軽快ミドルネイキッドのMT-07が海外でビッグチェンジを受けた。電子制御スロットルの採用でパワーモードやトラコンを獲得したほか、新設計フレームと倒立フォークまで採用。それでいて車重1kg減に成功している。ボタンでギヤチェンジ可能なY-AMT仕様の登場もトピックだ。

歴代初のビッグチェンジ、スタイルはよりエッジィ&シンプルに

10月23日に突如、ヤマハUKがティザームービーを公開。当Webで予想したとおり(https://news.webike.net/motorcycle/415261/)、新型MT-07が10月24日に正式発表された。

MT-07は、大型ビギナーからベテランまで楽しめる人気のスポーツネイキッドだ。クロスプレーンコンセプトの270度クランク688ccc並列2気筒エンジンは、扱いやすさとスポーティさを両立し、73PSを発生。車体はコンパクトで、184kgの軽い車重が魅力だ。

2014年にデビューし、2018年にスタイルと足まわりを変更。2021年にはデザイン刷新とエンジンの一部変更を実施した。さらに海外では2023モデルから、国内では2024モデルでスマホ連動可能な5インチフルカラーTFT液晶メーターを獲得していた。

このように初代以来、スタイルや細部熟成に留まり、大幅なモデルチェンジはなかったが、2025年型ではエンジン、フレーム、足まわり、スタイルを刷新し、スポーティさをアップ。エンジンは従来型がベースとしながら、それ以外はほぼフルチェンジと言える内容で、第4世代に進化した。

まずは外観から見ていこう。外装は全て新作で、エッジィかつシンプルさが特徴。特に顔は、従来の昆虫的なルックスから、MT-09を思わせる2眼フェイスとなった。


エンジンは電スロとスリッパークラッチを投入、サウンドにもこだわる

688ccc並列2気筒は従来型をベースに、待望の電子制御スロットル=YCC-Tを獲得。これによりライディングモードとトラクションコントロールが搭載されることになった。

走行モードは、スポーツとストリートのほか、ユーザーが任意に設定できるモードを用意。トラコンは2段階が設定でき、オフにすることも可能だ。またオプションとしてヤマハの第3世代アップダウン対応クイックシフターにも対応した。

アシスト&スリッパークラッチの採用も朗報。シフトダウン時のスムーズで安定した挙動を実現する上に、クラッチレバーを引く力を約22%軽減した。兄弟車のYZF-R7に搭載されていたが、ついに元祖MT-07にも採用されることになった。

サウンドにこだわったのも新型の特徴だ。スロットルを開けた際のエンジン音を最適化するためにエアクリーナー、吸気ダクト、吸気ファンネル、吸気カバーなど吸気コンポーネントの形状やレイアウトを最適化。

新デザインの燃料タンクカバーには音響増幅システムも採用。最適化されたエンジンサウンドが4つの開口部からライダーへダイレクトに伝わる。スロットル開度25~50%で低速コーナーを抜け出す際に最も効果を体感できるという。

注目のY-AMT第2弾、クルコンも搭載される

MT-09に続く、Y-AMT仕様もトピックだ。

Y-AMTは、エンジンのクラッチレリーズ部とシフト軸の部分にアクチュエーターを設け、ECUでクラッチを自動制御するシステム。クラッチレバーとシフトペダルを備えず、手元のボタンでシフトアップ&ダウンが可能だ。ボタン操作が要らない自動変速のオートマモードも選べる。ライダーは走りに集中できるのが魅力だ。

2024年型でMT-09に初採用され、2025年型MT-07がY-AMT第2弾モデルとなる。なお、Y-AMT仕様のみクルーズコントロールが搭載されているのも朗報だ。

フレームは剛性をアップ、倒立&ラジキャリで足まわりも強化

シャーシも大部分が刷新されている。

高張力鋼管フレームは、ステアリングヘッドを除いて新設計。ねじれ、縦方向、横方向の剛性が12~13% 向上しているにもかかわらず、重量は従来型と同じ約14.8kgを実現している。特にスイングアームピボットは従来と大きく異なり、補強も追加。ハンドリングの機敏さを狙った。

フロントフォークは、従来の正立に対し、φ41mm倒立を新採用。合わせてダイキャストアルミ製のトリプルクランプを新設計した。従来型に比べて約0.5kg軽く、軽量化に貢献。スポーティなハンドリングを演出する。

さらに4ピストンのラジアルマウントブレーキキャリパーをMT-07として初採用。剛性が向上し、より強力で安定した制動力が得られる。

リヤサスはショックアブソーバーとリンクを最適化。従来どおりプリロードとリバウンドダンピングの調整機能を持つ。

軽量ホイールと涙ぐましい努力で1kgのダイエットに成功!

様々な装備追加により、本来であれば車重が4.5 kg増加するところを、前モデルから1kgの軽量化に成功しているのだから驚く(STDモデルは183 kg)。

これに大きく貢献したのが、スピンフォージドホイールの新採用。バネ下重量が約0.5kg削減され、より機敏なハンドリングも期待できる。さらにバッテリーやトリプルクランプのほか、エアクリーナーやチェーン、燃料キャップなど細部のダイエットで重量を削減。外装もミニマルにすることで600g の軽量化に貢献している。


ライポジも最適化、日本仕様の価格が気になる!

ライディングポジションは見直され、マシンとの一体感アップを狙った。ハンドルバーの位置が18mm広く、22mm低く、9.3mm後方に。ステップは10mm低くなり、足元のスペースが拡大している。

また燃料タンクカバーはスリム化され、サーキット走行時に太ももがホールドしやすい形状になった。

――歴代で最も進化した2025年型MT-07。日本仕様に関するアナウンスは原稿執筆時点ではまだないが、国内導入は確実だろう。現行モデルは88万円というお値打ちプライスだが、装備充実となった新型の価格が気になるところ。正式発表を待ちたい!

MT-07[2025 欧州仕様]主要諸元

・全長×全幅×全高:2085×780×1105mm
・ホイールベース:1400mm
・シート高:805mm
・車重:183kg【186kg】
・エンジン:水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 688cc
・最高出力:73PS(54kW)/8750rpm
・最大トルク:7.7kg-m(67Nm)/6500rpm
・燃料タンク容量:13L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=Wディスク R=ディスク
・タイヤ:F=120/70ZR17 R=180/55ZR17
※【 】内はY-AMT仕様

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    値段は上がりそうだけども楽しみ

  2. monta より:

    フォーク、ブレーキ、クラッチ、TFT、その他諸々進化して「ガマンして選ぶ感」が払拭されたうえに「軽量化」してくれたのは拍手ものです。欲を言えばホワイトカラーがあるといいですね。初代は白がありましたが、その後のイメージ戦略が「dark」になり、今は暗めな色しか選べません。主軸の「dark night」に対抗したイメージで、60周年記念バージョンとして「white knight」(白カラー)を期待します。

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