MVアグスタは、すでに販売されている中型バイクF3 RRの技術に基づき、最も高級で細部への徹底したこだわりと、純粋なパフォーマンスの向上を目指したコンポーネントを組み合わせたF3 Competizioneを2025年を通じて300台のみ限定製造する。このモデルは、徹底した軽量化を推し進め重量を14kg削ぎ落とし、0.9hp/kgと最高のパワーウェイとレシオを実現している。0から100 km/hまで 3 秒未満の加速を叩き出すスーパースポーツモデルである。販売価格は34,000ユーロ(日本円565万円)の予定だ。
目次
“走る宝石”F3が更なる進化へ
F3 Competizioneはスーパースポーツセグメントの基準を再定義したいというMVアグスタの願望から生まれた。すべてのMVアグスタの特徴である彫刻のような美しさと相まって、真にユニークなバイクを生み出している。すべてのMVアグスタと同様、F3 Competizioneはヴァレーゼ工場で1つ1つ手作業により生産される。この新しいモデルは、軽さ、パワー、そしてエレガンスのコンビネーションを見出し、最もエリートなスーパースポーツだと言えるだろう。
オーリンズサスペンション 前後に加えステアリングダンパーまで装着
F3 CompetizioneがすでにあるRRバージョンと一線を画しているのは主にサスペンションとも言えるかもしれない。オーリンズとのコラボレーションによりさらに洗練されたものになっている。43mmのNIX30の倒立モデルは効率性と幅広い調整範囲によって、ハンドリングのダイナミクスに大きく貢献している。フォークは油圧(圧縮とリバウンド)及び機械(スプリングプリロード)設定で調整可能で、両方のアジャスターはフォーク上部に配置されている。さらにリアにはデュアルチューブテクノロジーやリザーバー等を備えたオーリンズのTTX36ショックアブソーバーが採用されており、圧縮とリバウンドを調整可能だ。アルミニウム製の片側スイングアームと合わせてパフォーマンスを向上させている。またオーリンズパッケージをしめくくるのは、19段階に調整可能なステアリングダンパーで、公道とサーキットで絶対的な安定性を高めている。これらオーリンズサスペンションのパッケージにより、標準のF3 RRのサスペンションと比較して1kgの軽量化を果たしている。
カーボンホイール 重量低減に大きく貢献
F3 Competizione専用に開発されたカーボンホイールは、ダイナミックな美観をさらに向上させて、バネ下重量をF3 RRのアルミホイールと比較して3kg軽減している。バイクのハンドリングと素早い方向転換に大きく影響するとともに、マット仕上げのカーボンによって高級感を与えている。
ブレンボ製ブレーキシステム
またブレーキにはブレンボ製のシステムを採用し、Stylemaモノブロックラジアルマウントキャリパーを備えた直径320mmのフロントディスクと220mmのリアディスクが装備されている。
エンジン Akrapovic標準搭載 13,500rpmまでの高回転 ユーロ5+対応
F3 Competizioneの心臓部は、MVアグスタの象徴的な798ccの3気筒エンジンで、チタン製バルブを採用ししている。このモデル専用に開発されたチタン製のAkrapovicの排気システムにより、160hp/13,500rpmの出力を実現し、リミッターを13,500rpmに設定して高回転性能を可能としている。RRバージョンと比較し全体の重量が14kg軽量化され、パワーウェイトレシオは0.9hp/kgとなっている。また、エンジンはユーロ5+の認証基準を満たし、公道走行可能なエギゾーストシステムが標準装備となっている。エギゾーストは保護カバーにチタンとカーボンを使用することで、3kgの軽量化を実現している。
アシストスリッパークラッチ
新しい9ディスクMVアグスタアシストスリッパースイッチは、サーキットでも公道でもパフォーマンスが向上し、ライダーがレバーを引くのに必要な労力が50%軽減されている。MVアグスタ電子アシストシフトと組み合わせることで、アップシフトとダウンシフトの両方で、さらにスムーズで正確なライディングを実現している。
エアロダイナミクス カーボンファイバーを積極使用
F3 Competizioneは優れたRRのエアロダイナミクスの構成を組み合わせ、このクラスに比類のないパフォーマンスを加えることを目的とし、特徴的なエアロダイナミクスを創造した。エアロダイナミクスパッケージには、スモークレーシングウインドスクリーン、カーボンファイバー製フェアリングサイド、ブレーキ冷却とエンジン温度コントロールの両方で空気の流れを最適化するように設計されたフロントフェンダーが含まれている。これらのエアロダイナミクスは、MVアグスタの特徴である職人技の鋳造カーボンファイバー製で、時速240kmでフロントに8kgのダウンフォースを発生させることができ、クラス最高のパフォーマンスを実現している。
エレクトロニクス 6軸IMU ABSキャンセル ウイリー制御も
F3 Competizione には、6 軸 IMU が組み合わせた新しい ECU、4つのライディングモード (レイン、スポーツ、レース、カスタム) が装備されており、空間位置とエンジン動作に関連する複数のパラメーターに基づいて多数のコントロールを管理する。一方、トラクションコントロールには8つのレベル (レイン2段階、ロード3段階、トラック3段階) がある。
ダッシュボードは5.5インチのフルカラーTFTディスプレイで、MV Ride アプリとのやり取りが可能。このアプリでは、ライダーがルートを記録して共有したり、スマートフォンからバイクの設定をカスタマイズしたり、ターンバイターンナビゲーションをアクティブにしたりもできる。
ABSは、2つの動作モード (スポーツとレース) を備え、傾斜時でも安全性を高めるコーナリング機能を備えています。スポーツモードでは、ABS は前輪と後輪の両方が有効で、コーナリングと後輪リフトアップ軽減(RLM) 機能が備わる。レースモードでは、ABSは前輪でのみ有効になり、コーナリングは無効になり、RLM 機能は調整される。ABS は、オプションの Akrapovic 排気マッピングが装備され、トラックでのみ使用される場合にのみ、完全に無効にすることができる。
F3 Competizione にはローンチコントロールも装備されており、フロントリフトコントロール (FLC) システムと組み合わせると、0から100 km/h まで3秒未満で加速が可能。FLC システムは、ウイリー時に前輪の高さを管理して、最大限の安全性と精度で最大限の加速を提供できるのだ。
所有感を満たす番号付きプレートもあり
すべての MV Agusta と同様に、デザインとディテールへのこだわりを最優先としている。カラーについては、サテンメタリックカーボンブラック、サテンインテンスシルバー、ゴールドなどの色を選択し、カーボンファイバーを多用している。シートはアルカンターラで覆われており、洗練された雰囲気と、乗車中の理想的なグリップと人間工学の両方を提供する。さらに、CNC 加工された新しいステアリングヨークに付けられた、番号付きプレート (XXX/300) が、特別感と所有感をさらに高めてくれるだろう。
価格、発売時期は現在未発表だが、日本向けMVアグスタのオフィシャルサイトの掲載は開始されている。続報を待ちたい。
F3 COMPETIZIONE(2025)主要諸元
・全長×全幅×全高:-mm
・ホイールベース:-mm
・シート高:-mm
・車重:-kg
・エンジン:水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ 798cc
・最高出力:160HP/13500rpm
・最大トルク:-
・燃料タンク容量:-L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=Wディスク R=ディスク
・タイヤ:F=- R=-
・価格:未発表
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