ドゥカティが誇るピュアスポーツ=パニガーレシリーズの次兄である「パニガーレV2」がフルチェンジを敢行した。890cc90度Vツインは新作で、パニガーレ史上で最も軽い車重を実現。可変バルタイや両持ちスイングアーム、V4譲りの新デザインなど全身が進化している。兄弟車の「ストリートファイターV2」も同様に変更された。
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ついにエンジンを専用設計、兄貴分イメージのデザインも獲得
ドゥカティは最高峰の「スーパーバイク」シリーズに大排気量モデルと、その小排気量バージョンをラインナップしてきた。現在はV型4気筒1103ccのパニガーレV4、90度V型2気筒(Lツイン)955ccのパニガーレV2を設定している。
従来のパニガーレV2を含め、歴代スーパーバイク系の次兄はトップモデルのLツインエンジンがベースだった。そのためエンジンは大きく重かったが、ついに2025年型では初めて弟分用にエンジンを専用設計。心臓部はもとより、車両トータルで17kgもの軽量化に成功した。合わせてシャーシや外装も全面的に刷新している。
新設計カウルの面構成は複雑でボリュームがある。従来型は右1本出しのショートマフラーだったが、新型は2in1in2でレーシーなテール出しになった。
フルLEDヘッドライトは新型パニガーレV4を彷彿とさせる切れ長の2眼に変更。吊り上がったデイライトはほぼ水平配置になった。

シートカウルはモトGPマシン風のエアロタイプ。シートとテールの一体感が高いデザインだ。
Vツインは9kg軽くコンパクトに。可変バルタイも導入した
完全にゼロから設計されたV型2気筒は同社のツインエンジン史上最軽量で、重量はわずか54.4kg。従来エンジンのスーパークアドロより最大で9kg軽く、スクランブラーに搭載されるVツイン(テスタストレッタエボルツィオーネおよびデスモドゥエ)よりも約5.8kg軽い。
排気量は従来の955ccから890ccにダウン。ボア×ストロークは100× 60.8mmから96×61.5mmとした。吸排気バルブは同社自慢の強制開閉機構=デスモドロミックではなく、新開発したスプリングによるバルブ開閉機構を採用。さらに吸気側に可変バルブタイミングの「IVT」を導入し、トルクフルな低回転域と高回転パワーを両立する。ドゥカティ初の中空チタンバルブもトピックだ。
最高出力は従来型より35PSダウンの120PSとなるが、サーキットでのタイムは新型の方が上回るのだ(詳細は後述)。なお、チタン製サイレンサー&カーボン製エンドキャップのテルミニョーニ製レース管を装着すると6PS&0.5kg-mアップし、4.5kg軽量化できる。
90度水冷Vツインは955→890cc化し、120PSを発生。スプリングによるバルブ開閉機構によりシリンダーヘッドがコンパクトになった。もちろん欧州排ガス規制のユーロ5+に適合。
わずか54.4kgのエンジンは最大トルクの70%を3000rpmで発生。シリンダーはヘッドと一体型で、ヘッドとクランケースを直結する構造だ。
シリンダーライナー周辺にウォータージャケットを配置し、従来のオイルクーラーを廃止。軽量化に貢献している。
車体は両持ちの中空スイングアームがポイント
フレームは従来と同じくエアボックスの機能を兼ねたアルミモノコック構造だが、新エンジンに合わせて再設計。スイングアームは従来の片持ちに対し、両持ちを採用した。パニガーレV4と同様に大きく肉抜きしたタイプだが、専用設計だ。
標準バージョンのサスはフロントがフルアジャスタブルのφ43mmマルゾッキ倒立、リヤにカヤバ製を採用。S仕様はφ43mmオーリンズNIX30フォークとオーリンズリヤショックを与えた。フロントブレーキキャリパーはともにモノブロックのブレンボ M50だ。
鋳造アルミホイールも新作で、独特な6本のYスポ ークが特徴。標準タイヤはピレリのディアブロロッソ4だ。スーパースポーツ世界選手権参戦マシンと同サイズのリヤ190/60のスリックタイヤも装着できる。
スイングアームは両持ちに。パニガーレV4と同様に左右対称の中空タイプで、低圧鋳造で作られたアルミ製。コーナー脱出時の安定感やラインの自由度が向上した。
ブレーキキャリパーはブレンボ製M50。従来のM4.32より140g 軽量でレスポンスも良好だ。
写真左がS、右がSTD。SはFフォークのアウターチューブがゴールドで、STDはブラック。リヤスプリングはSTDも黄色だ。

