スクーターのラインナップで知られる台湾・SYMは、プレミアムスポーツツアラーである新型「TTLBT」プロトタイプをミラノショー2024で発表した。TTLBTは長距離移動でも日常ユースでも、スクーターならではの快適性とパフォーマンスを提供する。日本導入は未定ながら、スクーター市場が好調の海外ではホンダのX -ADVやヤマハのTMAX560などの強力なライバルとなることは必至だ。現地販売価格は未発表。

TTLBT SYMトップグレードにふさわしい佇まい サイドケースも装備で収納容量は65リットル

2輪車市場トップ10にランキングされる台湾発の60年以上の歴史あるスクーターメーカーであるSANYANG MOTOR(SYM)は現在もリーディングブランドとして市場を牽引し、また国際市場へも積極的に展開している。そのSYMからトップグレードに躍り出るプレミアムスポーツツアラーが今回発表されたTTLBTである。

ビッグスクーターらしい堂々としたスタイリングが魅力のバイクで、エンジンは508ccを搭載する。直立したドライビングポジション、広々としたコックピット、780mm のシート高、3ポジションに調整可能なランバーサポートは、より快適な旅を実現する。
豊富な収納容量はシート下に37L、取り付けが簡単な14.4Lと13.6Lのサイドバッグを標準装備し、なんと、65リットルの総容量を誇る。追加のトップボックスの取り付けも可能である。

 

 

充実したエレクトロニクスで快適なライディングを実現

プレミアムなスクーターとしてあらゆる先進的なエレクトロニクスを搭載している。照明はもちろん最近のスクーターには当たり前の、夜間走行をより安全にするLEDヘッドライト。可変傾斜電動フロントガラスは、並外れた快適性と疲労の軽減を提供する。

ディスプレイは7インチTFT LCDタッチスクリーンにApple CarPlayおよび Bluetoothワイヤレス接続が統合されており、ナビゲーションとオーディオシステムにより、ドライバーはどの目的地でも簡単に快適に移動できる。なお、ディスプレイには3つの表示モード、昼夜モード、多言語設定メニューを備えている。ツーリングを豊かにするSiri音声アシスタント、ナビゲーション、音楽再生もしっかり機能する。

レイアウトを改良し実用性を高めたフロントコンパートメントにはUSB Type-Cポートがあり、スマートフォンの充電が可能。
ヒーター付きグリップは4段階の温度調整が可能で、天候や場所に関係なく、ツーリングの快適性が向上。
ライド・バイ・ワイヤー技術にはクルーズコントロールが含まれており、50km/h以上で利用可能で、あらゆる旅行をより効率的で簡単でリラックスしたものにする。
充実した機能を備えた先進のスマートキーシステムにより近接検知、自動ステアリングロック解除、リモートシートオープンも可能で利便性を高めている。

 

 

エンジン シリーズトップのMAXSYM TL 508と同型を採用か

エンジンに関する正式な発表はないが、おそらくシリーズ最高のMAXSYM 508のエンジンが搭載されると見られ、逆バランスシリンダーと多板式自動湿式クラッチを備えた直列2気筒エンジンは、高速時のエンジン振動を効果的に低減し、始動時から後輪に振動のない動力を供給。
気筒あたり4バルブののDOHC、508ccの排気量のエンジンで最大出力は33.5kW(44.9HP)@6750 rpm。動力性能は、同容量の競合製品の中で最高レベル。

 

モーターサイクルスタビリティコントロールも装備で安全で最先端の走りを提供

TTLBTにはVitesco EMS システムが搭載されており、「ノーマル with TCS」(TCS による最大出力)、「ノーマル」(TCS なしの最大出力)、および「レイン」(TCS による低減出力) モードを提供し、エンジンの全出力を解放したり、道路状況に応じて選択が可能となっている。
モーターサイクルスタビリティコントロール(MSC)は、直線だけでなくカーブでもABSとTCSを提供し、TTLBTをより先進的で安全なスポーツツアラーとする。ボッシュの6軸慣性測定ユニットがコーナリング時の車両の動きを検出するため、9.3MP油圧ユニットがバイクを傾ける際の特定の制動力を調整する。そのためMSCは、より急なリーンアングルを使用する場合に後輪のスリップを防ぐためにエンジン出力を調整することができる。

先日、ホンダのSH350iなども紹介させて頂いたが、ヨーロッパではミドル〜ビッグスクーター市場も活況を呈している。その中でTTLBTも、マキシスクーターの領域で日本勢のホンダのX -ADVやヤマハのTMAX560などの強力なライバルとなり、市場をリードしていくことだろう。現在SYMから日本に正式に導入されているのは一部モデルのみになっているが、こうした魅力的なモデルも日本にも導入されることを期待していきたい。

【海外】SYM製のTTLBTは快適・快速のマキシスクーター!サイドケースも搭載のプレミアムスポーツツアラーに仕上がったの画像ギャラリー (5枚)

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