【速報】2025年新型テネレ700は初のビッグチェンジ、デザインを一新し、電スロ＆新サスでオフロードの走りを磨いた！

ヤマハのミドルアドベンチャー、テネレ700の新型が欧州で発表された。並列2気筒エンジンは新型MT-07と同様に電子制御スロットルを獲得し、待望の走行モード＆トラコンを追加。外装やサスも刷新して、オフロードでの戦闘力をさらに向上している。

よりクールでライディングの自由度が増したデザイン

ヤマハが欧州でティザー動画を公開。当webで予想したとおり、11月4日に2025年新型テネレ700が正式発表された。

テネレ700は、MT-07ベースの270度クランク並列2気筒688ccエンジンを専用フレームに搭載するアドベンチャーで2019年にデビュー。同排気量帯で並列2気筒を積むライバルに比べ、205kgと車重が軽く、前21＆後18インチワイヤースポークホイールを履くなどオフロード志向が強い1台だ。

2023年モデルでカラーTFTメーターの採用やABSモードの改良などの小変更を受けてきたが、今回は初のビッグチェンジとなった。変更点は、2025年型MT-07と同様に電子制御スロットルを導入した新エンジンが大きなポイント。サスのほか、外装やメーターも刷新されている。

2025年型Ténéré （テネレ）700（ヤマハ 欧州仕様）。2019年の登場以来、初の大型変更を受け、外装を一新している。欧州仕様は2色設定で、写真はアイコンブルー。1996年型のYZとWRレーサーを皮切りに多様なモデルに採用されている伝統的なカラーだ。

フローズンチタニウムは、テネレのタフなキャラクターを強化するカラーだ。

シュラウドは上下に長く、ニーグリップ部まで伸びる形状に。着座でもステンディングでも走行風をスムーズに流す設計だ。サイドカバーはシャープな形状となり、シート側面にはYZ風のブルーもあしらう。

最適な人間工学とサイズのバランスを考慮して燃料タンクを前方に移動。上部の高さを抑え、より優れた重量配分とスタンディングのしやすさを実現する。タンク容量は16Lを維持。

横長のLED4灯ヘッドライトを新採用。古典的なラリーモデルを意識したタワー状の顔としている。ハンドガードは新作で白×黒のツートン仕上げに。標準タイヤはチューブタイプのピレリ製スコーピオンラリーSTRだ。

ヘッドライトは最新のYZF-R9やR3などを思わせる横長のクールなイメージに。新たに採用された内部のY字型マウントも斬新だ。

従来型は丸4眼LEDヘッドライトを採用。下端部にポジションランプを配置していた。

ニーグリップ部分はスリム化され、よりホールドしやすい形状に。

シートは前後分割式から一体型の新タイプに。ラリーモデルを意識した設計で、ライディングの自由度が増した。

従来型のテネレ700。新型はより軽快なイメージとなった。国内モデルは139万7000円。

エンジンは走行モード×2を搭載、吸気ダクトなどの細部も熟成した

688ccのCP2（クロスプレーン並列2気筒）は、エンジンを共有する新型MT-07と同様に電子制御スロットルを採用した。これによりライディングモードを獲得。「スポーツ」と穏やかな特性の「エクスプローラー」という2モードを選択できるようになった。

トラクションコントロールも未搭載だったが、新型では電スロの採用によりオンオフ可能なトラコンも追加されている。

さらに吸気ダクトをショート化することで低回転トルクを太らせ、一段とオフ走行での戦闘力をアップ。最高出力73.4ps/8750rp、最大トルク6.93kg-m/6500rpmとも変わらない。

また、スムーズなギヤ変更を実現するためのギヤボックス内部を改良。1～3速までのドッグ穴とツメの数を5→6枚に増やしてショックを軽減した。4～6速はドッグの角度を変更し、スロットル開閉時の挙動をスムーズにしている。

270度クランクの688cc並列2気筒は、欧州の最新排ガス規制ユーロ5+に対応しつつ、最高出力と最大トルクをキープしている。

クラッチのリンク位置を前方とし、クラッチカバーの形状を変更することで、スタンディングでも足に干渉しにくくなった。

従来どおりメーター左側のボタンで、前後ABSをオンオフでき、リヤのみオフにすることも可能。新型ではボタン長押しABSとトラコンがキャンセルできる。これらの設定変更はメーター上からも可能だ。

