
台湾のKYMCOはミラノショー2024会場に、新型のスポーツEVコンセプト「RevoNEX(レボネックス)」を展示した。同社が2019年から継続して開発しているEVモデルの最新バージョンだが、「LiveWire」社のパワーユニットを採用することで、2026年の発売を目指すという。
マニュアルミッションを搭載するスポーツコンセプト
スクーターの充実したラインナップで知られるKYMCOだが、ハイパワーなモーターを搭載したスポーツバイクのコンセプトを2019年から発表している。今回ミラノショー2024にて展示されたのは、この開発中のシリーズ「RevoNEX」の最新バージョンだ。しかし、スタイリングは従来の未来的シルエットではなく、レトロなハーフカウルと丸いヘッドライトを採用する、カフェレーサー型に変貌していた。
現実離れしたマシンに見えるRevoNEXだが、なんと発売は現実的なもの。本機の登場と同時に発表されたのは、KYMCOとアメリカの「LiveWire」の業務提携のニュースだった。LiveWireはハーレーダビッドソンから2022年に独立したEV専門のメーカーで、既にスポーティーなネイキッドEVをラインナップ中。今回の提携によって、KYMCOはLiveWireで採用されているプラットフォーム「S2パワーユニット」を使用することが可能になったという。
マシンのディテールを見ると、オーリンズ製サスペンションや逆スラントしたフェイスマスク、デジタルTFT液晶メーターなどの装備は、ハイスペックなスポーツマシンの文脈通り。また注目はシフトペダル、クラッチレバーを備えていることで、オートマチックの採用が進むEVの中で、あえてマニュアルミッションを採用しているのだ。
クリアパーツで成形されたカウルは従来のカフェレーサーのイメージを覆す面白いスタイルだが、発売時にどのような仕様になるかは不明。またパワー、サイズといった諸元も未発表ではあるが、発売時期については「2026年後半」を狙っていると発表されている。
RevoNEX(2024コンセプト)最新のKYMCO製EVスポーツはカフェレーサー型だった。
ハーフカウルと「波動砲」型逆スラントのヘッドライトが個性的!
モーターは「S2Arrow」プラットフォームで、先行してスクータータイプなども開発されている。
テールライトもシンプルなラウンドタイプで、カフェスタイルに忠実。
メーターはフルカラーTFTメーターを採用、ハンドルはセパレートだ。
チェーンドライブ&マニュアルミッションで、AT化が進むEVの中で個性を放つ。
KYMCO&LiveWireは、同様のS2パワーユニットでスクーターも2モデル新発表。こちらも個性的なスタイルだ。
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クラッチ付きのマニュアルミッションというのは魅力だな。
EVでもギアを変えられるというのは電気消費の低減に有利だからね。
同じスピードならギアを高くすればモーターの回転数を抑えられて、回転数が少なければ電気の消費量が抑えられるから。