先日新型「MT-07 Y-AMT」を発表したばかりのヤマハから、更なる新型を匂わせるティザームービーが公開された。ワインディングのツーリングをイメージした世界観は、登場が予想されている新型「TRACER9 GT(トレーサー9GT)」なのだろうか?
「Shift into the future. 」未来へのシフト=Y-AMTか
10月29日早朝、Yamaha Motor UKが「X」、そしてYoutubeや各種SNSに投稿したわずか9秒間の動画。バイクはまったく登場しないが、ヨーロッパの山間を思わせるワインディングと、ツーリングを楽しむライダー達が映し出され、最後には「OCTOBER 29th PM4:00」の文字が。そして、同時投稿された「X」には、「Shift into the future. Coming soon on October 29th 🔥」という一文が添えられていた。
ツアラータイプの新モデルが本日、10月29日に発表されるとみて間違いないこの動画。ではどんなモデルなのか? といえば、これは以前から予想されている「トレーサー9GT」のモデルチェンジではないだろうか。そしてトレーサー9GTが搭載する3気筒888ccエンジンは、既に発表されている「MT-09 Y-AMT」と同じもの。Xで示された「Shift into the future(未来へのシフト)」とは、すなわち未来的シフトチェンジ機構を有するY-AMTを示唆しているとすれば、「トレーサー9GT+ Y-AMT」の登場が濃厚だろうか? 発表時間である10月29日午後4:00とは、日本時間では30日の午前1:00。明日にはその正体を知ることができるだろう。
Shift into the future. Coming soon on October 29th 🔥#Yamaha #RevsYourHeart #Motorcycles #UKBikers pic.twitter.com/JJjPcy2f0x
— Yamaha Motor UK (@YMUKofficial) October 28, 2024
ミリ波レーダーと「Y-AMT」のコンビネーションは新機能を生み出すか?
2021年に発売されたトレーサー9GTは、それまでの「トレーサー900GT」をフルモデルチェンジした大型スポーツツアラーモデルだ。「マルチロールファイター」をコンセプトとした用途を選ばない汎用性が海外でも高い人気を得ており、2023年から追加された「トレーサー9GT+」では、ミリ波レーダーによるアダプティブクルーズコントロール、レーダー連携ユニファイドブレーキ、クイックシフターなどを備え、先端テクノロジーによるロングツーリング支援性を高めている。
そんなトレーサー9GTは、クラッチレスでのシフトチェンジとオートマティック変速が可能なY-AMTとの相性も極めて高いといえる。MT-09にて初登場したY-AMTは、効率的なシフトチェンジでスポーツ性能を一層引き上げるという点が注目されており、そのメリットは追って発表されたMT-07でも同様だ。
トレーサー9GTはといえば、トラック性能を追求するようなスポーツ志向のキャラクターではないものの、120PSを発揮するCP3エンジン由来のスポーティーな走行性能は以前から定評がある。Y-AMTがこれをアシストしてくれるのは間違いないだろう。さらにトレーサー9GT+が採用するミリ波レーダーとのコンビネーションでは、今までにないオートマティックな制御が新たに可能となるだろう。実際に、KTMから発表された「1390スーパーアドベンチャーS EVO」では、レーダーとAMTの組み合わせによる自動停車、自動発進を実現。トレーサー9GT+にもそんな機能が追加される可能性もあるだろう。
参考:TRACER9 GT ABS(2024)主要諸元
・全長×全幅×全高:2,175mm/885mm/1,430mm
・ホイールベース:1500mm
・シート高:820mm
・車重:220kg
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列3気筒 888cc
・最高出力:88kW(120PS)/10,000r/min
・最大トルク:93N・m(9.5kgf・m)/7,000r/min
・燃料タンク容量:18.0L
・変速機:リターン式・6段変速
・ブレーキ:F=油圧式ダブルディスクブレーキ/R=油圧式シングルディスクブレーキ
・タイヤ:F=120/70ZR17/R=180/55ZR17
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