フロントのイニシャル調整が可能に、リヤは全面リファイン

専用の鋼管ダブルクレードルフレームは従来型を継承するが、ハードなオフ走行の耐久性を向上させるため、サイレンサーブラケットに補強を追加。またユーザーからの要望を受け、サイドスタンドスイッチを再設計した。

さらにサスを刷新。従来型では非装備だったフロントフォークのイニシャル調整機能を新たに搭載した。リヤはセッティングとリンク機構を変更。ラリーマシンの技術を還元したプログレッシブリンケージは従来型と同じ 200mmのホイールトラベルを維持しながら、サスストロークが増加した。

また、リヤは元々フルアジャスタブルだったが、リザーバータンク付きに変更。イニシャルアジャスターも別体式となり、より操作しやすくなっている。

なお、ブレーキは従来と同じく前後ブレンボを継続採用する。

車重は従来から3kg増の208kgにアップ。最低地上高240mmやホイールベース1595mmなどのディメンションは変わらない。

φ43mm倒立フォークは、トップにイニシャルアジャスターを追加し、15mmの調整が可能に。従来から伸＆圧側減衰力の調整機能は装備済みだ。

フルアジャスタブルのリヤショックはピギーバック式に変更。リモコンでイニシャル調整が簡単になった。

フットペグは10mm 幅が広いタイプに変更。欧州で設定されているテネレ700ワールドレイドと同じ仕様だ。

メーターは6.3インチに拡大、ナビも表示できる

テネレ700の特徴だったラリーマシン風の縦長5インチカラーTFTメーターは、6.3インチに拡大。新たにアプリを通じてターンバイターンナビなど多数の機能が利用可能になった。現行の国内仕様はスマホ接続機能がないが、欧州仕様では搭載済みだった。

「Explorer」と「Street」、2パターンのデザインテーマを設定できるのは従来どおり。メーター右横のUSB-C充電ソケットも継続採用される。

6.3インチの縦長カラーTFTメーターを採用。表示エリアが拡大され、ターンバイターン式のナビなど様々な表示が可能になった。

スイッチは新タイプに変更。5方向に操作できるジョイスティックを採用したほか、ウインカーの3回点滅機構や自動キャンセル機能も追加された。

日本仕様の価格や登場時期は？

国内のテネレ700はSTD仕様のみだが、欧州では計5種類ものバリエーションを設定している。その一つである「テネレ700ラリー」も新型にアップデートされた。

往年のワークスラリーマシンをモチーフにした専用カラーや大型のスキッドプレートを採用した仕様で、新型STDと同様の変更を実施。さらにアップタイプのFフェンダーやトラベル量をアップした前後サスを採用し、最低地上高もSTDの240mmから255mmに増加している。

また、軽量なチタンフットレストや専用シートを採用。メーターには専用テーマも表示可能だ。

車体色は従来の白×赤ストロボに対し、1980年代のダカール優勝マシン＝XT600テネレをインスパイアしたソリッドブルーの車体色とスピードブロックのグラフィックを採用した。

2025年型テネレ700ラリー（欧州仕様）。往年のXT600テネレをインスパイアした車体色とゴールドカラーのリムが特徴だ。

――新型テネレ700欧州仕様の登場時期や価格は未発表。日本導入に関しても11月4日時点でアナウンスされていない。テネレ700ラリーは、2023年にアクセサリー装着車として国内販売されたが、現在は導入なし。これらの動向を含め、今後の続報を待ちたい。

新型テネレ700（欧州仕様）の走行シーン。

新型テネレ700（欧州仕様）の走行シーン。

新型テネレ700（欧州仕様）の走行シーン。

新型テネレ700（欧州仕様）の走行シーン。

新型テネレ700ラリー（欧州仕様）の走行シーン。

新型テネレ700ラリー（欧州仕様）の走行シーン。

新型テネレ700ラリー（欧州仕様）の走行シーン。

Ténéré700（2025　欧州仕様）主要諸元

・全長×全幅×全高：未発表
・ホイールベース：1595mm
・シート高：875mm
・車重：208kg
・エンジン：水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 688cc
・最高出力：73.4PS/9000rpm
・最大トルク：6.9kg-m/6500rpm
・燃料タンク容量：16L
・変速機：6段リターン
・ブレーキ：F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ：F=90/90-21（チューブタイプ） / R=150/70R18（チューブタイプ）

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