンダが誇るプロリンクで、リアショックはスタンダードにはショーワ製の分離加圧式シングルチューブタイプショック、SPにはオーリンズ製のTTX36が採用されている。スイングアームは高剛性のアルミ製で、右側をガルアームにすることでエキゾーストパイプを逃してバンク角を確保している。
スイングアームはアルミ製で、スタンダードのリアショックはショーワ製の分離加圧式シングルチューブタイプとなる。
SPのリアショックはオーリンズ製のTTX36。パーツとして購入すると、これだけでも20万円程度の価格となる。
ブレーキはスタンダードのフロントにニッシン製ラジアルマウント4ポット、SPのフロントにブレンボ製のSTYLEMA4ポットが奢られる。リアはスタンダード、SPともにニッシン製シングルポットキャリパー+240mm系ディスクローターと組み合わされる。
SPのフロントブレーキには、310mm径のディスクローターとブレンボ製のSTYLEMA4ポットが組み合わされる。
パワーアップに加えて、足回りもグレードアップされたSPは、ホーネットのポテンシャルを最大限まで引き出す。
安全性も高められた充実の装備
コンパクトなヘッドライトに組み込まれたヘッドライトは4灯式のプロジェクタータイプで、LEDタイプのDRL備える。テールライトはライン形状発光とすることで美しいデザインを実現し、ストップランプの発光部を分離することで点灯時の視認性を高めている。また、急性動にウインカーを高速点滅させるエマージェンシーストップシグナルも備えており、周囲の車両へのコミニュケーションをアップすることで安全性を高めている。
ヘッドライトは4灯式のプロジェクターで、ストリートファイターらしいコンパクトなカウルにビルトインされる。
メーターは5インチのフルカラーTFTディスプレイを使用しており、「バー」、「サークル」、「シンプル」の3タイプのディスプレイが選択でき、さらに背景色はホワイトとブラックがチョイスできるようになっている。基本的にはヨーロッパ仕様と同じデザインだが、国内仕様ではETCのアイコンが追加されるようだ。また、Honda RoadSyncテクノロジーによって、スマートフォンとブルートゥース接続させることで、メーターにナビゲーションや天気、電話やメールの着信、音楽の再生などをコントロールすることが可能だ。
ハンドルはパイプタイプで、幅は狭めの印象を受ける。左スイッチボックスには、メーター操作用のマルチファンクションスイッチが備わる。
メーターは5インチのフルカラーTFTスクリーンを採用。ディスプレイを変更でき、スマートフォンとの連携機能などを備える。
大きく張り出したシュラウドが印象的なタンク周り。フューエルタンクの容量は17Lと長距離ランでも安心だ。
シングルシート風デザインで、レーシーな印象を受けるシート周り。タンデムは極短距離と割り切った作りのようだ。
年明け1月23日には発売されそうだ
魅力的な装備満載のCB1000ホーネットだが、やはり注目すべきはアッパーグレードのSPだろう。エンジンパワーの向上やブレンボ製のブレーキキャリパー、オーリンズ製のリアショックに加えてクイックシフターも装備されているのでそのままサーキット走行にも対応できそうな勢いだ。
気になるのは国内モデルの販売時期と価格だが、1月23日頃にスタンダードとSPが同時に発売され、価格はスタンダードが税込み134万2000円(税抜き122万円)、SPが税込み158万4000円(税抜き144万円)あたりになるのではないだろうか。スタンダードとSPの価格差が25万円程度だとすると、SPはかなりのバーゲンプライスとなるので期待したい。
やはり装備が充実したSPは魅力的だ。気になるのは、スタンダードとどの程度の価格差になるかだろう。
CB1000ホーネット/SP(2025)
・全長×全幅×全高:2140×790×1085mm
・ホイールベース:1455mm
・シート高:809mm
・車両重量:211[212kg]
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒999cc
・最高出力:112kW(152PS)/11000rpm[116kW(158PS)/11000rpm]
・最大トルク:104N・m(10.6kgm)/9000rpm[107N・m(10.9kgm)/9000rpm]
・燃料タンク容量:17L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-17、R=180/55-17
・予想価格:134万2000円(税込)[158万4000円(税込)]
※[]内はSP
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