
3月の大阪モーターサイクルショーに展示され、大きな話題となったホンダの新型ストリートファイター「CB1000ホーネット」が欧州で正式にデビュー。そして、このホーネットのデビューと共に、隠し球とも言える「CB1000ホーネットSP」が発表された。
目次
ヨーロッパで高い人気を誇るストリートファイターとしてリボーン
先代ホーネットの後継モデルとして登場した現行のCB1000はドリームCB750Fourをモチーフとし、スポーティなネイキッドスタイルのバイクだった。今回のモデルチェンジによって完全なストリートファイタースタイルとして生まれ変わり、車名にも「ホーネット」が復活した。
先代のCB1000のからデザインは一新され、「本来の姿」とも言えるストリートファイタースタイルへと大幅に変更された。
SPにはゴールドのフロントフォークとホイールが装備され、ボディは艶消しのブラックで迫力を感じさせる仕上がり。
スタンダードのホーネットは3カラー展開。メインカラーとなるのはこのグランプリレッド。
SPはマットバリスティックブラックメタリックのみとなり、デザートゴールドメタリックのホイールとゴールドのフロントフォークを装備する。
SPはRCバルブ装備でさらなるパワーを得る
ホーネットに搭載されるエンジンは2017年型のCBR1000RRベースで、ボア×ストロークは 76×55.1mm に設定され、圧縮比は 11.7:1となる。スタンダードのホーネットの最高出力111.6kW(151.7PS)/11000rpm、最大トルク104N・m/9000rpmにチューニングされている。それでもスペック的には十分ではあるが、ホーネットSPはさらに上を行く最高出力115.6kW(157.2PS)/11000rpm、最大トルク107N・m/9000rpmにチューニングされている。この出力の差を生み出しているのがエキゾーストシステムに設けられたRevolutionary Controlled(RC)バルブで、このバルブは5700rpmで完全に開いて排気効率をアップしている。
スロットルバイワイヤを採用することで、レイン、スタンダード、スポーツというデフォルトの3つのライディングモードと2つのユーザーカスタムモードの設定が可能となっている。エンジンパワーとエンジンブレーキが3レベル、ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール(HSTC)を4レベルで設定することができ、ユーザーカスタムモードでは各パラメーターを自分の好みや走行条件などに合わせて設定・保存することが可能だ。
エンジンは2017年型CBR1000RRをベースに中低速を強化。スタンダードは111.6kW(151.7PS)、SPは115.6kW(157.2PS)の最高出力を発生する。
SPはブレンボ+オーリンズでさらに足周りを充実
フレームは新設計されたスチール製のツインスパーフレームで、ねじれ剛性をアップすることでハンドリングの機敏性をアップ。このフレームに組み合わせされるサスペンションは、フロントが41mm径のショーワSFFBPフルアジャスタブル倒立フォーク、リアショックはスタンダードがショーワ製、SPにはオーリンズ製のTTX36をプロリンクを介してセットする。
ブレーキはフロントに310mm径のフローティングマウントディスクローターをダブルで備え、スタンダードはニッシン製4ポットキャリパー、SPはブレンボのStylema4ポットキャリパーとなり、どちらもラジアルマウントされる。リアブレーキとスタンダード、SP共に240mm径ディスクローター+ニッシン製シングルポットキャリパーの組み合わせとなる。
スタンダードのフロント周り。ブレーキキャリパーがニッシン製のラジアルマウント4ポットキャリパーとなり、フロントフォークはシルバー仕上げとなる。
SPのフロントブレーキには、ブレンボのStylema4ポットキャリパーが奢られる。デザートゴールドメタリックのホイールも美しい。
SPのリアショックユニットはオーリンズのTTX36がセットされる。油圧ノブでプリロードを調整でき、コンプレッションおよびリバウンドのダンピングを完全に調整可能だ。
スマートフォンとの連携で、ユーティリティもアップ
メーターは5インチのフルカラーTFTを採用し、カバーガラスとTFTスクリーンの間を樹脂で密閉することで反射を軽減し、バックライトの透過率も向上している。メーターデザインは「バー」、「サークル」、「シンプル」の表示パターンにカスタマイズできる。また、「Honda RoadSync」アプリによってのiOS/Androidスマートフォンと接続することができ、通話、メッセージ、音楽、ナビゲーションといった機能が使えるようになる。この機能は、左ハンドルのバックライト付き4ウェイトグルスイッチにより、画面上のナビゲーションを簡単に操作できるほか、ライダーが電話をかけたり音楽を聴いたりするためのオプション(Bluetoothヘルメットヘッドセット経由)も提供する。
5インチのフルカラーTFTメーターは、さまざまな情報を正確にライダーに伝える。表示モードも選択でき、スマートフォンとの連携でナビケーションの表示も可能だ。
個性的な4灯タイプのヘッドライトを採用し、ストリートファイターの必需品とも言えるミニカウルは洗練されたデザインだ。
このように各部に魅力的な装備を満載して登場したCB1000ホーネット/SPだが、当然日本にも導入されることになる。日本仕様の詳細や発売時期などはまだ未定だが、情報が入り次第Webike+でも随時お伝えしていく。
ハイパフォーマンスなストリートファイターであるCB1000ホーネット/SPは、ホンダのネイキッドカテゴリーのフラッグシップとなるだろう。
走行性能の高さを感じさせる、魅力的なスペックを備えるCB1000ホーネット/SP。日本への導入が待たれる。
CB1000ホーネット/SP主要諸元(2025)
・全長×全幅×全高:2140×790×1085mm
・ホイールベース:1455mm
・シート高:809mm
・車両重量:211kg・212kg
・エジンン:水冷4ストローク4バルブ並列4気筒1000cc
・最高出力:111.6kW(151.7PS)/11000rpm・115.6kW(157.2PS)/11000rpm
・最大トルク:104N・m/9000rpm・107N・m/9000rpm
・燃料タンク容量:17L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-17、R=180/55-17
・価格:8999ユーロ(約146万5000円)・9999ユーロ(約162万8000円)(欧州現地価格)
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ちょっとライトが大きいけど・・・まんまz1000だな。