メーターは5インチに拡大、豊富な電子制御は健在だ
装備面では、新たに5 インチTFTメーターを採用。従来の4.3インチより拡大し、ロード、ロードプロ、トラックの 3 つの表示モードが選べる。
電脳は元々充実しており、6軸IMUを筆頭に8段階調整可能なトラコン、コーナリングABS、ウイリーコントロール、エンジンブレーキコントロール、クイックシフト2.0、ピットリミッターなどを装備。ライディングモードは、レース、スポーツ、ロード、ウェットから選択できる。

メーターは5インチに拡大したほか、警告灯を統合。表示モードによって状況に応じた画面を選択できる。
ライポジも改良、パワーダウンも従来型より0.2秒速い!
ライポジもより人間工学に基づいた設定に見直された。ハンドル、シート、ステップが作るトライアングルはトラックのパフォーマンスを制限することなく、快適さ、多用途性、コントロール性の両立を狙う。
鍛造アルミのハンドルバーはやや上方にセット。オプションでより低めのセミハンドルバーも用意する。ステップのベースは鍛造アルミで、膝の疲労を最小限に抑える位置とした。
これまで紹介してきたモデルチェンジで、従来型よりサーキットのタイムは向上している。ドゥカティのテストライダーであるダビデ・シュティルペがイタリアのバレルンガサーキットで従来型と比較したところ、新型は0.2 秒速いラップタイムを記録。ストレート以外のあらゆる状況で速さを証明した。
ハンドルは従来より高め&手前となり、手首の疲れを緩和する位置に。ステップも極端なバックではなく、膝の曲がりにやや余裕があるようだ。シート高は837mmで、足が地面に届きやすい設計という。
従来比35PSダウンながらラップタイムは0.2秒短縮。ブレーキング、コーナー進入、旋回、立ち上がりで速さを見せた。
カウルレスのストリートファイターV2も進化
パニガーレV2のカウルレス版である「ストリートファイターV2」も同時にモデルチェンジを受けた。変更点はパニガーレV2と同様で、マルゾッキ製Fフォークとカヤバ製リヤショックのSTD、オーリンズ製の前後サスを備えたSが選べる。
車重は18kgのダイエットに成功し、STDは車重178kg、Sバージョンは175 kgを達成(ともに燃料を除いた状態)。
欧州ではパニガーレV2が2025年の早期、ストリートファイターV2は同3月頃に入荷する予定だ。
基本コンポーネントの多くは新型パニガーレV2と共通だが、ヘッドライトやシュラウドなどの外装は専用設計。車重は1kg軽い。
ワルっぽいデイライトは新型でも健在。従来型はV字で1本のラインだったが、新型では分割された。
パニガーレV2/S、ストリートファイターV2/S(2025 欧州仕様)主要諸元
・全長×全幅×全高:未発表
・ホイールベース:1465mm【1493mm】
・シート高:837mm【838mm】
・車重:179/176kg【178/175kg】※燃料を除く
・エンジン:水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 890cc
・最高出力:120PS/10750rpm
・最大トルク:9.5kg-m/8250rpm
・燃料タンク容量:15L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70ZR17 R=190/55ZR17
※【】内はストリートファイターV2/S
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959乗りです。はじめて詳細見た時は正直ちょいとガッカリした部分が多かった。よく見ていくと進化を感じる。軽量化とEGセッティングでピークパワーの35psダウンは補って余りあり誰が乗っても速く、楽しいバイクなんだろうと思う。ただドカSBKという存在は難しい部分があって簡単には乗り手とフレンドリーにはならないところが魅せられる所以でもあると思っている。ドカも売らなきゃならないし時代の趨勢とはいうもののちょいと淋しくも感じる。ただ軽量化とはいうもののデスモでないニューエンジンにはコストダウンの匂いをうっすら感じてしまうのはオレだけかなぁ?